祖母B子が嫁ぎ、母D子は次女として生まれた
B子の夫である祖父E男は男子を望んだが、なかなか果たせなかったようだ
B子の兄A男もまた妻F子を娶ったが、同様に子に恵まれなかったようだ
そうこうしている内に、A男に赤紙(召集令状)が来た・・・日華事変の頃である
さて、A男が娶った妻F子、あまり素行はよろしくなかったに違いない
なぜなら、A男が大陸出征直前に、親類縁者の勧めで養女を迎え入れたのである
要するに夫の留守中にF子に勝手に財産処分をさせないための措置であったからだ
その養女こそ母D子であった
母D子は道具として送り込まれた
当時、母D子は1歳(数え歳2歳)であった
何も知らない母の、そして後日に繋がる怨念の因果報応が始まろうとしていた