小渕経産大臣と松島法務大臣が窮地に立っている。
最初は松島大臣のうちわ問題が追及されたが、その後、より大物の小渕大臣の政治資金処理の不透明さが明らかになって注目はもっぱら小渕大臣に移っている。結論から言えば、両者とも脇の甘さがあったという事であり、事象の重大さから見れば小渕大臣の方が事態は深刻である。まだ若く将来性のある小渕大臣は自ら身を引き、出直しを図ることになるであろう。松島大臣は追及の矛先が小渕大臣に移ったことに乗じて、うやむやにして生き残りを策するのではないかと思う。
さて、先に発覚した松島大臣の問題は、うちわを無償で配布したということであった。追求したのは久しぶりに表舞台に登場した民主党の蓮舫議員で、いかにも元タレントらしい、大向こうを意識したパフォーマンス感たっぷりの質問ぶりであった。まるで、重箱の隅に汚れを見つけたクレーマーが、お店の主人を呼びつけ居丈高に叱責する姿のように見えた。最近の民主党は、下野して2年余ですっかり本家帰りをしたようで、政策の本筋とは関係のない些事を取り上げては、勝った勝ったと悦に入っている。代表代行の岡田氏も、新聞のコラムで民主党の追及で自民党の暗部をあぶりだしたと、さも鬼の首をとったような記述をしていたが、本筋の政策論議で勝って言うならともかく、必死にあら捜しをして、うちわを配ったことを聞きつけて国会の場で取り上げることに、どれほどの重要性があるのであろうか。
この松島大臣の件は、大臣の答弁が問題であったと思う。いまどき、うちわなぞは街頭や店頭で宣伝の素材としてタダで配っている。無論コストはかかっているのは当然で、配布側は持ち出しとなる。政治家の選挙民への利益供与を禁じているのは、票の買収を防止する上で当然の措置であるが、街角でもタダで配られているうちわが、外注費を払って製作した有価物であるから利益供与であると断ずるのは法律の適用としては原則論過ぎる。法律の適用は時代の常識に沿って行われるべきであり、それが大きく乖離し続けた場合には改正するのが筋である。この意味で松島大臣の事案は、民主党が法律を利己的に使った間違った正義と言ってよい。であるから、松島大臣は「それはうちわではない」と強弁するのではなく、うちわは利益供与には当たらないと解釈したと答えればよかっただけのことである。
次に、小渕大臣の方であるが、こちらの事態は深刻である。事象は松島大臣と同じ選挙民への利益供与であるが、額も大きく観劇会への補助金は明らかに利益供与となる。勝手な推測ではあるが、大臣自身はこのような事をしていたとは承知してはいなかったであろう。父親時代から受け継いだ選挙事務所や後援組織を、父の時代から長年運営しているのだから間違いはなかろうと任せきりにしていたのではないか。過去からメディア等で垣間見ていた本人の性格からは、今回は潔く監督責任を認め、身を引くのではないかと思う。後は政府への打撃を不安視し、辞任に反対する人たちとの折り合いだけであろう。
人は自分の得意分野で失敗をすると言う。安倍総理は女性の社会進出を政策の柱にして着々と実行に移しているが、今回の2閣僚がいずれも女性であるのは皮肉であり、残念でもある。
2014/10/18 12::00