この夏は、ホントに何もかも生育が悪いですね。
まあ、無農薬、無化学肥料とかで、しかも世話はろくにしない放任栽培、設備もろくに無いし、土地はタダの山を切り開いた造成地、真砂土のガリガリのやせ地、こんな条件で栽培してれば、まあ、10年に一回くらいはガタガタになります。
あ、誤解なさらないでください。設備なしは露地栽培ですから、適地適作ならむしろ病虫害は少ないくらいです。旬の時期に栽培するワケですからね。
痩せ地も肥え過ぎている土地より病虫害は出にくいですし、タネも肥料過多で育ったモノよりは良い場合もあります。

が、それらのデメリットが重なり合うと、やっぱりヤバいですよね。
人によっては「多品目栽培で危険分散」とか言う人もいらっしゃいます。
ホントに栽培したコトある?って思いますね。
ウチは多い時は夏冬で300品種越えます。
多品種を栽培すると言う事は、圃場環境を最適化出来ないと言う事です。
イネだけ、とかならイネに最適な環境作りをすればイイでしょ?
色々あると、どれに対しても最大公約数的な環境しか用意出来ないんですよ。
つまり、どの品種も少し外れた条件での栽培になり易いので個々の品種の栽培成績は単一品種での栽培より劣ります。
そうなっている所へ、悪条件が悪い方向に揃うと、み~んな育たなくなってしまうんですよ。
と、言うのが今年の夏野菜の感じです。

長年の直観で、春先の雰囲気から「今年は良くない」ってピンと来てましたから、労力不足もあるので、早期に的絞りをしました。
「独自育成中の品種」と「新規導入品種」に絞りました。
って事で、この場を借りてお詫びさせていただきますけど、この秋用のタネ、来春用のタネは、殆どありません。
採れませんでした。申し訳ございません。
冷凍保存品を引っ張り出して、なんとかイケそうな品種は少しは出しますけど、新しいタネはほとんど出せないと思います。
いつもご利用くださっているお客様には、謹んでお詫び申し上げます。

「独自育成中の品種」は未だ固定度も低く、特性評価も出来てないので、今年出せるモノはありません。
頼りの綱は「新規導入品種」なのですが、ホンのちょびっとです。
カボチャ2種、オクラ2種、大豆2種、綿2種、ウリ1種だけです。
それも上手くタネが採れればの話ですので、今年は期待しないでください。

そのカボチャの1つ、「ジャック・オー・ランタン」です。

ハロウィンの時に、中身をくり抜いてオバケのランタンにするあのオレンジ色のカボチャです。
大型のカボチャだろうと思っていたのですが、ツルはあまり伸びません。
コレは種類としては「ペポカボチャ」ですから、「デリカータ」や「ズッキーニ」の仲間です。
ツルや葉っぱの感じからすると、チョット「ズッキーニ」寄りな印象です。

生育は良くありませんでしたが、8月上旬からの好天で、ようやく雌花が付き始めました。
んで、毎朝5時に起きて交配を初めたのですが、3回失敗しました。
5時に起きるのは、イノシシを追っ払う見回りに行くのが5時頃が良さそうだからです。
深夜0時頃に見回ってから寝ます。一度回ると4、5時間は来ないので、次は5時です。
見回って5時半か6時に、前日の夕方に雑交防止の為の袋掛けをしておいた花に花粉を付けます。
受粉して、3日くらい経っても黄色く萎れて落ちなければ実が膨らんできます。
が、一回目も落ち、二回目も落ち、3回目も・・・
こりゃタイミングが早すぎるんだわ、と気付いて6時半から7時前くらいにずらしたら、やっと1つダケ受粉しました。

カボチャ類は長日だと雌花が咲きにくく、秋口に日が短くなり始めると良く咲きます。
ですから、これからドンドン着果すると思うのですが、あまり遅くなると種子が充実する前に気温が低下して、発芽不良の原因となります。
なので、今月中にできるだけ着果させたいのですが、まだ、1個ダケ・・・・

まあ、実が大きな品種ですから、正常に熟せばタネは沢山採れると思うのですが、さすがに1個じゃ心もとないので、月末まで頑張って早起きしましょう。その分、昼寝するから・・・