パースニップの花が上がってきました。
パースニップはニンジンに近いセリ科の根菜です。
イメージ 1

セリ科なので、ウドの花なんかと同じ感じで上がってきます。
アシタバもこんな感じです。

根っこはニンジンを白くしたような感じです。
煮込み料理などに使うのですが、味はニンジンとカボチャとサツマイモを足して3で割った感じです。
香りはセリ科らしい感じで、ちょっとセロリに似ています。
そう極端に強い香りでもありませんが、この辺りは好み次第ですね。

で、このパースニップですが、私はあまり上手く育てた事がありません。
ニンジンと同じ様な作型で良いんだと思いますが、7月播きだと夏越しが問題です。
秋播きだと春までに根を肥大させれるかどうかと言う問題があります。
その上、初夏にはこうやって花茎が上がってきますから、収穫期をあまり遅く狙うとトウ立ちします。
収穫期を早くするには播き時期を早めなければなりません。そうすると夏越しが・・・

肥沃な土壌で夏から秋にかけて短期間に一気に太らせればよいのかもしれませんね。
栽培の方はもう少し探求してみなければイケませんね。

栽培はあまり上手く行かないのですが、トウ立ちして困る様な野菜ですから、採種は簡単です。
冬越しして一定期間低温に当たった株は容易に花茎が上ります。
タネはペラペラの紙みたいな感じで、書類に穴開ける「パンチ」の中に溜まった丸い紙切れに似ています。

このパースニップは野良生えと言うか、半野良です。
イメージ 3

後ろの山は「捨てコン」です。コンクリートの瓦礫です。
パースニップが生えている土の中にも風化したコンクリートがたくさん混じっています。
アルカリ土壌が好きな植物なのかも知れません。
イメージ 4

ニンジンみたいな根の部分はあまり太っていない様ですが、数株が思ったよりゴツい花芽を上げてくれました。

色んな植物のタネを扱っていると、残念なコトですが売れ残りがたくさん出ます。
仕入れ販売でも結構出るでしょうが、採種販売だと、採れ過ぎたタネに限って売れなかったりするんですよ。
5kgも10kgも採れて50gくらいしか売れないものも珍しくはありません。
モノによって扱いは色々ですが、たくさん在庫のあるものは冷凍保存する場合もあります。
放っといても良く出来るものは、保存する方が面倒臭いので毎年栽培する場合もあります。
一番楽なのは、毎年勝手に生えてきて、ソコソコの量のタネが採れるモノです。
カラシ菜類は野良映えし易く、タネの量も多いので、何もしていないのに毎年ゴッソリ在庫が溢れかえる場合もあります。
イネ、ムギ、ソルゴーの様な穀物や、アブラナ科野菜、ビーツやホウレンソウなとアカザ科野菜、ヒユナ、モロヘイア、パクチーなどタネがたくさん採れる作物では、毎年新しいのを採り直さないと冷蔵庫がパンパンになります。

希少種や栽培が難しくて毎年作りたくないモノなどは、冷凍保存する場合もあります。
あまり在庫せずになるべく新しく採取したものを販売しようとすると、毎年かなりの量の廃棄種子がでます。
廃棄種子です。
イメージ 2

このまま炒ってお茶に出来そうです。
ザッと見ても、ビーツ、オオムギ、コマツナギ、パクチー、ハブソウなどが混じっています。

在庫が増大したものや、新しいタネが採れたものは、古いものを廃棄します。
廃棄用のバケツに放り込んでイッパイになったら畑にバラ撒きます。

自然農法では「無肥料」と言う人が多いのですが、私は、ソコはあまり重要な事とは思っていません。
「施肥」の概念が違うと考えています。
慣行栽培や有機栽培では、作物に肥料を与えるワケですが、自然農法で肥料分について考える時は、施肥を行うにしても、自然供給されるにしても、それは作物に対してではなく、圃場環境全体に対して働きかけるワケです。
施肥も作物に対してではなく圃場全体に対して行いますし、自然に肥料分が供給されるのも圃場全体が肥沃化した結果と言う事になります。

自然農法は、我々の生産目的にシンクロしてくれる生態系の構築ですから、作物単体を対象とする栽培技術では意味がありません。
植物の種子は非常に栄養価が高く、多くの生き物の餌となります。
昆虫や小動物に食べられたり、微生物によって発酵させられたりします。
その中で幾分かは発芽して生育します。
発芽生育する間も多くの生物の餌となります。
そうして圃場の生物相を豊かにしてくれるので、植物のタネは作物だろうと樹木だろうと雑草だろうと、とにかくあれば圃場にバラ撒きます。

このパースニップも廃棄種子に混じっていたものです。
圃場の隅っこに数株かたまって生えていました。
直ぐ側に捨てコンの山があったので、もしかしたら好アルカリ性なのかも知れません。
いずれにしても、野良生えて実を付けたものはコチラの環境への順化が進むかもしれませんので、大切に採種させていただきます。


クロニャ・シーズのフェイスブック・ページはコチラ
野菜のタネはコチラからも