前回の続き。
「治療や体の変化について
どこまでどんな風に説明するのが良いのでしょうか」
・ 目に見えるところ(傷や脱毛など)の変化については事前に説明しておくと良い
・ お腹の中の変化まで言うかは人それぞれ
同時化学放射線化学療法を受ける前の段階、
この治療に使う抗がん剤(シスプラチン)に脱毛の副作用があったことから、私はこの治療で髪は結構抜けてしまうものだとてっきり思っていた。
…実際には全く抜けなかったのだが。
投与量の関係だろうか。
それはともかく。
こどもたちには入院前に
「お母さんは治療したら、髪が抜けちゃうかもしれないんだ」
と説明した。
その時、娘は即座に
「やだ!こわい〜〜!」
と。
こわい、という反応に正直私は驚いた。
「こわい」のならちゃんと対応してあげないと、
と少し焦った。
ここでも、CLSの方がお勧めしてくださっていた絵本が役に立った。「ママのバレッタ」
抗がん剤で髪が抜けるママのお話。
髪飾りが好きな6歳の娘にとてもマッチした内容で
「こわい」というイメージはうまく緩和されたようだ。
ただ、「髪が抜けるなんて」というネガティブ感情は
消えていなかったよう。
だから、再入院する前に1つのプレゼントをした。
この本になぞらえて
2つのバレッタ。
大人もこどももつけられるようなデザインの
色違いの2つのバレッタ。
「ママが癌が治って髪が伸びたら一緒にこのお揃いのバレッタをつけてお出かけしようね」
といって渡した。
娘はとても喜んだ。
私の入院中、
娘は遊びに出る時にこのバレッタをよくつけてくれた。
私は脱毛はなかったけれど、治療前にバッサリとベリーショートに髪を短くしていたから、癌が治って元気になりまた髪を長くしたら、娘と一緒にこれをつけて出かけよう、という目標にもなった。
前回ブログの「からだのなか」という絵本にしても
この「ママのバレッタ」にしても
CSLの方がお勧めしてくださった絵本の内容はピンポイントで
こどもたちの理解を促し、ポジティブに変換するような
きっかけ作りにつながっている。
他にも色々とお勧め絵本があったし、そのCSLの方個人の好みでもあるとおっしゃっていたけれど、さすがのキュレーション。
参考までにCLSの方との面談で見せてくださったお勧め本↓
親のがんについてこどもたちに伝える際に
絵本を利用するのがいいことはなんとなく知っていた。
ただそれまでは結構たくさんある関連本の中から
なんとなくで選んでいたが、
大事なのは
がんという病気のことを伝えるテーマの本なら
なんでもいいということでなく、
その時のその子の心配事が多少とも解消されるテーマかどうか
その子の興味がそそられるような描写か
理解できるレベルに合っているか。
という視点で選ぶことなのかなと思う。
大切にしたいこどもたちとの時間。
絵本を用いて楽しく、安心をうむ
コミュニケーションにしたい。