治療の副作用<吐き気と食欲不振 3> | 39歳 癌になったママ女医 〜Cancer Gift〜

39歳 癌になったママ女医 〜Cancer Gift〜

消化器内科医 緩和ケア医 2児の母 
39歳で子宮頸癌と診断されました。
それからの経験がどこかで何かの役に立てられればと思い、綴ります。
癌の手術や化学療法などの治療に挑む方。
小さな子どものママで癌を患った方。
医師としての自分、母としての自分に。

前回の続き。

 

朝はフルーツで順調な滑り出し。

しかし昼も夜も同じフルーツというわけにもいかない。

 

食事を調整するにあたっては、毎週栄養士さんがわざわざ訪問してくださった。看護師さんにも相談できるが、栄養士さんと直接お話ができるのはより細かい調整や提案があって助かった。

 

1番効果のあった調整は、

「全体の量を2分の1にしてもらうこと」だった。

副菜などは2分の1量になるとほんの数口で食べられる。

一皿か二皿でも全部食べられたら、

「よかった」と少しはポジティブな気分になれるものだ。

 

看護師さんには、毎日「食事はどのくらい召し上がられましたか?」と聞かれるが、

そのときに「全部食べました!」と報告できるのは

たとえ2分の1量でも、頑張って食べたというちょっとした達成感があった。

 

 

 

自分の医師としての仕事を振り返る。

入院中の患者さんの食事量チェックは欠かさずしていたが、

電子カルテに「食事摂取量100%」とあると

「まずまず元気なのかな」という印象を持つ。

 

でも実際、100%食べてることになっていたとしても、

直接伺うと、

「食欲はないけど’頑張って’食べてます」

とおっしゃる。

 

カルテに記載される「食事摂取量100%」の裏には、

単に全部食べたということではなく、

患者さんの色々な努力や思いが込められている。

100%じゃなくて50%や30%だとしても、きっとそうだろう。

 

 

自分の病気に打ち勝ちたいという一心で

「自分ができることは精一杯やろう」と。