チャイルド・ライフ・スペシャリストの方とのお話で相談したこと
教えていただいたこと
それから我が家の実際
を書いてみようと思う。
「治療や体の変化についてどこまでどんな風に説明するのが良いのでしょうか」
・ 目に見えるところ(傷や脱毛など)の変化については事前に説明しておくと良い
・ お腹の中の変化まで言うかは人それぞれ
とのこと。
手術の前に
「ママはがんをとるためにお腹を’切る’からね」
と説明していたことは良かったようだ。
手術後もLINE電話の時に積極的にお腹の傷を見せたり、点滴の管やその薬、尿道カテーテルが入っている時にはその管や溜まっている尿バッグを見せた。
3歳の長男は単純に「おしっこ」とかそういったワードやビジュアルにつられて、お腹の傷や尿道カテーテルに興味津々。
なんども「見せて〜!」という。
そんな感じでも、それが「がん」を治すためのことだということはわかってくれていたようだ。
見えない部分の変化について教えるかは、人それぞれとのこと。
我が子について考えると、
癌とわかってからのコミュニケーションの中で、
6歳の娘は、ある程度話をすれば理解してくれているようだったし、3歳の息子も彼なりの理解をしてすんなりと受け入れる様子だったから、積極的に話をしてもいいんじゃないかと思った。
チャイルド・ライフ・スペシャリストの方とお話をしてママの病気のことを積極的に具体的に言うことはこどもたちの様子によって判断すれば良いとお墨付きをもらい、話をする時に安心できた。
ただ、こどもに色々とわかりやすく説明しようとしても、案外うまく説明できないもの。
例えば「管」ということばが子供達にわからなくて、他の言葉で説明しようとしても
なんだかうまく言い表せなかったり。
ホース?チューブ?ストロー?
お庭に水を撒く時に使うやつみたいな、、、
「それ何?」と聞かれてもとっさになんと説明したら子供にわかるのか言葉が思い浮かばなかったりする。
こどもだから、予想外の質問をされるのは入院でなくても日常茶飯事だが、ビデオ電話ではなかなか説明がむずかしい。
それから、抗がん剤、放射線治療のこと。
抗がん剤については、点滴バックを見せて、
「これにがんを治すお薬が入っている」
とでも言えば’’ふううん’’
となるのだが、
’放射線治療’というのは目に見えないから余計難しい。
しばらくの間なかなかうまい説明が思いつかなかった。
ある時ふと、普段患者さんに放射線治療のことを説明する時「焼く」と言う言葉を使うことがあるなと思い出した。
それで
「電子レンジみたいに見えないんだけど、放射線ていうのを当ててがんを’焼く’んだよ」
と子どもたちに説明してみた。
反応はやはり’ふううん’という程度だったが、
私としてもすんなり言葉で説明できている気がしたから、その後は「焼く治療」ということにした。
色々な説明をする中で、
見せていて良かったなと思ったのが、
この絵本だった。
チャイルド・ライフ・スペシャリストのかたが
お勧めしてくださった絵本。
一時退院中にネットで買って読み聞かせていた。
特に役に立ったのは、表紙にも絵が載っている
「白血球」のことだ。
同時化学放射線療法の時、副作用で白血球の減少が著しく、しばらく抗がん剤が投与できなかった。
こどもたちと電話する時に
「今日は朝、血をとって明日抗がん剤のお薬が使えるかどうか検査したんだよ。白血球っていうのが少ないとお薬が使えなくなるんだよ」
白血球、という言葉を娘はこの絵本を読んでいたから、知っていた。
全身をめぐる血の中にあってバイキンと戦うためにあるもの、といった程度の理解と思うけれど十分だ。
次の日の電話では
娘「白血球増えた?」
私「また少なかったんだよ〜」
娘「え〜〜〜 残念〜」
治療する前は、6歳の娘とこんな会話ができると思ってなかったから、少し嬉しかった。
抗がん剤が副作用のせいで投与できない残念さを娘にも共有してもらえたのだ。