前の記事で去年の「ヤマアカガエル」の産卵について書きましたが、去年はその後、「アマガエル」「トノサマガエル」「シュレーゲルアオガエル」「モリアオガエル」「ヌマガエル」と続きました。
各種、産卵時期や産卵方法を他の種類とは変えて、バッティングを避け、上手に狭い環境内で棲み分けています。

で、今年は待望の「ニューフェイス」と言うよりむしろ「ラスボス」?って感じ。
日本のカエルでは最大級、動きものっそりとしていて重厚です。
「ヒキガエル」、先日、敷地の外で中に入りたそうにウロツイていましたので、「お、も、て、な、し」(あ、この表現、最近あんまりウケない?)って入っていただいたのですが、その後数日寒い日が続き行方不明になってました。
もう一度、先日の画像です。

こうやって、仕切り沿いに中に入れる場所を探すようにノソノソ歩いていました。

意思の強そうなお顔です。
コレはやっぱりお招きしなければ・・・と思って、この場所から仕切りの内側に入っていただきました。


ここは、試験田の手前で一旦水を溜めている、2坪ほどの水場です。

ブルーシートには意味があります。

早く産卵した「ヤマアカガエル」は既に孵化して、小さなオタマジャクシが泳ぎ回っています。
少し離れた場所に二度目に産み付けられた卵塊も沢山あり、孵化が始まっています。
親の「ヤマアカガエル」は、まだまだ産む気満々で、あのブルーシートの下に潜り込んでチャンスを伺っているんです。
少なくとも30匹くらいは居ると思います。
今年は、トノサマガエルに沢山産卵して貰いたいのですが、去年、先にヤマアカガエルのオタマジャクシが優占してしまうと、トノサマガエルが産卵しなかったので、今年はエリアを分けたいと思っています。
それで、親ガエルが分散しないようにブルーシートを敷いて置きました。
まだまだ毎朝氷が張っていますから、少しでも温度のある場所で凌ぐんですね。
皆んなブルーシートの下に潜り込んで集っています。
で、昨日、様子を見ようとめくって見たら・・・・

どなた様でしょうか?えらく堂々とした体躯で、只者とは思えない存在感。

シートをめくるとノソノソと水中を回って、首を水から上げて、眩しそうに周囲を見回して、それからまたおもむろにシートの下に潜り込みました。

敷地内にお入りいただいた仕切り際から、水場まで10mくらいです。
ちゃんとたどり着いていました。やっぱり何処に水場があるのか分かっていたんですね。

去年は、小さなオスらしき個体を2度ほど見かけました。
これから集まってきてくれるかも知れません。

ヒキガエルは産卵の時以外は水場から離れて暮らしますから、増えてくれると圃場の中でも虫なんか食べて(益虫も食べますけどね)、圃場生態系のネットワークを強く大きくする一助になるんじゃないかと思っています。