衆院選がスタートした。
解散風が急浮上した頃は、自民党がみすみす議席を減らす選挙をする筈はないと思っていたが、予想に反して安倍首相は解散を決断した。その理由については、諸説が飛び交っていたが、嘉悦大の高橋洋一教授の解説が一番腑に落ちた。今後の衆院任期中のどの時期に解散をしても、今より議席減は大きいとの見通しと、消費税引上げ延期を何としても阻止しようとする財務省が自民党内で反安倍首相の流れを作ろうとしていた事への対抗手段であると言う。確かに解散してみると、野党の慌てぶりは傍目にも明らかで、この時期の解散は安倍政権にとって正解であったと見える。
選挙戦が始まり、各党党首の論戦、演説がニュースに多く出現しているが、中では民主党の海江田氏の酷さが際立っている。一度は政権を取った政党とはとても思えない、具体性の全くない空論ばかりで聞くに堪えない。
曰く、"分厚い中間層を作る"…..そのためにどの様な経済政策を取るのかを全く示さない。"アベノミクスは10年前の経済施策である"…...では、今の世の中に合った政策は何なのかも言えない。"大企業だけが儲かって中小企業は疲弊している"…….大企業の収益を削ったら、中小企業に恩恵が及ぶと本気で思っているとしたら笑止もの。"円安が日本経済の足枷になっている"…….無策による円高で製造業を海外に追いやったのは民主党政権でしょ、90円/ドルくらいで踏ん張っていたら製造業の海外流出は防げたし、そうできていたら今の円安では巨大なメリットが出た筈。今の円安でメリットを喪失させたのは民主党です。"消費税上げで景気後退となったのはアベノミクスの失敗である".........そもそも財務省にありもしない国債暴落と脅されて、他の財政再建策も考えられずに消費税引上げを決めたのは民主党で、前回の8%への引上げによる景気後退の主因を作ったのは民主党でしょ。"安倍首相は原発再稼動に突き進んでいる"…….そもそも無理なCO2削減目標を世界に公言して原発比率を格段に高めようとしたのは民主党であり、福島の原発災害も原子力発電を推進するための安全性精査を怠ったことが大事故に至った一因であるし、震災直後の政府対応に問題があったのも明らかでしょ。それやこれやで、どの発言も突っ込みどころに事欠かず、いくら書いても尽きない程、海江田民主党は語るにおちる。
こんないい加減な政党でも、それなりの議席を取れるのが民主主義の仕組みなのだろうが、耳に優しい甘言に騙されて票を投ずる国民の側にも問題はあると言える。その投票行動が政治家を甘やかせ、真面目な政策論議より、うわべだけの言葉で人心を掴むことに執心させてしまうのであろう。こんなことでは自民党と対峙できるようなまともな対抗政党は未来永劫でてこない。
民主党政権の誕生から終焉までの経緯を見て思ったのは、そもそも日本人の国民性に二大政党は似合わないのかも知れないということである。それは日本社会が均質性を重んじ対立を好まないことに起因しているように思うし、敢えて階層対立社会である他国に合わせて変質することもないであろうと思う。日本には日本の民主主義があって良いし、それが自民党政権の永続であっても異を唱える必要はないであろう。要は世界の中で日本が国としての尊厳を保ち、国民に日本人としての誇りをもたらし、日々安全に暮らせる社会を築いてくれる事が政府の役目であろうから、政党の名前はどうでも良いのであって、それに相応しければ民主党でも一向に構わないと思う。
が、それにつけても今の民主党では全く資格に欠けるのは間違いない。今度の選挙戦を通じて少しはまともな主張や具体論を示して欲しいものである。 2014/12/3 23:00