一昨年、去年と2回栽培した4品種の海外産ピーナッツですが、コイツが一番驚きました。
「ネグリト・マンドゥビ(Negrito Manduvi)」です。
先ずこの名前に「えっ?」ってなるよね。何語?。
外国語は苦手ですけどチョット調べてみました。信じるか信じないかは・・・・
ネグリト(Negrito)はどうもスペイン語由来みたいで、フィリピンからマレー半島、インドネシアにかけて分布するオーストラロイドの民族の事みたいです。
以前、アジアネタでご紹介した、台湾先住民族、パイワン(排湾)族のアーティストABAO 阿爆(阿仍仍)さんなんかも、この人種グループに属するんじゃないかと思うのですが、動画はコチラ↓
色が黒くて小柄な民族です。
最初に出会ったスペインの侵略者達がアフリカ系の民族と混同したんでしょう、Negro(黒人)→Negritoと類型的な名前が付いています。
それを品種名に持ってきたのは、多分、この品種の小粒で黒い豆の特徴を例えたんでしょう。
マンドゥビ(Manduvi)は、どうも良く分からないんですけど、Google翻訳にかけると「ヒンディー語」と判断されます。
インドにマンドゥビと言う地名があるからでしょうか?このヒンディー語のManduviを英語に翻訳すると Mandvi と出ました。 uが無いダケですけどね。
Mandvi で調べると、ヒンズー教由来の女性の名前だと言う事が分かりました。
東南アジアとインドがゴチャまぜにされてる感じですけど(インドにもネグリトの人々は存在する?)、イメージとしては分からなくもありませんね。
「ちっちゃくて黒い女の子」に例えたんでしょう。
けど、この品種の来歴はパラグアイの自生種か在来種から来ているみたいですから、ソッチともゴチャまぜになっています。
まあ、アメリカの白人から見ると、オーストラロイドもインド人もパラグアイ人も皆んなチョット小柄で色が黒いから似たようなモノって言う雑なネーミングですね。アメリカ人って何かに付けて雑ですからね。
いぇ、悪口じゃありませんよ。ソコがアメリカの美徳ですからね。日本人は過剰に丁寧すぎます。アメリカ人くらい雑な方がイイです。
豆はこんな感じ↓

ダイズ粒より一回り以上小さいサイズです。
ピーナッツとしては普通の半分くらい。横長にはならずコロッとした型です。
色も可愛いでしょ?真っ黒でもなくて、適度に濃淡があってね。
場所がなかったので、こんな砂利の所で栽培したんです。
マメ科だから多少有機物や肥料分がなくてもイケるだろ?と思いまして・・・
もうコレは収穫前の枯れかけ状態なんですけど、窒素が効いてないから葉色が薄いでしょ。

それでもやっぱ豆科ですね。いくらか穫れました。
肥えた土地でしっかり栽培すればもっともっとたくさん穫れると思います。

この豆の付き方が面白いんです。
先日の「シロンスズデープブラック」とは対象的に、株元だけにコチャコチャと固まって小さな莢がたくさん付きます。
殆どは2粒莢です。3粒以上入る莢は極稀です。
アメリカのマンガに描かれたピーナッツみたいな、可愛い莢です。

見てください、コレ、ホントに小さいです。

元々はパラグアイの系統だったようですが、野生種由来なのか在来種だったのか詳しい資料は見つかりませんでした。
1946年にUSDA(アメリカ農務省)によって収集された。と言う記事がありましたので、農務省のジーンバンクみたいなトコが各地の原種や在来種をコレクションしたのかも知れません。
パラグアイはピーナッツの起源と多様性の中心だそうで、つまり原産地域って事ですね。
様々な作物で原産地域に近いほど多様で個性的な品種が残っているようです。
約120~140日で収穫出来るようです。ウチでも特に早くも遅くもない感じでした。
で、この小さな豆粒がどんな味がするのか?なんですが、コレがサイコーです。
渋みはほとんどなく、他の品種より柔らかく、マカダミアナッツにも似た深い甘みと、濃厚な脂が乗っていて、とても美味しいです。
炒った豆を食べ始めると止まらなくなります。
ウチでもずっと以前から、「極小粒黒大豆」なんかも増やしているんですけど、穀物や豆類では皮や皮のスグ下の部分に旨味が多い品種もありますので、そう言うモノでは粒が小さい方が美味しくて風味が豊かになる場合もあります。
そう言う意味でも、この品種は私の好みにド・ストライクな、とっても嬉しい品種です。
来年は今年の10倍くらい「一等地」で栽培してみたいと思います。

