試験田の造成は遅れに遅れ、コシヒカリの直播に間に合うのか危ない状況となりました。

3月下旬までに幅10m奥行き40m弱の範囲を、表土を取り除いて床土を出し、水平に整えて少し固めて保水力を強化しました。
もともと水持ちは良い方でしたので、軽トラに土をイッパイ積んで(2tくらい?)行ったり来たりして目を潰しただけで、雨の日には深い水たまりになるくらいの保水力が確保出来ました。
元々比較的たいらで、岩や石も殆どなかったので、床土を均す作業はわりと簡単でした。
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床土が平らになったら、適当に範囲を区切って水を溜め、、ゆっくり水が引いて行くのを待つと、ところどころに地面が出始めます。
早く地面が出た所が高いわけですから、ジョレンで削って深い所に土を動かす事を繰り返して行くとほぼ水平均平になります。
均平になった場所を基準面にして、範囲を少しづつ広げながら作業を進めました。
まっ平らでないとイケナイ、という訳でもありませんが、やはり水田は高低が無い方がイネを育て易いです。
平らな田んぼは生育ムラができにくいし、水を入れる時も短時間で行き渡り、少ない水で湛水できます。
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床土が平になったら、あちこちに杭を打って目印にして耕土をいれます。
最初は耕土厚30cmを考えていました。
腐植質の多い肥えた土が厚く堆積している方がイネはよく育つと考えたのですが、途中で考えを変えて20cmしました。
厚い方がイネが育つのは確かでしょうが、これから不耕起草生直播栽培のテストをするのに、試験田があまりに良すぎて、栽培成績が実際以上に高く出てしまってはテストの意味がなくなるような気がしたのです。
学術的な研究なら、きっちりと対照区を設けて、標準的な条件下での生育状態を再現しながら、各試験区をこれに比較して栽培成績を判定します。
現場ではなかなかそうは行きませんが、少なくとも試験区を一般的な水田に近い状態にしておいた方が、栽培結果を判断しやすいと思いました。
栽培者は常に、自分の圃場でどうすれば最高の成績を出す事が出来るかを無意識に模索していますので、気を付けないと、ついついスペシャルな田畑を作ろうとしてしまいます。
今回は、栽培作業のやり易さ以外は、特別に成績が向上するような処置は厳禁して、あえてポンコツ気味の試験田にしょうと考えました。
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数回に分けて土を運び込んでは、スプリンクラーで水を撒いて、土を落ち着けます。
ズブズブに溜まるくらい水を撒いて、しっかりと土壌に水を吸わせておいて水が引くまで放置すると、少し土が固まって落ち着きます。
落ち着いてきたら、また水を撒いて、水たまりができた所に高いところの土を削って入れて、徐々に平らにして行きます。
地表が平らになった場所は、小さな水たまりがヒョウ柄みたいに全体に散ったような状態になります。
全体が一度に水に浸かるのは、水の入れ方が多いだけで、平らになっているわけではありません。
少しずつ水を入れるか、一旦溜めて水が引くのを待つと、アチコチに高い所が出てきますので、それを削って水の溜まった所に入れて行くと、だんだんと模様が細かくなります。
全体に島が散ったような状態になればOKです。
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区画は当初5m☓50mを3コースと考えていましたが、工事が遅れて5m☓40mになり、播種期が迫ってきたのでそれを更に半分に区切って、5m☓20m☓2を2コースか3コースと変更しました。
一区画5m☓20mの試験田が4枚か6枚出来る予定です。
コースの仕切りは幅50cmの畦道で、高さ35cm、厚さ0.4mmの畦シートで仕切って、真砂土を入れ、田面より少し高くしました。ここは普段は通路ですが、できたら田に水を入れる時の水路としても使いたいと思っています。
通常の湛水田(常時水を溜める田んぼ)では、こんないい加減な水路では困るのですが、計画している不耕起草生直播栽培では、不湛水で水を溜めずに栽培し、必要な時のみ一時的に淡水する栽培方法を採りますので、通路を水路と併用してもなんとかなるかな?と思っています。(まあ、規模が小さいのでダメな時は塩ビ管で配管すれば良いだけですし・・・・)
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奥の脚立が立っている辺りが最初に作った区画で、すでに草が生い茂っています。
手前の土が見える所が2番目に作った区画ですが、作業の都合上、こちらを先に作付けます。「コシヒカリ」の直播ですが、今年は土を入れたばかりなので、「不耕起」と言う意味にはなりませんね。草もまだ生えていないので「草生」でもなく、ただの直播栽培ですが、雑草とイネが同時に生えて来て、どのような関係を形作るか、じっくり観察してメインテーマである「調草」(weed control 活草、抑草、殺草etc)についての手法を色々と考えて行こうと思います。
左端に見えているのは極早生ライ麦「ライ太郎」を作付けた区画です。ここは最後に直播する予定ですが、時期が迫っているので、超遅播き稲作(7月播き)の試験をしようか、夏播き野菜の作付をしようか迷っています。
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5月23日です。土も落ち着いてきて、そろそろ籾播きしたいところですが、引っ越しに手を取られてなかなか始められません。
中国地方での「コシヒカリ」の乾田直播栽培では、5月上旬から中旬までが播種適期と言われています。
私は以前から現在の稲作は栽培開始が早すぎる上に、初期生育を煽り過ぎだと思っているので、もう少しスロースタートにしたいような気がします。
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5月27日です。手前の均しがイマイチですが、そろそろ播種できる状態です。
ここに「コシヒカリ」を播いたら、その左側(現在通路になっています)に土を入れて「晩生旭」を播こうと思います。
その頃には、奥の右の草が生えている所が立派な?草ムラになっているでしょうから、そこは完全な「不耕起草生直播栽培」を実験できそうです。
品種はハイブリッドライス(F1)の「ミツヒカリ」か、やや出穂の遅いコシヒカリ選抜の「豊コシヒカリ」を予定しています。
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予想以上に作業の負荷が高かった事と、自分の体力が低かった事で、作業は遅々として進みませんが、遅れたなら遅れたなりに「怪我の功名」的に晩期栽培の試験に切り替えればイイ、と呑気に構えています。
一つだけ、種籾を取り寄せて用意していた「ヒデコモチ」と言う超極早生(7月下旬出穂)のモチ米の早播き栽培テストが間に合わなかったのでチョット残念ですが、それは来年に期待します。