アマランサスです。
「ヒユナ(ジャワほうれん草)」とか「紅ヒユナ」とかもアマランサスなんですが、あの辺は野菜として葉や茎を食べるんですけど、コレは多分、タネを穀物として食べるヤツです。
今年は「障壁作物」として「アマランサス」「ハトムギ」「ソルガム」を試してみました。
障壁作物って言うのは、まあ、畑の仕切りみたいな感じですよ。
背が高くて壁になるようなヤツを植えておいて、訪花昆虫の行き来を邪魔します。
向こうとコッチで互いに交雑する品種を植えた時などに、間に障壁作物を植えて花粉を運ぶ虫の行き来を邪魔して交雑を防ぎます。
障壁と言ったって壁や細かい網を張るワケじゃないので、あいだはスカスカで簡単に通り抜けれる様に見えますが、蜂や蝶などの訪花昆虫は、藪の中を通り抜けるのを嫌う者が多いので、ソコソコ役に立ちます。
やっぱり藪の中に入ると、蜘蛛が巣をかけていたり、葉の上で待ち構えていたカマキリに捕まったりするので、空を飛べる虫達はそんなリスクを犯さず障壁に沿って移動するか、上を飛び越えます。
まあ、完全に交雑を防げるワケではありませんが、トマトやナスの様に交雑率のあまり高くない野菜では幾分効果があります。
それから背の高いソルガムなんかは、周辺農地からの農薬の飛散(ドリフト)を防ぐ効果もある様です。
で、アマランサスやハトムギやソルガムなら、小麦粉に足してパンに焼いたりも出来るので一挙両得ってコトで・・・・
アマランサスは南米のインカ帝国とかで食料として栽培されていたらしいのですが、アメリカ合衆国にも野生種が居るみたいで、原産地が何処なのかチョットはっきりしない感じですね。
私が知らないだけかも知れませんけど・・・・
そもそもアマランサスと言うのは「属」の名前ですからね。
「属」と言うククリのイメージはチョット難しいですね。
ウリ科野菜で考えると分かりやすいかも知れませんね。
キュウリ、メロン、カボチャ、ヘチマ。
キュウリとメロンは同じCucumis属です。カボチャはCucurbita属、ヘチマはLuffa属。
アマランサス属ですから、その中にキュウリとメロンくらいの違いのある「種」も居るってコトでしょうね。
キュウリと、カボチャやヘチマ程の違いのヤツは居ない、って感じ?
で、アマランサス属を調べてみると野生種、栽培種こみこみで40種くらいあるみたいですね。
しかも結構多形で幅広くて、草のヤツや木のヤツや雌雄異株のヤツなど結構色んなキャラがあるみたいです。
ただ栽培用に我々の手に入るヤツはその中で3,4種類で栽培植物としては大所帯の「属」ではなさそうです。
栽培種は主にAmaranthus caudatus(ヒモゲイトウ)と hybridus(ホソアオゲイトウ?)、tricolor(ハゲイトウ、ヒユナや紅ヒユナはコレに入るみたい)、あと観賞用にhypochondriacusと言う奴とかあります。
身近で栽培されてるのはこの4種みたいです。他にもあるかも知らんけどね。
で、このアマランサスですけど、どうもhybridusなんじゃないかなぁ?くらいです。良くは分かりません。
caudatus(ヒモゲイトウ)の方はもうチョット穂が長くてふさふさしてる感じです。穀物として利用が多いのはソッチの方みたいですけどね。
hybridusは南北アメリカ大陸の温暖な地域に広く分ぷしているようですが、アチラではどうも雑草扱いみたいです。
学名からも分かる通り、元々野生種の自然交雑種みたいですね。
この植物はモチ性のアマランサスとして入手したものですが、どうもあまり栽培種と言う感じがしません。
イネや麦でも同じですが、栽培種となると長い歴史の間に穂の大きなモノや収量の多いものが選抜され、それとともに形質が一定におさまってるのが普通です。
が、このアマランサスは・・・・・
今回数十株栽培してみましたが、多いのは葉の青い奴です。
ソイツ等はこの様な↓黄緑色の穂を出します。
でも5%くらい、真っ赤なのが混じります。
たいていの作物では、赤色色素の強い奴は性質も丈夫だったり、生育が良かったりするのですが、このアマランサスでは赤いのは小さくてこじれた様なのが多かったみたいです。
中には、赤と黄緑の間でピンクになったヤツも出ました。
酷いヤツはこんなマダラな奴も居ました。
多様性にも程があるって感じですね。
子実を採って食べてみないと分かりませんが、赤の強いヤツは苦味や渋みがあるかも知れませんね。
雑種由来の植物にはこんな風に形質が定まらないモノが多いようです。
アマランサスは主食的に用いる訳ではないので、こんなカラフルなのが混じった方が畑がにぎやかになって良いかも知れません。
また、形質がバラつき、多様性が強いってコトは、もしかしたら気に入った形質のモノを選抜して品種として育成出来るのかも知れません。
野生種や交雑種はどんな顔のヤツが出てくるか分からないので、ソッチの楽しみも多いですね。
来年は赤と黄緑を分けて播いてみたいと思います。