コレね、2018年8月16日にフェイスブックページに書いた記事です。
ヤフーブログから引っ越してきて、ヤフーの方に書いてた記事は全部こっちに来てるんだけど、1年くらいヤフーに書いてなかったのでその間の記事をチョイチョイこっちに追加します。
日に1件アップしてたのですが、間に合わないので2、3件ずつアップします。
益々ややこしい話、と言うか、泥仕合ですねコレは。
サンフランシスコでモンサントに320億円の賠償を命じる陪審評決が出ました。
原告の末期がん(リンパ腫)患者は学校の校庭整備の仕事でラウンドアップを年間20~30回使っていたそうです。
CNNの記事はコチラ↓
https://www.cnn.co.jp/usa/35123905.html
何がややこしいかと言うと、原告側は世界保健機関(WHO)の国際がん研究機関(IARC)がラウンドアップの主成分「グリホサート」には「おそらく発がん性がある」との判断を発表した事を根拠にしているようなのですが、この発がん性の発表は後に修正されてるのです。
記事はコチラ↓
http://www.foocom.net/column/shirai/14338/
IARCはWHOの下部機関なワケですが、親分の方のWHO(世界保健機関)とFAO(国連食糧農業機関)合同のJMPR(残留農薬に関する合同専門家会議)ってのがあるんですけど、ソコが「発がん性あり」とした国際がん研究機関(IARC)の全論文・報告書を詳細に審査して「作物残留を通しての人の健康へのリスク(発がん性、遺伝毒性)はない」と判断しているんです。
つまり「国際がん研究機関」によって一旦「発がん性が有るじゃね?」と発表されて、その親分達の機関が「ホンマか?」と詳細に調べたら、「ゴメン、やっぱ無かったわ」って事になったって話なんですよ。
ところがサンフランシスコの陪審は元の「発がん性有るんじゃね?」の方を根拠に賠償命令を出したって事なんです。
CNNの記事の終わりの方にチラッとに「原告側弁護士は、ラウンドアップに含まれるほかの成分との「相乗効果」で発がん性が高まると主張した。」ってのがあるので、そこら辺に何か癌の原因と特定する要素があったのかも知れません。
また原告の陳述で「2回にわたり作業中にラウンドアップを浴びた」とも語られているので、直接被爆した事が原因と看做されたのかも知れません。
食品に残留した農薬を摂取したって話と、直接農薬をかぶったって話はレベルが全然違いますからね。
さあ、いずれにしても、どれが正しい情報なのか?
最終的に国連の関連機関は「発がん性なし」と判断しているワケです。
でも、裁判ではモンサントが負けている。
じゃあ、ラウンドアップは危ない、って事になったら、どうなるか?
世界中の農業現場でラウンドアップの使用をやめるのか?
やめたら、何を代わりに使うのか?
グリホサート以外の除草剤はグリホサートより安全なのか?
ね、ややこしいでしょ?有害だからって皆んなが除草剤使うのをやめて有機農業に鞍替えするか?するワケないよね。
「怪しいけどソコソコ安全だったヤツ」を叩いたせいで、もっとヤバイ奴が出てくる可能性もあるわけです。
勿論、ラウンドアップレディの遺伝子組換え作物のケースはまた別ですよ。
アレは作物の頭の上から除草剤をぶっかけて栽培する訳ですから、残留量が飛躍的に増大する可能性があります。
JMPR(残留農薬に関する合同専門家会議)が「発がん性はない」って言ってるのは現行での食品中の残留量でなら大丈夫だよ、って話ですからね、残留量が増加すれば事情は変わってくるかも知れません。
と言うワケで、環境団体や反モンサント側は発がん性を過大に評価している印象ですし、国連の研究機関もチョットぐらぐらしてる感じもある、有害性の懸念があるならやめりゃいいじゃんッてのがまあ正解ではあるけど、その為に農産物が減収したり価格高騰してもヤバイし、より危ない薬剤にシフトしては何の事か分からない。
更には現在西日本ではマダニが媒介する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)のリスクが高まり毎年死者も出ている。
アレは草叢にすると良くないんですね。マダニは草に登って近くを通った人や動物に飛びつきますからね。
グリホサートで癌になる確率より草叢でマダニに噛まれてSFTSに感染する確率の方が遥かに高いような・・・・
結局の所、薬剤に頼らない除草技術、抑草技術ってものを開発するのが一番なんですよ。
色々知恵絞らないとダメですわ。