写真では分かりづらいのですが、コレは日本の普通のイネより2割から5割増しぐらいの感じで大きいインディカ米です。
世界には主に4種類くらいのイネがあります。
ジャポニカ種(日本、韓国、中国で作られている、粒の短いヤツ)インディカ種(熱帯アジアに多い、粒が長いヤツ)熱帯ジャポニカ種(別名ジャバニカ種、インドネシアとかに多いジャポニカ種を大型にしたような感じのヤツ、日本の陸稲もこの系統)
ここまでは、オリザ・サティバと言う1種類の植物です。インディカとかジャポニカと言うのは亜種レベルの違いです。
もう1種類、アフリカ米があります。これはオリザ・グラべリマと言う別の種の植物です。ネリカ米はインディカ米とアフリカ米の種間交配種です。
んで、コレ↓は東南アジアやインドに多いインディカ種、その中で私の好きなタイのもち米で、「カオニャオ」と言う品種です。
正確には「カオニャオ」と言うのはタイ語で「もち米」と言うそのまんまの言葉なので、このイネの品種名ではないのですが、「カオニャオ」で入手したのでそう呼んでいます。
とても大柄でゴツいイネです。高さもコシヒカリの3割増しくらいで、1mは楽に越しますが、茎がブットイので多少の事では倒伏しません。
出穂は遅くて9月中旬以降です。タイのお米なので寒さには弱いのでギリギリくらいですが、栽培した感じでは意外と思ったより頑張る印象です。
もしかしたら、内陸の比較的気温の低い地域の品種なのかもしれません。
このお米でモチを作ると、非常にシルキーな、きめの細かい美味しいモチができます。
と、ここまでタイ産もち米で引っ張っておいて、この画像の主役はその下の黒い点々です。
水の中に黒いモノがたくさん転がってるでしょ。
コレ↓です。
ちょっと小さいサザエくらいある「オオタニシ」です。評判の悪い外来種の「ジャンボタニシ」(私はアレもキライではないが・・・)ではなく、在来系の日本のタニシで最大、いや、淡水産巻貝で最大の種です。
在来「系」と書いたのは、厳密な意味での在来種かどうか少し疑問があるからです。
かつて、タニシは水田稲作のついでに勝手に育ってたくさん獲れる貴重なたんぱく源でした。
そんな利用価値の高いモノが、自然分布するまで待ってますか?
多分、稲作とともに全国に広がったんでしょうね。縄文時代や弥生時代の遺跡からも貝殻が出土するそうです。ですから人為分布の可能性が高いです。
ですが、今では食べる人もいなくなって、水田では農薬、除草剤で生育環境が悪化、なかなか見られない絶滅危惧種になってしまいました。
ですが、かなり丈夫な生き物で、繁殖力も高いので、農薬を使っていない田んぼではゾワゾワ良く増えます。タニシ類は卵ではなく稚貝を産んで増えるので、こんなとんがりアタマのかわいらしいタニシがたくさん生まれます。大型種なので生育も早く、夏場に小豆粒くらいの稚貝が生まれて、秋までに10円玉くらいになります。
「オオタニシ」はやや水温の低い山間部の水田向きです。平野部の水温の高い地域では一回り小さい「マルタニシ」や更に一回り小さい「ヒメタニシ」が向いています。
今は、「田んぼはイネだけを作る場所」と認識されている様ですが、失ったものは大きいのではないかと思います。
コレは、ジャポニカ種とインディカ種の交配種。
6月10日ごろ田植えして、お盆にこの株張りです。
先ほどの「カオニャオ」もそうですが、ウチのイネは無肥料の割に大きな穂がでます。これは栽培技術でも何でもありません。誰でもできます。でも、田植え機を使うと難しいです。
大きい穂がでるのは、「一本植え」だからです。手で1か所一本だけ苗を植えています。交配種や選抜途上の系統ばかりなので、一株一株の特性が分からないとイケませんから、すべて一本植えです。
一本植えだと、個体が全能力を発揮してのびのび成長するので、たくさん分げつして太い茎になります。稲穂は茎の太さで大きさが決まりますから、茎が太くなるように植えれば、それだけで大きな穂になります。
田植え機だと、1か所に4本も5本も植わってしまいます。爪が古かったりすると8本10本植わっていたりします。そんなに詰め込んだら一本一本の穂は大きくなりません。ま、数で稼ぐって事ですけどね。
こういう事も、何か、イネや水田の持つ本来のパワーを取りこぼしている様に思えますね。
お盆も過ぎて、ボチボチと稲穂が出始めています。ウチは極晩生系がメインなので、まだまだ小手調べ程度です。
9月に入ると、一斉にぞわぞわ出始めて、目ぼしいものに出穂日とか特徴とか書いたタグを毎日何十枚も付けなければならないので、パニックになります。
世間ではそろそろ稲刈りって頃に、私は腕まくりして「さあ、本番だぁ」ってなってます。
で、タイトルの案件ですが、先日、YouTubeで、稲作農家さんが「なめんなよ」とか言ってました。どうも農協の概算金がメチャクチャ安かったみたいです。
農協さんも農家さんを舐めているワケではないのでしょうが、相場が下落してますから、値段は付けようが無いですね。
他にも、「農業機械や資材が高すぎるんだよ、続けていけないよ、離農者が大量に出るぞぉ、食料安全保障が担保できなくて良いのか」とか言って脅しをかけてくる農家さんもおられます。農機会社や資材会社に文句言ってんのか、農協に文句言ってんのか、こんな世の中や消費者である国民に文句言ってんのか、良くわかりません。文句言いたい気持ちは分かりますが。
真っすぐ、客観的に考えて見ましょう。(決して農家さんにそういう考え方を求めているわけではありません。どう考えるかは各自の勝手です)
モノの値段は、掛けた原価では決まりません。一万円かけて作ったコメと十万円かけて作ったコメで、後者が十倍の値段になる、なんて事はありません。
いくら元手を掛けても世間相場以上にはなりません。世間相場は需給関係で決まります。欲しい人が多ければ高くなります。売りたい人が多ければ安くなります。
つまり、コメの価格が暴落したのは、売りたい人の売りたい量が多くなったから、つまり在庫が溢れているからです。
ですから、高く売りたければコメを少なくすれば良いんですが、令和の米騒動で米価が上がったので、全国で増産しました。で、経済原則通り暴落しました。
もう一つ、コメが安くなる分かり切った理由があります。
何故か農家さんはソレについて一言も発言されません。
簡単な事、「小麦」が売れているからです。
戦前まではコメがダントツで主食の王座を占めていました。弥生時代からずっとそうで、主食の座を脅かされた事は無かったのです。
戦後、アメリカから大量の小麦が入って来ました。もしかしたら、それより前に、満州国建国くらいから中国北部の小麦が入って来ていたかもしれません。
いずれにしても、近代に入って、日本のコメは、小麦との競合を強いられて来ているのです。
パンや麺の消費量が増えれば、ご飯の消費量は減ります。
だから、コメ農家さんは、小麦農家さん(コレは日本ではマイナーな勢力)やアメリカ産小麦と戦わなければならないのです。農協や消費者や社会全体や政治家や農水省に文句を言ってもコメの値段は上がりません。
では、どうすれば小麦と戦い、勝利を収める事が出来るのか?
コンビニのおにぎりはかなり善戦しましたね。あれから始まって専門のオニギリ屋さんも増えました。
回転ずしさんも、コメ消費の立役者です。牛丼屋さんも。
外食産業では結構頑張ってるんですね。
それに学校給食とかでも米食は多くなりました。私が小学生の時はパンばっかりでしたよ。たまに麺もありましたけど、コメは全くありませんでした。
つまり、社会全体では結構頑張ってコメ消費を支える動きをしているのですから、農家さんが消費者に文句言うのはお門違いでしょう。
それでもなお、文句があるなら、稲作業界で気合を入れて、自分から、本丸を急襲して小麦の息の根を止めてやってはどうかと思うのですが、そんな根性を持っているコメ農家さんは見当たりません。農協にも、流通業界にもそんな動きはありません。
小麦の本丸急襲とは、「パン用米」の開発です。「麺用米」もイイですね。
小麦が売れているのは国民がパンや麺をたくさん食べるようになったからでしょ。
んなら、その市場をコメで奪えば良いじゃないですか?
農水省やその研究開発機関である農研機構は、パン用米を開発しましたか?
農水省、農研機構、各地方の試験場、自治体の改良部門、全部合わせても2、3品種じゃないですか?
稲作農家さんは、パン用米を育成しましたか?誰もやってないんじゃないですか?
んじゃ、勝てるわけないよ。需要持って行かれてコメ安くなっても仕方ないですね。市場を手放してるんだからね。
何でパン用米を育成開発しないのですか?製造業では独自製品や特許技術を持っている町工場は珍しくありませんよ。
何故、農家さんはやらないのですか?そう言うのを「不戦敗」と言います。
完全に戦う相手を間違えていると思いませんか?
いゃ、ハナから戦う事から尻尾巻いて逃げて、負け惜しみで周りの人たちに嚙みついていると言う、見苦しい絵面です。
産業構造の変遷を真正面から直視し、言い訳や八つ当たりをやめないと、勝ち目も勝ち筋も見つからないと思いますよ。



