ニュースの直感:羽田空港の発着枠拡大 | フェディのブログ

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国土交通省が依頼した有識者会議が羽田空港の発着枠拡大についての提言を出した。

それによると、今まで空路として制限していた都心上空の通過を緩和することが有効であるとしている。東京オリンピック開催へ向けた準備活動の一環なのであろうが、筋の悪い話である。過密都市である東京の都心上空を通常航路としないことは、安全上からも絶対に守るべきである。提言では一応、騒音に配慮して時間制限をするとしているが、騒音うんぬんの前に安全を絶対視すべきである。無論、事故の確率は極々僅かであるが、決してゼロではないのは自明のことである。福島の原発事故も確率から言えば無視して良いほど限りなくゼロに近い事象であった筈なのに不幸にも起きてしまい、世界を震撼させるほどの災害となってしまった。あの教訓を忘れてはならない。

例えオリンピックという大行事といえども、それを隠れ蓑にするような筋の悪い行為は許してはいけない。今後、推進派はおそらくオリンピックで予想される海外からの渡航客の数を眼いっぱい多く予測し、今の発着枠では到底まかないきれないというであろう。それに加えて、観光振興が政府の目標でもあり経済効果もこれこれと数字を出してくるのが眼に見えている。そう言われると、つい、外国からのお客様に不便をかけられない、オリンピック開催国として恥ずかしいとか、諸外国の主要空港と比べて見劣りするのは如何なものか等々、「やさしい日本人」としてはガードが甘くなり勝ちである。しかし、オリンピックは一時だけのことであり、その後も同等の渡航客が見込める保証などあるはずはない。バブル以前の成長神話と同じで、皆がそろって将来が現在の延長線上にあると思い込むことの怖さ、愚かさも忘れてはならない。

インフラ整備が遅れている都市でのオリンピック開催であるならば、それに伴う新規投資等による恩恵は大きく将来への資産となるが、既に都市として完成し尽した東京では逆に失うものを極小とすることに心血を注ぐべきである。羽田の立地で優れているのは大都市のすぐ脇にありながら大きな東京湾に面しているお陰でビル群の上を通らずに安全に離着陸できるということである。この意味でも空路制限緩和などは羽田空港そのものにとっても失うものの代表となりうる。一時的なピークを乗り切るだけなら、過去にあちこちに作って閑古鳥がないてLCCを躍起になって誘致している地方空港を利用すればよい。それらの滑走路の延長工事費用の方が都心上空を開放することによる眼に見えないコストより余程少ないであろうし、日本の地方の魅力を海外の人達にPRする絶好の機会となる。

羽田の発着枠の無理な拡大は失うものの方が遥かに大きく、オリンピックといえども錦の御旗とさせるべきではない。 前回のオリンピックで日本橋を高速道路で覆ってしまった愚行を繰り返すのは、それこそ世界の物笑いである。それよりも、多少の不便を掛けても安全都市東京を死守するという気概の方が渡航客の心を打つことは間違いない。