今年は、夏野菜が全然できていないので、イネのお話ばかりです。

クロニャシーズは福岡正信氏の自然農法稲作をベースに、超低コスト稲作手法を開発中です。
開発、と言っても資金は全くありませんので、ただただ、ああでもない、こうでもない、とアタマを捻っては実験しているばかりです。

北日本の事はわかりませんが、西南暖地での稲作では、イネを作る事より、草を作らない事の方が難しいテーマです。

草さえ生えなければ稲作はナントカなります。
後は、倒伏させないとか、刈り遅れしないとか、イモチやカメムシの発生を避けるとか、そんな感じです。

ですから、先ず、草の問題をクリアしなければなりません。

合鴨、米ヌカ除草、ジャンボタニシ、アゾラ、コイ、除草機(マクリ)、深水管理、チェーン除草etc
色んな方法があり、いくつかを組み合わせれば、だいたいナントカなります。

ナントカなりますが、ビジネスにはなりません。

労力と時間がかかり過ぎるからです。
栽培者が自分の労賃を計算しなければ、ナントカなる、と言う事です。
最近では最低時給1500円とか言っています。
これで計算すると、絶対にペイしません。


だから、現実的な方法としては「除草剤」となってしまいます。


毎年、同じ事を書いています。が、全く、何処にも、取り上げられる事は無いようです。
次の二枚の画像を御覧ください。

イメージ 1

大きくなったイネの苗の下に小さな雑草が生え始めています。
田植えは、この状況を作るために行います。
つまり、既に大きくなっているイネの苗を、代掻きして植生をリセットした田んぼに植えることによって、イネと雑草の成長段階に差を付けます。

イメージ 2

雑草は大きなイネの苗が植え付けられた後で発芽するので、大変なハンデレースです。

こうして、イネに有利な状況を作り出すワケです。

しかし、この画像に写っているのは田植えをしたイネではありません。
あの「硫安作り」の「陸稲農林一号」です。真砂土に30×15で一箇所2、3粒の点播きをしたものです。

掘り出した真砂土なのであまり草は生えませんが、周りの斜面から流れ込んだ泥に草のタネが混じっていたようです。

直播きではイネも草もほぼ同時に発芽します。
なのに、こんなにイネだけが早く大きくなっています。


私は2つの原因に注目しています。
一つはイネのタネ(籾)が、他の雑草のタネよりはるかに大きいと言う事。
もう一つは、イネの生育適温が非常に高いと言う事です。


タネが大きいと沢山の養分を持っていますから、発芽直後の生育力が大きいと言う事になります。
試しに、苗代でイネを発芽させて、発芽直後に籾を取り除いて子葉と根だけにしてみてください。
こんなに育たないか、と言うくらい生育が悪化します。

生育適温が高いと、夏に近づくほど生育が早くなるワケです。
雑草は温帯の植物ですから、暑くなると却って弱って生育が衰えます。

それで、暑くなり始めてから直播きすると、画像のようにイネと雑草に大きな生育差が起こるワケです。
田植えをしなくても、田植えをしたのと同じ効果が得られます。

除草剤を使わず、労力をかけずに草を抑える稲作を実現するためには、この現象を上手く利用する事がポイントなのではないかと思います。


次の画像は「採種圃」です。ここは水を溜めているので、更に草は生えにくくなっています。
水を溜めるととても良くわかります。晴れた日の午後に手を浸けてみると、完全に湯になっています。
イメージ 3


こんな状態になると、イネはグングン育ちます。
イネがどんどん分げつして縦にも横にも葉を広げると、田面には日光が当たりにくくなりますから、イネの下に小さく生えた雑草は益々育ちにくくなります。


しかし、だからと言って、これだけで最後まで草を生やさずにコメを収穫できるわけではありません。
もう一捻りも二捻りも知恵を絞らなければイケませんね。


植栽密度を工夫したり(密植の方が草は生えにくいようです)、条間を草刈機で刈ってみたり、発芽前に藁をバラ撒いておいたり(福岡正信氏はこの方法だったようです)・・・


あ、陸稲の場合ですが、最も効果が高いのは「中耕」です。
条間を浅く耕すと言う事です。
水田では代かきをして泥を柔らかくしてしまうので、この方法はムズカシイですね。
不耕起田なら、応用できるかもしれません。


今年は怪我と体調不良で、予定していた実験の殆どが出来ませんでした。
今から、準備を進めて、来年こそは、決定打を見つけ出したいと願っています。