ニュースの直感:ビール税の見直し | フェディのブログ

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ビール類の税率変更の見直しが検討されている。



政府の目論見は当然ながら酒税の増収であるため、反論も多いと思う。しかし、そもそもビール類で異なる税率を設けていたことが問題であろう。商品の税率を少しでも下げ、売値を下げることで、より多く消費してもらおうとメーカーがビールの定義に当てはまらない新たな商品を作ってきたわけで、発泡酒という新ジャンルを生み、その後さらに第三のビールを作ってきた。いわば法律の網の目をくぐっては新商品を作ってきたと言える。メーカーは新ジャンル商品を本物のビールの味に出来る限り近づけるために大変な努力をしてきたと思うが、所詮はまがいものでありビールとは似て非なるものと言える。



非なるものであるから税率も異なって然るべきとの論拠もあるのだろうが、個人的には大いに異論がある。それは日本人の食文化、企業社会を貧しくすると思うからである。長く続いたデフレの中で、より低価格で消費を少しでも拡大しようとする試みは理解できるが、ビールに似た異なる原材料の飲料を普及させるのはビールメーカーが自分の首を絞めることになる。他社に先駆け新たな材料とレシピを見つけビール味の新飲料を作って一時的に売り上げを伸ばしても、1年も経たずに他社も参入しシェアの奪い合いとなる。とどの詰まりは、全社挙げて低価格品の比率を高め、総売り上げを減らす方向に向かうのである。更に大きな問題は、この税率逃れが日本の税率あっての方策であるから、ビールメーカーは揃って世界の標準とは異なる方向に向かってしまうことであり、日本市場をガラパゴス化してしまうことである。



日本のビールメーカーが優秀な技術があるからと言って、その技術を日本だけで通じる製品開発に投じてしまっては、世界市場で戦うことを放棄するに等しいし、日本の食文化をミスリードすることになる。スコッチウィスキーはいつまでもスコッチウィスキーであり、ボルドーワインは永遠にボルドーワインなのである。世界のビールが全て発泡酒や第三のビールになる筈はない。発泡酒や第三のビールは日本のデフレの生んだ鬼っ子であろう。政府は酒税の差を縮める方向で検討しているようであるが、全て一律とするのが筋である。増税との非難を避けたいなら現在の総税収と同じになるところに新税率を決めれば良い。それでも日本のビール市場をガラパゴス化しないという経済的効果は大きいと思う。

                                           2014/10/27 19:00