中国のリー・コーチャン首相が訪欧を終えて22日に帰国した。
中国国営メディアはその成果を最大級の表現で賞賛しているという。これに対し、英国メディアは中国の傲慢さについて批判をしている。中国は財政難に陥っているギリシャでは約6600億円の経済協力を調印し、英国ではLNGの買付け等で2.4兆円の契約を結んだという。中国は元安を維持するための為替介入で国内に溢れかえったドルを海外でのプレゼンス向上に活用している。
かつて、高度成長期の日本も世界からエコノミックアニマルと揶揄されたが、今の中国と決定的に違うのは、海外投資の裏に国家としての覇権主義はなかったことである。中国は今回の英国訪問でも、国家元首でもないのにエリザベス女王との謁見を無理強いし、現共産党指導部の力を国内外に誇示するための政治目的を鮮明にしている。
中国は13億人の民と広大な国土を背景に、米国の次に世界の覇権を握ろうとの意図が明々白々であるが、図体は大きいものの、その頭脳はほんの一握りの共産党指導部内でのたらいまわしであり、多くの移民からなる民主主義国家である米国とは対極にある国家である。現在のプレゼンスの大きさの背景には、米国が第二次世界大戦で国土が戦火に晒されなかったことで戦後の世界で大きな地位を占めたと同様に、中国は2008年のリーマンショック以降の金融危機で国内経済が毀損されなかったことがある。これは、それ以前に急成長期を迎えていた大きな前向きの慣性があって、経済政策も共産党の支配化にあり統制がとり易かったことがあり、まことに幸運という他はない。
しかし、13億の民といっても、その平均個人所得は日本の十分の一強に過ぎず、沿岸部に住む3,4億人のなかの資本家側に属する一部と、地方の共産党上層部のみが先進国並み以上の所得を持つだけである。また、広大な国土の大きな部分はチベット族とウイグル族から強奪した自治区であり、本来の漢族の国土はさほど大きくはない。換言すれば正に張子の虎と言って良いであろう。
されど、されどである。この覇権主義を持つ国家は我国の隣国であり、地球のほぼ裏側の英国、米国とは訳が違い、正に頭上の脅威なのである。リーマンショックで大きく経済・財政を毀損した欧米のパワーが弱まる中で中国とロシアが相対的に力を復活させてきた流れは、今後しばらくは継続するのは間違いない。日本は立ち位置を間違えると、たちまち中・露・欧米の三つ巴の渦の中に埋没してしまうであろう。このような背景を理解して日本は政治にあたらなければならず、先の日曜日、沖縄終戦記念日に「平和憲法死守」などとあちこちでデモが行われていたが、そんな事を言っている場合ではない。
もう、いい加減に口に出すのも嫌になるが、日本の某元首相が中国から招かれて、北京の世界平和フォーラムで、日本の現政府は右傾化していると発言したらしい。このような、利敵行為を繰り返している人物からは元首相という肩書きを返上させるべきであろう。例の慰安婦の元官房長官と同様に…..。
いずれにしろ、国民一人ひとりの意識がメディア報道の方向性も左右できると信じ、感情的、感傷的な甘言やプロパガンダに惑わされないことである。