2022年8月31日(水)
今日は父の80歳の誕生日。
病院で迎えることになるとは思っていなかったけど、おめでとう❣️と父の顔を見ながら伝えられたことは有難かった。
さて、先程のブログのつづき…
実家の母を乗せて父の病院に着くと
面談室のような場所に通された。
数分後に車椅子に乗った父が看護師さんと共に先に部屋にやってくる。
私はチラッとマスクを下げて満面の笑みを父に見せた後、またマスクを装着。
「私が分かる?」と聞くと
半べその父が頷く。
隣で母も「誰だか分かる?」と父に聞く。
「わかるよぉ~」当然だろ!のトーンで父が言う(笑)
「さて今日は何月何日でしょう!」と聞くと、しばらく考えた父は
「9月2日」と答えた。
「今日は8月31日です!」
「ふーん、そうかぁ~」
「今日はお父さんの80歳のお誕生日です!!おめでとう~!!」(*´꒳`ノノ゙☆パチパチパチパチ
ここでようやく父も理解した様子。
「心配かけて悪ぃ~なぁ~」と父が涙ぐみながら言うと
「みんなでお祝いしなくちゃいけないから、ちゃんと治さなきゃね!」と母が言う。
あれ?想像してたよりずっといいじゃん!
「昨日は電話で悪かったな」と父が言うので、驚いて、
「えっ?覚えてるの!?私の方こそちゃんと聞き取れなくてごめんね。」と伝えると
「俺が話しても通じねぇ~んだよ」
と父は言った。
会話が通じてないこともちゃんと分かってる。それを覚えてることに驚いた。
「昨日ベルトがどうとか言ってたよね?今日腰痛ベルト持ってきたよ。本当はなんの話だったの?」
「○!※◆◇#△ …ベルトされて…●□▼#△!…からよぉ…工場に行かなきゃいけねぇ~のに、これじゃ行けねぇ~って言ってんのによぉ…💢 ▲□※●⊿…」
えっと…どうやら父は
仕事に行けなくて困っているようです。(とっくに定年退職してます)
父の言うベルトは
車椅子やベッドから転倒を防ぐために装着されたベルトのことかもしれない。
それがあると工場にいけなくて困っていると伝えたかったのかもしれない。
「お!?おお…そうだったのね~💦」
…とりあえず話を合わせておいた。
昨日の父との電話での会話を思い出してドキドキした。
先生から出血性胃潰瘍の説明をされている間、父は「そうだったんだ!」「こんなに大きかったんだ!」と、説明されている内容は理解できている様子。
「なにがなんだか分かんなくてよぉ、不安だったんだよ…」と自分の気持ちもちゃんと説明できた。
今は五分粥を食べているけど、週末くらいに常食が食べられることが確認できたら来週退院できるという話だった。
退院の目処が立って良かった!!
「説明してもらえて良かったね!退院まであと少しだから頑張ろうね!!」
と声をかけると、
「ここには嘘つきな悪い女がいるから…○!※□◇#■!…騙されないように気をつけないと…工場…Ⅲ!※◇#△!…」
時々 どこか時間軸の違う記憶と
現実世界が入り交じってる感じ。
恐らく 父が徘徊したり、理解できない話をした時に、女性の職員さんが自分に嫌なことをしたという記憶が残ってしまっているんだろうと思う。
「みんな優しいから大丈夫だよ。それよりお父さんが嫌なこと言ったんじゃないの?そんなこと言ってると嫌われちゃうよ?」と私が話すと、
「そんなことないですよ…」と先生は苦笑い。
言い過ぎました、すみません( ˊᵕˋ ;)
せん妄の症状も今日家族と会えて少し落ち着くかもしれないし、自宅に帰れば戻ると思うので、そんなに心配しなくても大丈夫だと思います…と先生は言っていた。
昨夜印刷した写真と裏に書いた言葉を父に見てもらって、「また不安になったら写真を見て 少し落ち着こうね!」と話すと 「分かった」と言ってくれた。
「2人でいると文句ばっかり言ってるけど、結局会いたいのはお母さんなのよね♥お誕生日に会いたい人に会えて一番いいプレゼントになったじゃん!!」
と言うと父は照れくさそうにしていた。
「もうすぐ帰れるから、あと少しがんばろ!!」
「わかった!!」
孫が作ったお誕生日のメッセージカードを添えてリボンをかけた3冊本を抱えて、父は自分の病室へと戻っていった。
家に帰りたい…
妻に会いたい…
結局父には母なんだと思った。
いつも通り母に叱られればいいわ!って思ってたのに、今日の母は終始穏やかだった。