7月13日に直播した「豊コシヒカリ」も順調に発芽し、水のない田んぼで元気に育っています。
これは25cm☓15cmの密植を行ったもので、坪当たり77.3株です。
私は基本的には疎植が好きなので、通常は尺角で坪当たり33株ですから、この「豊コシヒカリ」は倍以上の密度です。
一箇所には2粒づつ播いています。
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先日は、このような遅播き栽培は実用性はなく、データ収集の為に試験してみるだけです、と書きましたが、一縷の望みもないワケではありません。
遅播きにする事によって、栽培期間を短縮し、抑草効果を高め、出穂を遅めて高温登熟を避ける事が目的です。

普通のコシヒカリの直播では、5月中旬播種で8月上旬出穂ですから、播種を5/15、出穂を8/5とすれば、出穂日数は82日程度です。
「豊コシヒカリ」はそれより7日出穂が遅い様ですが、それは出穂日数が7日長いのではなく、後ろに7日ずれていると考える方が妥当でしょう。
とすれば出穂日数は同程度から85日程度と見て良いでしょう。
7月13日から85日後は10月6日になるのですが、そんなに遅くまで出穂がずれ込む事は考えられないので、出穂日を「コシヒカリ」より7日遅い8月12日と仮定すれば、そこから遅植えで更に何日か遅れて出穂すると予想できます。
では、何日くらい遅れるかが問題なのですが、昨年6月20日に播いた「コシヒカリ」が9月上旬に出穂した事と、播種時期が遅くなるほど、遅れ幅は小さくなる事から、通常では7日~10日「コシヒカリ」より遅い「豊コシヒカリ」でも、遅くなれば多くても5日程度しか遅れないのではないかと思います。
とすると、出穂日は9月10日頃になるのではないかと予想しています。
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7/13播種で9/10出穂なら出穂日数は59日で、通常の70%くらいの生育日数です。
5月播きだと初期の生育はゆっくりですが、7月播きでは発芽からフルスピードで飛ばしますし、ここの土地は予想外に非常に肥えているので、肥料もスタートからフルパワーですので、加速の良さを加味すれば、80%を狙えるかも知れない、と言う「下心」もないワケではありません。
生育期間が短い分、植え付け株数で稼ぐため密植にします。密植は抑草にも役立ちますので、遅播きで雑草の発生が少ない上に、密植で雑草の繁茂も抑制できる可能性があります。

播種が出来るか出来ないかと言うスケジュールでしたので、この試験田?はまだ水が貯めれる状態になっていません。
これから周囲に畦を盛って、ヒタヒタ程度には貯めれるようにします。
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では、これで終わりかと言うと・・・・まだ、播いています。


これが今年最後のイネの直播ですが、品種は「みつひかり2005」です。
「みつひかり2005」はF1品種です。所謂ハイブリッドライスと言うヤツです。
母木は雄性不稔系統(コシヒカリ系)、父木は多分インディカ系だろうと思います。
平均収量は720~750㌔/10aと言う多収品種です。 
F1ですから生育旺盛でしょうね、葉は大きく直立、葉色は終始濃緑色、直立型で多肥に強く、稈は極太長稈で倒伏に強いそうです。
怪獣みたいにパワフルなイネを想像しますね。

穂が凄く長く30cmにもなり、普通品種の倍以上の籾が付くそうです。その分、穂数は少なく、草型は「超穂重型」と言われています。
「穂重型」と言うのは穂が大きくて数は少ないイネを言います。逆に小さい穂をたくさん出す品種は「穂数型」と言われます。
それぞれの特性のより強い品種は「偏」の字を付けて「偏穂重型」「偏穂数型」と呼ばれますが、「超穂重型」と言う表現は初めて見ました。
普通品種の倍もある穂ですから「超穂重」も頷けますが、それだけ大穂傾向が強いとなると、数が取れるかが心配になります。
分けつの悪い品種なのではないか?と言う心配です。

ご飯に炊くとアミロース含量が低く、粘りが強く弾力があり歯触りやノド通りもよく「コシヒカリ」と区別がつかない位の良い食味、と言われていますので、ちょっと期待しています。

極晩生種と言われていますが、出穂期は8月下旬から9月上旬ですから、普通に晩生です。
最近は稲作全体のタイムスケジュールが前倒しになっているせいか、早晩性の表現も前倒し気味ですね。
「旭」や「ハツシモ」など9月上旬出穂の晩生種も、今では「極晩生」なのかもしれません。
そうなるとウチの「晩生旭」など9月中下旬出穂の品種は「極々晩生」?「超晩生」?「大晩生」?・・・・メンドクサイですね。



今回は、この超パワフルなF1ライスを使って、超遅播き短期栽培をテストします。
播種日は7月21日です。

狙いはF1のパワーで遅播きのハンデを克服し、多肥栽培を可能とし、「極晩生」で生育期間を稼ぎ、株が生育不足で小さくなり穂が小型化することを「超穂重型」の特性でカバーする、と言う作戦です。
あまり大きくなる暇はないでしょうから、いくら肥料を食わせても倒伏の心配はないでしょう。(尤も土地がメチャ肥えているので肥料はやりませんが・・・)
出穂が何時頃になるかは分かりませんが、9月20日頃に出てくれればと期待しています。
30cmの穂が出る品種ですから、1/3に落ちたとしても10cmでしょう?
10cmの穂が3倍の数出れば収量は同じ!!と言うウマイ計算は出来ないか?と言うインチキ栽培です。

「豊コシヒカリ」を播いた残り半分に、25cm☓25cm、坪当たり46株程度の密度です。
普通のカウントでは、坪当たり46株なのですが、本当は坪当たり270くらい植わっています。
それは一箇所に6粒づつ播いているからです。
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6粒播いて、平均5粒発芽するとして、それぞれが5本に分けつすれば、一株25本の穂が出る計算になります。
「みつひかり2005」の一穂着粒数は200粒くらいですから、1/3でも70粒くらい付くでしょう。
一株20本なら1750粒です。
米粒は大体1000粒25gくらいですから、一株43.75g、坪46株植えですから2012.5g、一反(10a=300坪)で603kgの計算です。
発芽不良の欠株で2割減ると考えても、482.4kg、更にそこから、生育不足で屑米が2割出るとして385.9kgの収量は見込めないでしょうか?

7月後半の播種で、400kg弱取れれば悪い話ではないと思います。
かつては、西日本では二期作が行われたり、春作にスイカやトマトを栽培し、その後にイネを作つけたと言う話も聞いた事があります。


戦後、「亀の尾」系の耐冷性の品種が開発され、北日本で早期栽培が可能となりました。その代表が「コシヒカリ」です。
それで、現在、米どころと呼ばれている地域は、みんな比較的寒い地域になりました。
同じ技術を西日本に流用すれば、5月の連休ごろに田植えが可能となり、台風時期より前に収穫でき、作業時間に制限のある兼業農家に好都合でした。
日本人の「初物食い」を好む嗜好と相まって、稲作はドンドン早期化しました。

これから、稲作は根本的に見なおす必要に迫られると思います。
一般にはTPPの様な貿易自由化のアオリを食らって、コメ価格の低下が起こるかの様に言われており、マスコミなどでもコメの値段が落ちる事を「災難」の様に報じていますが、ここは、考え方を根底から改める必要があるのではないかと思います。

アメリカで10kg2000円くらいで中粒種のコメを売っているそうです。
ベトナムでは10kg1000円もしないのではないでしょうか?
日本国内でも安い所では10kg2000円くらいであります。

ビジネスとして当たり前に考えるなら、「市場が10kg千円から二千円くらいの安いコメを求めている」と受け止めるのが当たり前ではないでしょうか?
生産者が高値を期待するのは当然の事ですが、同時に「お客様からは低価格化の要求を突き付けられている」と言う事を認識しておかなければならず、それは取りも直さず、コストダウンが出来なければ生き残れない事を意味しています。
珍しい事でも、特別な事でもありません、製造業ではズーッとやって来ています。


麦ワラを刈り倒して押しつぶしておいたら、イネより先にキノコが生えてきました。
麦ワラは分解が早いので、肥料として効いてくるのも早いかもしれません。
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