退院した父から聞いた話 | はぴいち~Happy each other~のブログ

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自身を見つめ直し、しっかりと自分の道を歩んで行こうと思います。

2022年9月21日(水)


父が倒れて入院してからちょうど4週間。

今日無事に退院してきた。



入院中、自力で歩けるところまでリハビリを頑張ってくれたので、ヨロヨロしながらも自分で歩けている。



ここまで回復して帰れるとは想像できていなかったので、病院の方には本当に感謝しかない。



数年前まで60kg近くあった父の体重は

徐々に減り、入院前は48kg、

退院して来た今日は44kgまで減っていた。



ひとりでお風呂に入るのは難しいので、

「今日は私が見守ってあげましょう👍」と父を促し、久しぶりに入浴。



裸になった父を見て正直驚いた。

骨に皮が付いてるみたい…とは正にこういうことだ!

人ってこんなに痩せても歩けるんだと感心してしまう。



入院中の後半は、リハビリパンツ(パンツタイプのおむつ)をはいて、尿とりパット(シート)を中に付けていた父。

入浴の時に脱ぐと両方汚れていた。



「あれ?汚れてんな!」と父が言うので

「オシッコ行きたくなるのが分からないの?」と聞くと「分かる」と父は言う。



何となく話が噛み合わないのはこれからゆっくり向き合うことにする。



私はお風呂の介助は初めて。

洗うのは良いとして、湯船に移動するのも、湯船から上げるのも勝手が分からず一苦労だった。

ここは改めてお勉強する。



父の髪を乾かしてホッと一息ついたところで、私のスマホに不在着信があることに気づく。認知症の伯母(91歳)を介護している従姉からだった。



慌てて折り返すと、

「急にごめんね~。これまで母さん一度も言ったことがなかったのに、急にあんたのこと思い出して、元気かな?って言ってたから電話してみたの。」



伯母は私の母が亡くなった時、1歳~6歳までの間 父の代わりに私を育ててくれたもうひとりの母のような存在。

今はもう私を見ても誰だか分からないだろうと従姉には言われていた。

なぜか急に思い出してくれたことが私はとても嬉しかった。



まだ起きてるか聞いたけど、もう寝てしまっていたので、また別の日に電話することにした。

最近の伯母の様子を聞くと、娘(従姉)を自分の母や姉の名前で呼び、生まれ故郷に帰りたいから迎えをよこせと一日中言っているそうだ。



電話を切った後その話を父に話すと

父が急に泣き出した。



「…姉さんが田舎に帰りたいって言う気持ち、オレ分かるんだよ。オレも入院中ずっとその景色が夢に出てきてよぉ。昨夜も見たんだよ。 山があって石がコロコロ転がってきて、そのうちドーン!って山が崩れたりしてよぉ…」



「昔の景色のまんまが見えるの?」と聞くと



「そうなんだよ。昔の景色しか思い出せないんだよ。オレの家(今の家)を思い出したくてもどうやっても出てこねーんだよ」



と父は言う。



「お父さんの家は今は別のところにあるって分かるのに、今のこの家が思い出せなかったってこと?」と聞くと



「そう」と父は言う。




思い出したくても

どうしても思い出せない




そうだったのか。



「オレ頭がおかしくなっちまってる」と父が入院中に言っていたのはこのことだったのかもしれない。



入院中は夕方~夜にかけてソワソワと落ち着きがなくなっていた父。

病院にいることは分かっているけど、昔の職場に行こうとした話を父が始めた時に、また話が噛み合わなくなってきたので、混乱させると思い 別の話題に変えた。



自宅に戻ってきて父は落ち着いているように見えるけど、心がどこか違う世界に迷いこんでしまいそうに思えて、現実世界に引き止めたかった。



驚くほど痩せ細っていた父を心配したけど、夕飯は驚くほど美味しそうに食べている姿を見て、なんだか少しホッとした。



食事に集中できている父を久しぶりに見た。

出されたものを全部美味しそうにムシャムシャと食べる父に目を見張った。

立ち上がることなくテーブルに真っ直ぐ座って最後まで食事をする父がそこにいた。




中の人が変わったみたいじゃん!!びっくりするわ。




自分の足で立って歩き

美味しくご飯が食べられる

これって最高に幸せなことだよね✨


オムツしてたっていいじゃない!

自分でお風呂に入れなくても全然問題ない!

時々記憶が曖昧になっても、いつでもご飯は美味しいのだ!!!!

食事中にエプロンまでしてくれるの?

ありがとう 助かりまーす!!






明日は地域包括支援センターから担当の方が訪問にくることになっている。

私は父が入院した日に、しばらくデイサービスをお休みすることを施設に連絡したけど、包括センターには入院したことを連絡していなかった。

でも、病院・地域包括支援センター・デイサービス施設…全て連携が取れていて、連絡の行き来がされていたことに驚いたし、とても安心した。




「何か困っていることはありませんか?」

これを聞いてもらえるって本当に有難いね。





今後何に困るのかも今はまだ見えてないけど、何かに困っても ひとりじゃないからきっと大丈夫✨





安心して歳を取っていいんだよ

って父に伝えたら また泣いてた。






私の泣き虫は父譲りなんだな(笑)










はぴいち