コチラは年内が暖かく良い天気で、ソコソコ適度に雨も降って、小麦はまあまあ良く育ちました。
今年はチョット気合を入れて、堆肥、鶏糞、労力惜しまず投入して多収を目指します。
とは言っても精々2aくらいの面積ですからね。
小麦の超多収栽培で1.5t/10a穫れるとしても、ウチの小さな麦畑では300kg行かないくらい。
1/3くらい裸麦も作付けてるので、小麦だけだとMAX200kgでしょうね。
その上、今年は倒伏覚悟の大肥培小麦ですから、春先に全面倒伏、なんて事になったら収量半減の100kgあるなし。反収換算で500kg/10a、労力かけてフツーの出来、って事になる恐れも充分です。
100kg穫れても粉に挽くと50kgですからね、一年分のパンの材料にはチョット足りないかな?
ま、それでもイイんです。栽培の目的は土壌改良と肥沃化ですからね。
しっかり育って大量の藁を残してくれれば、そしてその栽培作業で土壌改良が進めばOKです。
年内に5回の麦踏みが実行できました。
その内4回は条間の中耕も行いました。
まあまあいい感じに育って入るのですが、チョット軟弱な感じもします。
まあ、暖冬で雨もあったので柔らかく育ってる感じです。
おっと、それ以上に窒素過剰の可能性も・・・
結構たっぷり食わせてますからね。鶏糞の空袋が8枚ありました。120kgです。
鶏糞の窒素量は5%くらいですから6kgの正味チッソ施肥量です。
小麦の標準施肥量は元肥4~8kgくらいですかね、まあ、ソコソコですね。
あ、でも堆肥も入れてますから、標準イッパイくらい行ってるかも知れませんね。
葉色はあまり濃くないんですが、チョット柔らかい気がします。
まあ、品種も「せときらら」で、チョット柔らかい感じの麦ですけどね。
コレ↓は条間30cm株間20cm、一箇所3、4粒で結構正確に播いた所です。
薄播きなので年が明けた今でもまだチョット寂しい感じです。
コッチ↓は同じ間隔ですが、目見当でザッと測ってテキトーに指で数粒摘んで播いた所です。
少なくても一箇所5粒、多ければ10粒くらい落ちてるかも知れません。
コッチの方が今の段階では賑やかですが、過繁茂かも知れません。
厚播きはビッシリですが、茎は貧弱。
小麦の収量は着粒数 x 穂数(茎数)ですから、茎は多い方がイイけど、多くなると1本1本の茎は細くなり、穂の大きさは茎の太さに比例するので、穂が小さくなり1穂に着く麦粒の数が減ります。
それに茎が細いと出穂後に倒伏し易くなります。倒伏すると折り重なって日光が当たらないので麦粒が充実しません。
薄播きだと径数は少ないけど茎が太いので大きな穂が出ます。そして太い茎は倒れにくくなります。
しかし、このくらいの株の時に、どんな出来具合だとたくさん穫れるのか?
何年やってもよく分かりません。
なにせ、去年の事を良く覚えてないですからね。
記録や写真を見ても「アレ?これ間違いじゃないじゃろか?」と思う事が良くあります。
記録は書き間違いって事もあるけど、写真が間違うでしょうか?自分のアタマが間違ってるんです。
そんな様子ですから、なかなか感覚として身に付きません。
イネの方は、この時期にコレくらいの出来なら、秋にはコレくらい穫れる、って分かり易いんですけどね。相性でしょうか?
で、年が明けたので、そろそろ「麦踏み+中耕」から、「土入れ、土寄せ」段階に移行します。
まだ、今月はもう1、2回踏もうと思います。ちょっと軟弱気味なのでカツを入れます。
同時に「土入れ」を始めます。
が、コレがマトモに出来た試しがないんです。
先日も、年末から年明け一週間、とても天気が良くて、土も良く乾き、よしっ明日やろう、と思って朝起きたらまさかの雪。
毎年そうなんです。
土入れは土壌が乾いてないと上手く行かないので、良く乾いた時を狙うのですが、西日本ではなかなか晴天が続かず、やろうと思ったら雨か雪です。
土が湿ってると細かくならなくて麦の葉や茎を埋めてしまうのです。
麦は乾燥地の草原の植物なので、踏まれたり、むしられたりには強いけど、埋まる事にはからっきしダメで、土を跳ね除けたり、土の中から新芽を伸ばしたりする事が出来ず、下手すると枯れてしまいます。
ですから、乾いた土を細かくちらして株の中や根元に入れて行きたいのですが、必ず雨か雪にやられます。
対照的に生姜の様な雨量の多い傾斜地の植物や、里芋の様な湿地や河川敷の植物は、斜面から落ちてくる土砂に埋もれたり、川が運んだ土砂をかぶったりしますから、土かけを好み、その土の下から成長してきます。
適応している環境が違うんですね。
昨夜も今日午前中も雪が降り続き数センチ積もっていたのですが、ついに開き直って、湿ったままやってやれッ、と、午後から融けたばかりの畑に出ました。
仮設小屋の屋根張り作業の予定だったのですが、あまりに寒くて単管パイプが滑って危険なので、急遽変更です。
こんな作業は思い立った時にやらないと、また、雨だ、雪だ、なんだかんだで出来なくなります。
でも土が湿っているので、時々こう↓なります。
小さな三角鍬で条間を中耕しながら踏んで行くのですが、麦株に土がかかり過ぎているとこうなって埋もれてしまうのです。その上、足で踏み固めるので麦の生育は止まってしまいます。
仕方ないから、鍬の先でチョイチョイっと茎を引っ張り起こして、土の上に出します。
麦の葉は柔らかいので、こんな事をすると簡単にちぎれてしまいます。
でも、ソコは草原で野生のシカやロバに食われながら適応して来た植物です。
多分、地上部の食害や障害には強いんじゃないかと、勝手に想像しています。(実験した事はありません。その内、やってみたいと思っていますが・・・)
なかなか「土入れ」は上手く出来ないので、もう、チョット乱暴で雑なやり方ですが、テキトーに中耕して葉っぱが埋もれたら鍬で引っ掻き回して引っ張り出す事にしました。
今回は普段の1/3くらいの小さな三角鍬を使ってますから、埋もれてもタカが知れています。
まず中耕して↓少しずつ麦株にかかるようにして・・・
↓株の周囲をさらう様にして、埋もれた葉っぱを引っ張り出してみました。
その後、前進して次の場所の中耕をしながら、足で踏みます。
↓チョット埋もれてますけど、なかなかイイ感じでしょ?
チョット作業が細かくなるので、面倒で時間もかかります。
2aで3時間くらい、最近の大規模機械化農業だったら3時間あったらその数十倍か場合によっては100倍くらいの面積やってしまいますね。
今日、気づきましたけど、堆肥を入れたせいか、土がホクホクしてて、雪の直後でも思ったほど塊にはなりませんでした。
堆肥の効果か、それとも年内に数回中耕したのが効いたのか、意外とやり易かったです。
今年、中耕、土入れ、土寄せに力を入れるのは、まあ、木田式麦作のセオリー、ひいては井原豊氏の栽培法に準拠しての事なのですが、もう1つ鶏糞の残効が怖いと言う理由もあります。
鶏糞は未分解成分も多いので後から効いてくる事があるんです。
特に冬場の鶏糞は、気温の低い間はおとなしくしていて、春に温度が上がり雨量が増えると、一気にパワーを放出する事があります。
上手く穂肥や実肥としてタイミング良く効けばいいですけど、下手をすると茎が軟弱になって倒伏したり、いつまでも青みが抜けなくて収穫期が遅れ梅雨を食らったり、分げつが止まらなくて遅発分げつ→弱小穂→クズ麦増加となったり、鶏糞の過剰施肥はチョット気味が悪いです。
なので、出来るだけ分解を早めて成長期の麦に食ってもらおう、と言う戦略なのですが、さぁ、吉とでるか凶と出るか?
ま、とりあえず一回目の土入れは出来ました。
この調子で3月まで生育促進して、大きな穂が出る様に持って行きたいと思います。