新型コロナ、一方で自粛緩和と言いながら一方で気を緩めるな!
ややこしい事になってます。
死者数はアジア最悪になりそうです。
でも、抗体検査では0.6%とか・・・殆どの人は感染していない。
まあ、アジアは欧米より遥かに拡大速度が緩やかですから、そんなもんかなとも思いますが、これからグイグイ増えていくのか、既にピークは過ぎたのか?やっぱり実態が見えませんね。
さて、田植えの季節です。
昔は誰でもやった事がありましたが、最近では農家でも「手植え」はやった事のない人がほとんどなんじゃないかと思います。
また、コロナに話が戻ってしまいますが、白いシャツ着て田んぼ周りの作業をすると、どんなに気をつけても何処かに泥が付きます。
時々朝なんか寝間着のままで見回りに出たりするんですよ。
そんな時に限って排水が詰まってたりね。
それで棒や三角鍬でつついたり指先でチョチョッと直したりするんだけど、いつの間にかシャツの袖口やズボンの裾にポチッと泥が付いてますね。
なんかの拍子に飛沫が飛ぶんだね。
だから、町中や飲食店では、余程、他人と近づかない様にしないと・・・・・飛び散ってると思うよ。
その「泥」です。
「泥」ってなんでしょう?
石が風化して細かくなったヤツ?
土の水に溶けたヤツ?
木の葉や枯れ草が腐って残ったモノ?
石はいくら細かくしても石粉にしかなりませんからね。コレは違います。
土はもともと砂と粘土と腐植の混じったモノですから、ソレを水に溶かすと、溶けない砂の部分が残って、つまり目の細かい粘土と腐植の混ざったものになります。
木の葉や枯れ草が腐って残ったモノは、それこそ腐植そのものですから、「泥」は、まあ、ほぼ「腐植」で良いんだろうと思いますが、木の葉や枯れ草を腐らさなくても「泥」はできるんですよ。
容器に水を入れてひと夏、日向に置いておくと、底に「泥」っポイものが溜まります。
アレはなんなんでしょうね?藻類や微生物の死骸が溜まったものでしょうか?
これは「マコモ」を植えた小さな田んぼです。

放り込んであるのはそのへんの草です。
ウチの圃場は真砂土(花崗岩が風化した土と言うか砂と言うか)の痩せ地なので、いわゆる黒い畑土が少ないんです。
毎年、枯れ葉を積んで腐植土を作って入れるので、だんだん黒くなってきましたけどね。
そう言う栽培に適した土は、畑や試験田の方にまわすので、マコモを植える池みたいなトコはただ掘って水を溜めてるだけです。
画像の左側見てもらうとお判りと思いますが、白い真砂土が出ています。
水の底も同じ様子です。
深さは20~30cmくらいです。

しかし、「マコモ」は稲の親戚で、しかも、秋までに稲の数倍の大きさになります。
まあ、今年は肥料も入れないとイケないと思いますが、それ以上に「泥」が必要だと思うんですよ。
それでご覧の様に、側を通る度にソコらの草をむしり集めては放り込んでいます。
もう一週間くらい、一日に何度が放り込んでるんですけど、すると、だんだん全体が黒くなってきました。
最初は底の白い砂が見えてたんですよ。
一つはおびただしい数(多分数万匹)の「ヤマアカガエル」のオタマが居るからなんですけど、それ以上に草が分解する時に「渋」かなにかが出るのか、水は透明なんですけど黒くなってきました。

メダカも1000匹以上はいると思います。
これだけドバドバ有機物をぶっ込めば、要するに「ドブ」ですからね、チョット水質的にヤバいんじゃないの?とは思うんですけど、元気に泳いでいます。
勿論、ドンドン新しい水も入れてますからね。

オタマは画像では少ししか見えないんですけど、黒くて写らないんですよ。
実は手を突っ込むと塊りで掴めるくらい居ます。
コイツラは腐りかけた草が大好きで、群がって食べています。
草を食べているのか、草を分解している微生物を食べているのかよく分かりません。
農家の古老が、「昔は山から「柴」を切って来て田んぼに入れた、子供の頃だったので、ソレを裸足で踏み込まされるのが足が痛くて嫌だった」と言っていました。
「柴」というのは広葉樹の細枝の事です。
「刈敷き(かっちき)」とか言います。
何の気無しに聞いていましたけど、いま考えると、田植えの前の時期の細枝と言う事は・・・
昔の田植えは6月ですからね、梅雨時ですよ。田んぼの準備をするのは、まあ、丁度今頃からです。
今ごろの広葉樹の枝って事は、ちょうど柔らかい若葉が出揃ったところです。
この状態じゃないかと思います。

家の周りは木ばっかりですから、窓から外を見るとコレです。
これだと子供の足には痛かったかも知れませんが、葉っぱも枝もまだ柔らかい状態ですね。
木の枝とは言っても、刈草とあまり違わない軟弱な段階です。
話を聞いた時は「昔は化学肥料がなかったから、そう言うモノも肥料として利用したんだな・・・」と思っていましたが、もしかしたら別の働きもあったのかも知れませんね。
こう言う分解され易い、人間で言えば「消化の良い」モノを水の中に放り込んでおくと、いろんな生き物が増えますね。
有機物を分解する「枯草菌」や「納豆菌」も増えるし、分解されれば窒素分が水中に放出されるだろうから「アオコ」や「アオミドロ」などの藻類も増えるでしょう、すると藻類を食べる「ワムシ」や「ミジンコ」みたいな動物性のプランクトンも、それを食べる「メダカ」などの魚類や「ヤゴ」や「ゲンゴロウ」などの昆虫も・・・・
結局は「生き物」を増やしていたのではないかと・・・
で、それらの微細な生き物は我々の様な長い寿命は持っていませんからね。
数時間とか数日とか長くても数ヶ月で世代交代するワケです。
ドンドン生まれて、ドンドン死んで、その死骸はまた分解されて、と言うサイクルが急回転で回れば、生産も消費もグングン高まっていって・・・ッてなるんじゃないでしょうか?
それで、まあ我々の経済と同じ様に、ドンドン活動が高まれば、「財の蓄積」って事も起こるかも知れません。
その、溜まって残ったトコが「泥」なんじゃないの?
まあ、そんなプラス側ばかりでもなくて、不要な廃棄物とか、有害物質みたいのもあるでしょうけど、やっぱり環境を作ってるのが「生き物」なのは確かだろうと思います。
その働きに乗っかって作物を生育させる工夫が「自然農法」と言う事ですから、今風には「生態系利用農法」とか言った方が良いかも知れませんね。
自然に任せてほったらかすと言う事ではありませんからね。