手術では、子宮に加えて卵巣も2つとも切除された。
閉経前に卵巣を2つとも切除した場合は、卵巣欠落症状、いわゆる更年期障害の症状が現れるらしい。
その症状は急性症状と晩期症状の2つに分けられ、
急性症状は手術後1〜3週間で出始める。
急性症状で現れる症状は多岐にわたるが個人差が大きいとのことで、私にはどんな症状が出るのかな?
と手術前からビクビクしていた。
よく言うホットフラッシュとか?
イライラして家族にキレてしまったりするんだろうか。
と気を揉んでいた。
しかし、蓋を開けてみれば手術後3週間ほど経過していてもパッとした症状は感じられなかった。
強いて言えば、不眠と倦怠感。それに伴って夜ネガティブなことを考えてしまうということくらい。でもそれは入院という環境のせいも大きかったのではと思う。
急性症状は卵巣がない状態に身体が慣れれば数カ月で収まっていくとのこと。
問題は晩期症状だ。
晩期症状は主に3つあるという。
骨粗鬆症、脂質異常症、膣粘膜の変化だ。
まだ一応30代。
本来卵巣が守ってくれているこれらの機能が通常より10年くらい早く無くなってしまうのは、やっぱりこわい。
特に気になったのは骨粗鬆症。
まだまだ10年くらいはこどもをあちこち連れて行ったりして活動的に過ごしたいから、骨粗鬆症のせいでちょっとしたことで骨折したりするリスクはできるだけ避けたい。
手術後の受診で先生に「ホルモン補充療法というのはいつからするんですか?」と聞いてみると
「そろそろ始めましょうか」と
ちょうど手術から1ヶ月後にエストラーナテープという貼付剤をが始まった。
一安心。
肌色のテープで、お腹かお尻に貼付するらしい。
お腹かお尻以外のところに貼ると吸収率が異なるためよくないとのこと。
ただのテープにしか見えないが、これに女性ホルモンの成分が付いていて、貼ることでうまいこと身体にホルモンが吸収されていく。そういう緻密な設計がされているテープなのだ。
こんな便利な薬を開発してくださった方へ尊敬と感謝だ。
ただ1つ問題点が。
2日に1回貼りかえるのだが、シャワーを浴びたりしていると、貼りかえのタイミングの前にペロンと剥がれてしまうことがあるのだ。
大事なテープが剥がれてしまうのはショックだ。
剥がれたら、その時点で新しいテープを貼ればいいとのことだが、処方は日数分で予備はほとんどないし、そもそも薬なのだから途中で剥がれないようにしたい。
入院中に看護師さんに相談して、上からテープを貼ってもらうことになった。
貼るのは パーミロールという透明のうす〜いテープだ。
腕に点滴の針が入っている際などにも大きく覆うようにぴったり貼ると、シャワーを浴びても全く水が入らなくなる優れものだ。
私は、退院してもこのテープを使用することにした。
看護師さんに聞くと院内のコンビニに置いてあるとのことで
早速買いに行くと5cm幅10mで3000円ほど。
4cm幅にカットするとちょうどエストラーナテープより少しだけ広くなる感じになり、ちょうどよい。
4cm幅だと10m使い切るまで250回分ある。
貼りかえは隔日だからつまり500日分ということ。
最初3000円ってちょっと高いなあ、と買う時には思ったけど
500日分と考えれば許容範囲かな。
パーミロールの気に入ったところは、
かなり薄くて透明で貼っても目立たない
粘着性がいい
水に濡れても剥がれない
ところ。
自分のお腹なんて、おへそより上から恥骨付近まで大きく入った傷もあるし、もはや家族以外の誰に見せることもないが
せっかくエストラーナテープ自体は目立たないように配慮された肌色にしてあるのだから、なるべく目立たないままにしたい。
そして快適に暮らしたい。
せめてもの乙女心を支えてくれるのがこのパーミロールだ。
卵巣欠落による晩期症状
薬に頼るだけでなく、食事や運動にも配慮しようと思う。
骨粗鬆症の予防には
カルシウム、ビタミンDなどをよく摂取すること。
脂質異常症の予防には
野菜をバランスよく摂取したり
運動して体重管理すること。
頑張って治療しているのだから
癌に勝って長く生きるつもりだから
晩期症状のこともちゃんと考えたい。