種苗法改正について議論が高まっています。
が、なんだか靴の上から掻く、と言うのか、ピンと来ないものがあります。
まあ、だいたい支持派が良識的で、反対派がカンチガイ、あるいはネジ曲げ的な印象があ
りますが、反対派の意見も丸っ切り根も葉もないって訳でもありません。
逆に言えば、推進派も反対派も結構「盛った話」で民意を煽ると言う、いつもの政治議論
の泥仕合にもつれ込んでるんですよ。

で、本当の問題は4っの「疎(うとい)」ではないか?と思うんですね。
賛成するにしても反対するにしても・・・
最近皆さんが気を付けている「三密」ではなくて「四疎」ですわ、よんうと?よんそ?

①権利に疎い
②国際問題に疎い
③テクノロジーに疎い
④経済に疎い

の「四疎」です。

まあ、審議も先延ばしになった様ですし、皆んなでゆっくり考えれば良いんですけど、賛否どちらにしても、事実関係を正しく認識しないと変なトコ行ってしまいますからね。
「日本農業が壊滅する」みたいなのは「明日、ゴジラが来る」と同じですからね。

で、ぼちぼち「四疎」について書いてみようと思いますが、先ず、その前に、一番初めの話。
「品種登録データの調べ方」
これを知りもせずにああだこうだ言ってる様な人が居ますからね。
実際にどう言う風に登録されてるのか見ないとね。
話になりませんよ。

農水省の「品種登録データ検索」と言うサイトがあります。コチラ↓
http://www.hinshu2.maff.go.jp/vips/cmm/apCMM110.aspx?MOSS=1
こんな味も素っ気もない画面です。


一応、登録されてるかどうかくらいは見れます。
ま、今の時代にこんなポンコツな検索で良いのか?って思いますけどね。
本来なら、すべての特性データと精細画像くらい出してもらいたいトコですが、どうもお役所の仕事ってIT化が遅れてます。なんか今だに手書きやFaxが大活躍らしいです。
で、まあポンコツですけど、どんなのが登録されてるかくらいは分かります。

品種名が分かれば「出願品種の名称又はその読み」の所に打ち込んで左下の「検索」ボタンを押せば下に出てきます。

全角、半角、ひらがな、カタカナは見分けてない様で、「かみあかり」でも「カミアカリ」でも「カミアカリ」でも出ました。
漢字の誤字はダメでしょうね。

品種名が分からない場合や、どんなのがあるか見たい場合は、「農林水産植物の種類」ってトコに「稲」とか「イネ」とか「いね」とか「稲種」とか「Oryza sativa L.」とか入れて検索押すと登録されている全品種がズラッと出ます。

ココは分類上の「種」か「属」を入れればOKです。
入れる種類名が分からない時は、右の「学名選択」「和名選択」で一覧から選べます。
カボチャなんかは「カボチャ属」で括ってあるようですから、まあ、慣習的なまとまりで「種」単位とか「属」単位とかテキトーにやってあるみたいです。
あんまり考えずに「トマト」とか「キュウリ」とか入れてもだいたいちゃんと出ます。
漢字は苦手みたいで、「大麦」とか「小麦」だと出ません。
「オオムギ」「コムギ」「おおむぎ」「こむぎ」はでます。
「ムギ」とか「むぎ」とか入れると大麦と小麦がごちゃまぜで出ました。ワリト、テキトー

個々の品種の情報を見たければ、左から二番目のカラムの「出願番号」ってトコをクリックするとザッとした「詳細情報」がでます。
「詳細情報」なのにザッとした情報です。
品種そのものの「詳細情報」ではなくて、何時、誰が登録したのか?って言う「登録に関する詳細情報」です。

品種の特徴や性質を知ろうとすれば「農林水産省食料産業局知的財産課種苗審査室の縦覧資料」とかを見ないとダメみたいです。
ソコが必要なのにね、ネットで見れる様にしてもらいたいですね。
ま、一応、下の方に文書でゴチャゴチャ書いてありますから、少しは分かりますね。
モノによっては小さなボヤッとした画像も付いてる事もあります。

で、登録情報の方は、育成者は誰か?とか、権利期間は何時までか?とかわかります。
「育成者権の消滅日」のトコに日付が入っているモノは、期間が満了したか更新せずに権利放棄されてるモノですから、自由に栽培、増殖、販売する事が出来ます。

まず、これで関心のある種類の作物を調べて、知ってる品種は登録品種か?どれくらい登録品種があるのか?、フリーの品種があるのか?、登録してるのは行政機関か企業か個人か?
色んな作物について見てみると、品種登録制度の実態がピンと来る様になると思います。
お暇な方はどうぞいじって遊んでください。