宙組観劇レポ | OG:LIFE

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宙組東宝公演 NEVER SAY GOOD BYE-ある愛の軌跡- 6月1日18:30~ 2階B席56番


○ひっさしぶりに観劇して参りましたのは宝塚歌劇団宙組『NEVER SAY GOOD BYE』東京公演。初の2階B席での観劇でした。ポジションは12列56・57の連番。友人は今回が初の宝塚観劇でした。遠いのが申し訳なかったですが大変お気に召されたご様子であーこの公演チケット取れて本当に良かった、お誘いして本当に良かったなぁと思いました。



 キャサリン(ハナちゃん)の孫のペギー(ハナちゃん2役)が祖母の日記を手にタカちゃん(ジョルジュ)のカメラを探しに行くまでの短い時間での回想という導入。こういう回想シーンをメインに現在の流れを時折はさみながらの舞台構成は照明で視線が大きく切り替わるので動きとして楽しいですね^^

 話はピカソのゲルニカが書かれた時代の少し前位から始まります。話の予備知識を入れていなかったのですが、ゲルニカが描かれた経緯は美術史のほうで多少入っていたので後半のほうではあったのですがそで話がスッキリ納得できたというか。ゲルニカへの理解も深まった感じがしました。いつも宝塚からは歴史的なこと、美術のこと、音楽、ダンス、お芝居のこと、礼儀などなど色々なことを教えていただいています。見るたびに色々賢くなれることと現実を離れて夢に浸れることが同時にできるのが宝塚の凄さ★

 個人的に最も好きだった場面は第2幕冒頭のサン・ジョルディの祭りの場面。あの歌もかなり好きです。そしてサグラダ・ファミリア!!!!有名なガウディの建築の一つですよねっ^^テレビでこの教会の模型(重しを用いたさかさまの模型)の映像が忘れられなくてずっと覚えています。ガウディは生涯一度も設計図を描かず、全て模型を用いて建築の設計を行ったそうです。現在教会にも色々な模型のパーツが残っているんだそうですよ。・・・でもとい、そのサグラダ・ファミリアの地下に市民が集まっているのですが、青い照明が薔薇窓を再現した壁面を通過して床に神秘的な影と光を描いていて、そして歌もレクイエム的な神々しい雰囲気をかもし出していてうぁああ・・!と鳥肌がたちました。

 このサン・ジョルディの祭りはスペイン内戦の中で戦争のために利用されてしまうのですが、芸術が時に戦争で洗脳・・に近い教育目的で利用されるというのは歴史的に見て残念ながらあまり珍しいことではなく、絵本の歴史やアニメの歴史でも、戦争が出てくると必ずプロパガンダとして利用されています。サン・ジョルディの祭りはPSUCに利用され、的を闘うべき相手(ファシスト)になぞらえ、市民に固定観念を植え付けようとしていました。芸術は利用されることもありますが、抵抗する武器にもなるときがあります。今回ピカソが直接でてくることはありませんでしたが、ピカソもゲルニカで怒りを表現しましたし、チェコスロバキアに代表される人形劇などは、支配下に置かれた状況の中でもアイロニーを込めた風刺劇を言語で演じることで市民の心を支えたことでしょう。

 ちなみに、日本でもサン・ジョルディの日である4月23日に各地でイベントが行われており、この日には花や本の市が開かれることから本の日として日本では1999年からブックフェアをこの日に行うことになっているそうです。日本では現在、本というところから「こどもの読書の日」にもなっていますよ^^本との結びつきが強いのはこの日がシェイクスピアの命日であることの影響からだともいわれています。

 話しがなんども飛躍してしまいましたね^^;;そして今回なによりもよかったのは音楽。ほんとに良い曲ばかりでした。全部良い歌・良い音楽で是非楽譜を買おうと思いました♪♪弾きながら舞台を思い出して涙・・とかになりそうです(笑

 今回タニちゃんの歌がとっても上手かった上に出番が多かったし、何より役どころがマタドールですっごいカッコよかった!!ハリウッド女優役のるいちゃんは凛とした印象で風と共に去りぬのスカーレット・オハラの系統を引くような女性像を描き出していました。ハナちゃんのキャサリンも強い女性だけれど、スカーレット的な弱我侭っぽさがある女性像としてはエレナのほうでキャサリンはまた違ったタイプの女性ですね。キャサリンはエレナのことを頭がからっぽだといいましたが、エレナは多分そこまで言うほど頭からっぽじゃないと私は思います(笑)るいちゃんフィナーレのエトワールでの歌声も素晴らしかったです****途中の第16場のタカ・ハナコンビのダンスシーンにはもうなんてなんて美しいんだろう・・とひたすら涙涙涙・・その後の17場でもタカちゃんのダンスは輝きまくっていました。これがほんとうに怪我をした人なんだろうか?と思うくらい完璧なダンスでした。ダンスといえば第2幕10場では内面の表現と戦闘シーンを上手く表現していたのではないかと思います。こういう類のものは過去に経験がある(薔薇の封印とかで)ので演出が最高によかったですよ!展開を彷彿とさせながらハラハラドキドキ!!ジョルジュ!!!!!!と叫ぶあのシーン・・私も叫びたくなりました。死に場面の演出は宝塚ならではですね^^今回セリと盆回しもすごいよかったと思います★あ、あと第1幕から結構回数を使っていた長い壁面。半分ずつ違う空間を作ってそれを使い分けしていたのに感心しました。『あらしのよるに』で俳協さんは舞台をカーテンで隠したり大掛かりな移動が出来ない小さい舞台で一つの大道具のみを何種類にも使い分けるという器用なことをしていたのですが、今回の宝塚のものもかなり工夫されてたなぁと思います。

 92期生のラインダンスもかなりよかったですね。短い時間にここぞとばかりにかなり足あげまくりでした。印象としてはすごい元気な感じですね^^


時間が最終公演だったため楽譜を買おうと思ってもその日に買えず・・また行くんなら2回目見たらどうかしらと思ってますが・・うん・・がんば・・ろ・・う・・。とりあえず行くとするならばおそらく来週火曜日あたりです^^ムフフ