両親が見せてくれるもの① | はぴいち~Happy each other~のブログ

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このブログは私の気づきや体験、
また日常を綴っていきたいと思っています。

そして書きながら 常に自分も
自身を見つめ直し、しっかりと自分の道を歩んで行こうと思います。


2022年8月31日


昨日の夕方、父の入院先の病院から電話が入った。
「明日ご家族とお父様を交えて、病状について先生から説明をするので 午前11時頃にこちらに来れますか?」という内容だった。


「お父様はどうしても帰りたい、奥様に会いたいと言っているので、お母様も来れると良いのですが…」との事。


「わかりました、母も連れて伺います。」そう伝えた。
その日も父は落ち着かないようで、少し電話で話してもらってもいいか?と聞かれ、そのまま父と電話を代わってくれた。


「もしもし…」
父の声を久しぶりに聞いた。
電話を代わった途端、父は私に何かをしきりに訴えている。


一生懸命聞き取ろうとしたけど
なにを言っているのか全く分からない。


日本語を喋っているのかすら分からないくらい言葉がハッキリしないまま、途切れることなく何かを言っている。
言葉は分からないけど、何かに苛立っている事だけは分かった。


こちらから言葉をかけると 父はそれに反応はするけど、返された言葉はやっぱり何を言っているのか分からなかった。


かろうじて聞き取れた単語は
「ベルト」という言葉。


「腰痛ベルトのことかな?明日持って行くね!」と言ってみたけど、どうやら父が言いたいのは腰痛ベルトの事ではないらしい。


「明日11時にお母さんと行くから。会えるからね!待っててね!」
と伝えると


「それじゃ遅い」と言う。←これは聞き取れた


「遅い時間じゃないのよ?明日の午前11時に行くから。」と伝えると


「ダメだ、話になんねぇ」と言いながら看護師さんに電話を代わってしまった。



「今看護師さんも傍にいてくださいましたよね?私 父の言葉が全く聞き取れなくて。父は何を言いたかったのでしょうか?」と尋ねると、


「家に帰りたいってことと、奥様に会いたいってこと以外は 僕たちにも分からないんです。先程公衆電話からご自宅に電話をかけようとしたのですが、番号も分からなくなっていて かけられませんでした。」



父が今の自分の状況が分からなくて不安になり、点滴を抜いたり ベッドから出て1人で歩いてしまうとしても、
少しは会話が成立すると思っていた私は、このことがとてもショックだった。


電話を切った後 いてもたってもいられなくなり、PCに向かう。
ハガキサイズの用紙に家族の写真や家の庭の写真、畑のユリの写真を何枚も印刷した。
その写真の裏面に、太い大きな文字で
思いつく情報を書いた。


・父の氏名と生年月日、家族の名前と続柄

・自宅の電話番号、電話をかける時は看護師さんを呼んでください。

・ここは〇〇病院です。家で倒れて救急車で運ばれ、胃潰瘍の治療を受けています。

・からだに付いた器具はからだを治すために必要な大切なものです。自分でとってしまう前に先生や看護師さんに相談しよう。

・トイレに行きたい時はナースコールを押してください。転んでしまうと危ないので1人で歩かないでください。

・胃潰瘍の治療が終われば退院して家に帰れます。今は安心して治療に専念し、元気になって家に帰りましょう。

・げんきになったら おたんじょうびのお祝いをしよう。かぞくみんなでおいしいケーキをたべよう。もうひとふんばり がんばれ!がんばれ!


父がこれを読めるのか、内容を理解できるのかも分からないけど、何かやらずにはいられなかった。





父に会えた時、変わり果てた姿だったらどうしよう…
そんなことばかり考えてしまって
なかなか眠れなかった。






そして今日 母と一緒に父の病院へ。







…つづく