ウチのイネは晩生品種が多いので、この時期に稲刈りするモノも結構あるんですよ。
初霜が降りる直前まで試験田に残ってます。
因みに今年の初霜は今朝11/26でした。うっすら降りてました。
で、最後の稲刈りをしているんですが、小面積なので当然手刈りです。
ぼつりぼつり、よそ見しながらやってて、稲株を握って切ろうとしたら左手にチカーッ!と痛みが走りました。
視界の片隅に小さな黄色と黒の縞模様が見えたので「やられたッ、アイツだ」って・・・
もう何日も前から稲株にオオスズメバチが一匹登っているのは気付いていたんですよ。
どうも今年は水田でオオスズメバチを見る事が多くて、オオスズメバチ自体は当然、100%の肉食性ですから、イネを食害する事は無いのですが、何か水田に居る他の昆虫や小動物を食べてるんだろうと思っていました。
何を食べてるのかまでは分かりませんでしたけど・・・・
秋が深まってくるとスズメバチ達はよくカシやコナラの木の幹に集まって樹皮を食い破って樹液を舐めています。
餌が少なくなるからでしょうね。
この田圃の傍のカシの木にも先月中旬頃から数匹のオオスズメバチが来ていました。
そのウチの一匹がちょいちょい田んぼのイネの方に来て稲株に登ってゴソゴソしていました。
それを忘れていたんですよ。
コイツ↓です。
左手の薬指がジンジンします。
でも、腫れてる感じではなかったので、浅く刺されたのだろうと思いました。
しっかり刺されてたらこんなものでは済まないでしょうからね。
直ぐに「石灰水」に漬けました。
石灰防除に使うので、常にバケツに石灰を両手イッパイくらい放り込んで水を入れておきます。
石灰水は薄まらない限り半年経ってもPH10以上を保ちますから、予め作っておけばいつでも直ぐに使えます。
この画像↓石鹸に指を突っ込んでるみたいに見えますが、四角い容器に入れた濃い石灰水に指を漬けています。
石灰水に漬けて患部を揉んでいるとゆっくり痛みが和らいで行きました。
最初は指全体がジンジンしていましたが、根元の方から痛みが消えて、最後は爪の隙間に痛みが残りました。
刺し跡は見つかりませんでしたので、多分、刺されたのではなく突然稲株と一緒に握られて驚いたオオスズメバチが毒液を噴射し、ソレが爪の間に入ったのではないかと想像しています。
それでも指の根元までジンジン来ましたからね、相当なモンです。
毎年一回くらいはハチに刺されるのですが、殆どはアシナガバチです。
スズメバチの類は、近づくとブンブン、カチカチ(牙を打ち鳴らす警戒音)にぎやかな音をたてて威嚇してくるので、たいてい刺される前に気付きます。ダッシュで逃げれば良いだけです。
ハチの毒は酸性なので強アルカリ性の石灰水は良く効きます。
もう寒くなってくるのでさすがのオオスズメバチも元気がありません。
「おらおら、お前が毒かけるからこんなに痛くなったじゃないかッ!!どうするんだよ(怒!)」
「バーカ、こんだけ派手な色して予め警告してるのに気付かずに握るオメェがバカなんだよ」って言われそうですね。
さっきも書きましたがスズメバチ類は大型ですし派手ですしブンブンカチカチ威嚇してきます。
それで慣れない人はとても恐怖感を感じるのですが、逆に言えばそれは刺される前に気付くと言う事ですから、通常はちょっと用心すれば刺される事は少ないと思います。
むしろアシナガバチの方が藪の中に数十匹規模の大きな巣を作っていて、小型で静かなのでコッチも気付かずに草刈りしていていきなりチカーッ!ってやられる事が多いです。
アシナガバチはスズメバチより群れの規模も小さいし一匹が持つ毒の量も少ないので直接深刻な事態に陥る事は少ないでしょうけど、体質によってはやはりアナフィラキシーショックを起こす事もあるそうですから、刺されないに越した事はありません。
もうこの時期になるとかなり弱っていて指でツンツンしてもじっとしています。
スズメバチは嬢王蜂だけが越冬して、春になって小さな巣を作り、また一匹から初めてドンドン増えてあの大きな巣を作るそうです。
だからこの時期にそこらをウロウロしているハチは皆んなもうすぐ死んでしまうんです。
だからもうかなり弱っているんでしょう。
何故かたいていの昆虫は、そ~ッと手を出すと乗ってきます。
私だけかも知れません。本人は指先からフェロモンが出てるんだろうと思っています。
ホントは異臭がするのかも知れません。
それとも皮膚のタンパク質か何かの匂いを食い物と勘違いするのでしょうか?
ノソノソ指に乗ってきましたが、かなりしんどそうです。
元気なハチだと翅をブルブル震わせるのですが、ダラッとなってて全く動きません。
ゆっくりノソノソ手の上を這い回っていました。
しかし、まあ、このデカさ、凄い虫ですねぇ。こんなのが大群で襲ってきたらオシマイですね。
最近、日本からどう言う経路でかアメリカにこのオオスズメバチが侵入して騒ぎになってますね。
ミツバチしか見た事ない人がコレ見たら、我々が南米のタランチュラに突然出会った時と同じ感じでしょうね。
木の根元に降ろしてやるとゴソゴソ草の中に入って行きました。
ハチはとても危険な生き物ですが、同時にとても重要な生き物です。
草食性のハチは花粉を運びます。
肉食性のハチは他の昆虫や小動物を食べて生態系のバランスを取っています。
ですから、基本的には駆除なんかしてはいけません。
被害に合わない為には、先ず、肉食性のハチがどんな所に巣を作るかを知る事です。
単独で行動しているハチはコチラが危害を加えない限り攻撃はしてきません。
体の周りをグルグル飛び始めても静かに放っておいたらそのうち飛び去ります。
巣を作る場所は種類によって違うのですが、山野や家屋の周辺で気を付けなければならないのは、雨風の当たらない場所です。
大きな木の茂った太枝の付け根や木の股になったトコ、根元のウロなどにもよく作ります。
日頃から巣をかけ易い場所を知り、身近な場所をチェックしておくと早期に気付く事が出来ます。
もし身近な場所に巣を見つけたら、まあ、毎日通る場所だとどうしようも無いんですけど、人が通る所から2m以上離れていれば、間にネットなどを張って遮蔽する事も出来ます。
つつかなければかかって来ません。ま、アブナイですから自信がなければ身近なトコの巣は駆除しないと仕方ありませんけどね。
数メートル以上離れていたり、高い軒下に作られた巣はあまり心配ありませんが、化粧品や柔軟剤などの香料で興奮する事があるそうですから、用心してください。
軒下などに大きな巣を作っていると、ひと夏に数匹、室内に入ってくる事があります。
入ってくるとナカナカ出て行ってくれません。光が入る方向に窓があれば光の方に向いて飛び易いので全開しておくと出ることもあります。
どうしても出ない時は捕虫網などで捕まえて外に出せばイイんですが、あんまり家に捕虫網置いてませんね。
仕方なく駆除する時はハチ用のスプレー殺虫剤とかもあるんですけど、無理に用意する必要もありません。
フツーのハエや蚊に使うスプレーをシュッとやると数秒で落ちます。意外と薬剤には弱い様です。
落ちて死んだハチでも毒針に触れると刺さる事がありますから、素手では触らない方が良いでしょう。
身の回りには結構危険な生物が居ます。
昔の様に自然が豊かだと多少やっつけても大丈夫って感じでしたが、最近はそうも言ってられれない感じですね。
できるだけ、穏便な方法で危険を避ける工夫が大切ですね。