コレね2018年5月17日 、にフェイスブックページに書いた記事です。
ヤフーブログから引っ越してきて、ヤフーの方に書いてた記事は全部こっちに来てるんだけど、1年くらいヤフーに書いてなかったのでその間の記事をチョイチョイこっちに追加します。
はい、久々の「野良生え劇場」です。
例によって世間では「自然農法は肥料やっちゃいけない」とか「農薬ダメ」とか「除草しない」とか「耕すなッ」とか枝葉に拘って、その大元となる「環境」や「作物の育ち方」をないがしろにしています。
その様な本末転倒のアプローチから貴方を救い、楽しい自然農法ライフを炎上し、あ、いや、エンジョイし、面倒臭い時は化学肥料をぶちまけたり、気に入らない害虫を有害な薬剤で毒殺したり、それでもなお「自然農法ですけど、何かァ?」とうそぶく為に、例え他人が非国民と呼ぼうとニセモノと罵倒しようと、しっかりと自然の本流に乗って「この印籠が目に入らぬかッ!!控えおろゥゥ!!!」と一喝して黙らせてしまう天下御免のキャッチフレーズ「野良生え」です。ナガカッタネェ、ノウガキガ・・
誰に何と言われようと、播きも植えもしない作物がソコに生えて成長し再び実やタネを付ける「野良生え」は、圃場の自然環境と作物の特性がシンクロしている証拠です。
こんな現象がアッチコッチで年中起こっている様な圃場があったら、それを「自然農法」と言わずにいられるでしょうか?
無農薬だの無肥料だのはその後で「ついでに」やれば良いだけです。
で、どうやったらソレが起こるかなんですが・・・・・
どうしても必要な事は、まず第一にタネです。
福岡自然農法では「粘土団子」に様々な野菜のタネを埋め込んで所構わずバラ撒くと言うゲリラ的な手法が行われました。
つまり確率を上げるってコトですよね。
色んなタネを混合してソコらじゅうにバラ播けば丁度良い場所に落ちた丁度良い種類が芽を出して育つ、って事です。
粘土に埋め込むのは、何処に落ちても発芽し易い状況を作る為です。
私は確実性より省力性の方を重視する「ナマケモノ」あるいは「ケチ」ですから、粘土を掘ってきたり、コネたり、丸めたりするのがイヤなので、もう少し植物の自主性に任せています。
実やタネに色んな形があるのは、都合の良い場所にタネが落ち易くする為です。
そんなら、ほっとけば行きたいトコに行くんじゃないの?と言うのは、けして勤勉とは言えませんが筋の通った考えです。
作物の花が咲き、実が実ったら、全部を収穫せずにいくらかそのまま放置します。
大根やカブの花茎を伸ばしっぱなしにして枯れてきたらその場に刈り倒したり、トマト、ナス、キュウリ、カボチャ等の果菜類は実をツケたまま放置して熟して落ちるに任せます。
オクラも実をたくさんつけて立ち枯れたものを春まで放置して暖かくなり始めてから、裂けた実からタネがこぼれ落ちる様に踏み倒しておきます。
最初の内は、その場所が作物に適しているかどうかわかりませんから、少し広い範囲に、多目のタネが落ちるように仕向けます。
一旦、野良生えし始めたら、良く育つものが生えている場所がその作物に比較的適した場所ですから、周囲の環境をより生育し易い方向に変えていきます。
日当たりや水の多寡、周囲の草の茂り方、必要であれば良いタイミングで施肥や防除を行っても構いません。
兎に角、その場所でワンサイクル生育させて次のタネを落としてもらいます。
親植物から自然に落ちたタネは、本来取るべき行動を取って、次のシーズンに発芽し易く、生育し易いポジションに落ち着きます。
必ず生えるワケじゃありませんよ。
そもそもその作物に合った環境がなければ育ちません。
「合った環境」と言うのは、温度がコレくらいで湿度がコレくらいで土壌PHが・・・と言う意味ではなく、生態学的な環境です。
その作物に多少合わない環境であっても、他の競合する植物が少なければ生えるかも知れません。
その作物に良く合った環境でも、その環境でより強い生育力を発揮する他の植物がたくさん生えると、目的の作物は生える事が出来ないかも知れません。
作物によって「野良生え」し易いものや難しいものがあります。
ミツバなどは元々日本に野生種が自生している植物ですから容易です。
シソやエゴマの仲間も容易です。
アブラナ科野菜はだいたいイケます。
レタスは結球モノは難しいですがリーフレタスは容易です。

チマサンチュとカモミールのコラボ。
ここは軒下で雨がかからずパリッパリに乾くところですが、やはりキク科植物は乾燥に強いですね。

コチラはハウス内での野良生えチマサンチュ。
アサツキと一緒に生えています。
ココは去年の秋口にタネを取った場所です。
種採り作業をワザと雑に行ったり、2、3株タネを採らない株を残し、刈り倒してその場にタネを落としました。

別のハウス内のオークリーフです。
玉ねぎやニンニクの間にポツポツ生えました。
トマト、ナス、ピーマン、トウガラシなども容易ですが、ナス科は高温性が多いので、発芽があまり遅くなるものは生育が間に合わなかったり、発芽前にタネがやられたりします。
キュウリ、ウリ、カボチャなどは、種子が大きいので、鳥や虫などに食べられるのか、地表に落ちたままだと何時の間にかタネがなくなります。
ウチではカボチャのタネはワンコ君達が綺麗に食べてしまいます。

去年積み込んでおいた落ち葉が腐葉土となり、チョイチョイ生ゴミも捨てていたせいか、カボチャが生えてきました。
ウチでは商品にはあまり手を付けられないので、食用の野菜は結構野良生えで調達しています。

ジャガイモも頼みもしないのに良くアチコチから顔を出します。
草が多く地表付近に有機物の多い場所ならタネが埋もれ易いかも知れません。
タネの落とし方の段階から、どうすれば「野良生え」が出易くなるかを考えながら圃場環境を整備すれば、年々「野良生え」の確率が上がり、同時に作物が育ち易い環境の作り方が分かってきます。
まず、この辺りが「もう一つ」の自然農法の入り口です。
普段の人の態度でも、「自然にしよう、自然にしよう」と狙っている時は大抵不自然です。
「ちょっと留守をするから、後は勝手にやってて」と言う気分で作物に任せながら、時々露払いや後片付けをして圃場が「良い場所」になるように心がけて行くと、「自然に」自然農法に向かって行きます。