講演会のご案内
久しぶりの(何と約3年ぶり)の書き込みです。この3年間は、病院での仕事やら研修やら私事やらで忙しく、ブログを書くだけの気力と体力の余裕がありませんでしたが、今年に入って、やっと少しゆとりができました。それと、昨年10月で今の仕事を初めてからちょうど10年が経ったので、それを記念して来たる2月16日(日)に講演会を開くことになりましたので、そのご案内を兼ねて、ブログに記事をアップしようと思い立った次第です。講演会の内容については、以下のサイトを見てください。講演会「家族がより良く機能するために」 仕事のHPは以下のところです。NPO法人「家族と教育を考える会」それから、最近考えたことをHPの挨拶文として載せているのですが、それと同じ文章をこのブログにも載せておきます。私は昨年秋の気候の変化に身体がついて行かず、体感温度が分からなくなったので、温度計を買って来て気温を確認するようにしています。それで、着る服や掛け布団の量を決めていますが、風邪や不眠の予防になっているように思います。異常気象の頻度が増している原因は温室効果ガスによる地球温暖化である確率が90%以上であると、「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」によって発表されています。調査によると、気温だけでなく海水温も上昇しており、しかも2,000~3,000mの深海まで水温上昇が浸透しているとの事で、地球温暖化の影響はこれからますます進行して行くだろうと予測している専門家も多いようです。原子力発電に頼ることの危険性を身に沁みて感じている今、二酸化炭素を出さない他のエネルギー源が求められています。風力、太陽光、地熱、潮力などの自然エネルギーの利用が実用化されつつありますが、天候などの影響を受けやすく不安定なため、より安定したエネルギー源が必要のようです。また、日本が得意としている省エネ対策も大事ですね。より消費エネルギーの少ない自動車や電気製品などの開発や使用が必要になって来ています。異常気象の影響は地球上に住む殆んど全ての人々に及ぶので、私たち皆が協力しなくてはなりません。話は変わって、一部の人にしか関心が持たれにくい重要な問題も沢山あります。私が関心を持っている事の1つに、生殖医療の問題があります。昨年末に、性同一性障害の女性(Aさん)が戸籍の性を男性に変え、更に女性と結婚してAID(非配偶者間人工授精)によって子どもを儲け、その子がAさんの嫡出子として認められるという、最高裁の画期的な判決が下されました。それは、多分おめでたい事なのでしょうが、生まれた子どものことが気になります。その子は、自分の遺伝的父親を知らされないまま成長することになる可能性が大きいからです。現在、日本では生殖医療に関しての法律は作られておらず、日本産科婦人科学会や日本生殖医学会などが見解を出しているようです。また、生まれた子どもが自分の出自を知る権利に関しては、国の機関である厚生科学審議会・生殖医療補助部会が報告書を出しています。それによると、子どもに対して事実を告げるのは親の判断で行う、子どもは15歳以上になると希望すれば精子(あるいは卵子)提供者についての情報開示を求めることができる、という内容になっています。しかし、現実にはドナー(提供者)の資料がきちんと保存されていなかったり、秘密にするのが当然というような考え方がまだまだ強いようです。親にとって、子どもに事実を伝えるのは勇気の要る、できれば避けたいことかも知れません。一生子どもには知らされずに、秘密にされたままという場合も多いでしょう。しかし、DNA鑑定などで分かってしまうケースもあるようです。その時の子どもの気持ちを少し想像してみてください。その子どもは、そんな重要な事を秘密にされていたことにショックを受け、遺伝上の父親(あるいは母親)が誰でどんな人なのか、自分のルーツを知りたいと思うのではないでしょうか。子どもの知る権利を保障することは、とても重要だと思います。私は幼少期に親戚の家へ養子に出され、その事を秘密にされていて、思春期にその事実を書類によって知ったという経験をしています。その時、それまでの親子関係と自分の存在が崩れていくような感覚を味わいました。私の経験から言えるのは、その事実を6~8才位の子どもの時に親からきちんと伝えられていれば、それほど傷付かなかったということ、秘密にされていたこと自体が強烈なトラウマ体験になるということです。親から事実を伝えられた場合もショックは受けるかも知れませんが、重要なのは血の繋がりよりも築いて来た親子の関係です。事実を伝えた上で「お前を実の子どもと思って大切に育てているよ」と言ってもらえれば、子どもは安心できるのです。親子関係は保たれます。また、私の場合は遺伝上の親が近くにいたので自分のルーツを知ることは簡単にできたのですが、AIDで生まれた子どもの場合は医療機関や公的機関の協力などが無いと難しいでしょう。子どもが知りたいと希望した時には、それに応えられるだけのシステムを関係機関はきちんと整備しておくべきだと考えます。