はい、「農電ケーブル」の設置です。
ハウスの中に場所を決めたら、ただひたすら掘りまくります。

ただしコレね、低湿地では気を付けないとイケませんよ。水が出るからね。
ここはハウスの外の南側が法面で、下の圃場まで5mくらい高低差がありますから、乾き過ぎるくらいで滞水の心配はありません。
こう言う場所では、いくらか掘り下げておいた方が温度をキープし易いと思います。

下の方の土は花崗岩質の山を切り開いたママだから、基本、半分赤土になりかけた粘土っ気のある真砂土です。
結構硬いので掘るのは楽じゃないけど、何故か穴掘り始めると止まらなくなるんですよね。
戌年だからね。

んで、周囲に積み上げれるイッパイイッパイまで掘ります。
元の地表から50cmくらい掘りました。
何でこんなに掘るかと言うと、さっき書いた保温効率の事もあるのですが、地中に熱が逃げない様に断熱材として麦わらを入れるからです。

ハウスの加温、保温では、換気伝熱、放射、地中伝熱などで熱が失われます。
換気伝熱は空気の入れ替わりで温度が下がると言う事です。普通はコレが一番大きい要因の様です。
ビニールを隙間なくしっかりと張ればイイんですけど、まるっきり換気が無いのも湿気が溜まったり蒸れたりして作物には良くないですから、温度が酷く下がらない程度には通気も図らなければなりません。

放射はビニールの性能の問題です。
昼間にいくらハウス内が温まっても、日が暮れると同時にビニール面から放射熱として逃げて行き、あっという間に外気と同じ温度になってしまいます。
ビニールフィルムには保温力は殆どないんです。
いずれ、そのうちに、光は通すけど熱は通さない素材とか出来るかも知れませんが、今の所コレは防ぐ方法がありません。
一番良いのは、ハウス全体を日没と同時にブルーシートなどで覆ってしまう方法で、シートとビニールに適当な隙間があるとその間の空気が断熱材になるので中の温度は下がりにくくなりますが、毎日被せたり剥いだりは面倒くさいですね。
それで今回はハウスの中にトンネルハウスを張って二重にして放射による熱損失を防ぐ作戦です。

地中伝熱もかなり大きな熱損失で、カリカリに乾いた土はあまり熱を伝えないのですが、下の方の土ってかなり水分を含んでいますから、その水によって熱が地中に伝わって逃げて行きます。

麦わらを15~20cmの厚さに入れて断熱材とします。乾燥した麦わらは間に沢山の空気を含んでいますから、ソレが断熱材になります。
でも、メーカーの説明書には「藁を断熱材として使わないでください」と書いてあります。
火災の危険を考えての事だろうと思います。
やっぱ熱をかけるワケですから、可燃物の使用はヤバいですよね。
普通は発泡スチロール板などの断熱材を使います。(アレも火が着けば燃えるけどね)
私も最初はソレで行く積りだったのですが、アレ、結構高いんですよね。
で、アッサリ廃案、無い袖は振れません。
皆さん、真似しないでくださいね。どうしてもと言う私みたいなビンボー人の方は、自己責任でお願いします。

土を置く場所がないので、1/3くらい掘っては藁を入れて其の上に養生シートを敷いて、避けた土をソッチに移して次の場所を掘って・・・・を繰り返します。

 

ハウスでの加温の基本は、先ず熱を逃さない事。
まあ、ボンボン炊けば多少逃げても温度は上がりますけどね。燃料代とか電気代が大変なので、まずは保温対策を頑張った方が賢明ですね。

って事で、続きはまた明日。