治療の副作用<吐き気と食欲不振 2> | 39歳 癌になったママ女医 〜Cancer Gift〜

39歳 癌になったママ女医 〜Cancer Gift〜

消化器内科医 緩和ケア医 2児の母 
39歳で子宮頸癌と診断されました。
それからの経験がどこかで何かの役に立てられればと思い、綴ります。
癌の手術や化学療法などの治療に挑む方。
小さな子どものママで癌を患った方。
医師としての自分、母としての自分に。

前回の続き


こうして結局、お薬の力を借りたことは大きかったが、

お薬の他にできたこと。

 

それは栄養士さんに食事を工夫していただいたことだった。

 

どんなに食欲がなくても、

食事を「全く食べない」ということはなかった。

吐き気がひどい時はスープだけという日もあったが、

それ以外は何かしら食べていた。

 

とても助かったのが、

入院して化学療法を受ける患者さんへ向けた特別な食事メニュー

「チョイス食」だ。

 

化学療法で食欲不振や味覚異常などがあるときに食べたくなりやすい食事のラインナップだそうだ。

 

<さっぱりスイーツ系>

プリン、アイスクリーム、シャーベット、ゼリー、ジュース、フルーツ盛り合わせ 

<ご飯系>

冷たいうどん、あったかいうどん、冷製ポタージュ、コンソメスープ、焼きそば、お好み焼き、カレーライス、いなり寿司

 

 

私は「フルーツ盛り合わせ」に随分お世話になった。

 

フルーツ(特にりんご)なら吐き気で食べたくない時でも口にできるのだ。

朝は必ず食欲が湧かなかったが、りんごのさっぱりシャキッとした食感を考えると食べられそうなイメージが湧いた。

それにキウイやバナナ、柿や梨などの季節のフルーツまで少しずつ彩りよく盛ってあるのが目にも嬉しい。

だから毎朝、朝食は「フルーツの盛り合わせ」という食事設定にしていただいた。

ヨーグルトとカロリーメイト(2本)も添付できたのでお願いした。

全部で約400kcal。

しかもこの組み合わせは、腸の環境にも良い。

 

幼い子どもたちとのバタバタした日常には「盛り合わせ」なんてこんな優雅なことはない。

 

朝からちょっと何かセレブな気分だ。

この朝食は密かに入院中のちょっとした楽しみとなった。