もう全国ほとんどの地域でサクラは咲き終わってしまいましたね。
こちらでも遅咲きのヤマザクラさえ4月中にほとんど散ってしまいました。
ところがそのヤマザクラが終わった後、4月の末から5月はじめにかけて開花する「もう一つのサクラ」があるのです。
今年は変異種のヤマザクラを探してアチコチ見て回り、更に野生種のサクラの情報をネットで調べ回ったので、今まで知らなかった変わったサクラが存在する事にも気づきました。

これです!!
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あまり「サクラ」には見えませんね。
「ウワミズザクラ」と言うれっきとした「サクラ属」のメンバーです。
と言っても広義の「サクラ属」(Cerasus)には梅、サクランボ、桃、ネクタリン、アンズ、スモモ、アーモンドなどかなり広い範囲の植物が含まれますので、必ずしも「ソメイヨシノ」などのいわゆるサクラに近いとは限りませんね。

花を見る限り「ソメイヨシノ」も「ヤマザクラ」も或いは「梅」も「サクランボ」も「桃」も「アンズ」も、更には「アーモンド」までも、とても良く似ています。
どうかするとサクラ属でなくても、同じバラ科のリンゴやナシも良く似ています。(分類上はリンゴはリンゴ属(Malus)ナシはナシ属(Pyrus)です。)

この「ウワミズザクラ」の花は一見リンゴやナシよりサクラに似ていない印象を受けますが、分類上はよりサクラに近い植物のようです。

小さな花が集まって穂になって咲きます。
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同じような咲き方をする種類に「イヌザクラ」と言うのもあるそうです。
北海道には「シウリザクラ」と言う穂咲きする種類もあるそうです。


最初は、ネット検索で私の住む地域にもこの「ウワミズザクラ」が自生している事を知ったのですが、今までこんな面白い花のサクラは見た事がなかったので、珍しい植物なのだろうと思っていました。
ところが運転中にたまたま目に入って実物を一度間近に見てからは、あそこにもここにも、有るわ有るわ、そりゃあ松や杉ほどたくさんはありませんが、ちょっと山沿いに入ると1km走る間に数本は目に付くくらい、結構普通に生えている木でした。
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写真でこんな風に撮ると、結構華やかな咲き方なのですが、白い色のせいか、気にしていなければ見過ごしてしまいます。
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これがもし「ソメイヨシノ」の様なピンクがかった花だったら、もう少し知名度も上がっていたでしょうね。
大きな木の下に行くと、無数の真っ白い花に囲まれて、吹雪の中にいるようです。
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穂をアップするとこうなっています。
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一つ一つの花は、他のサクラと同じ5枚の花びらを持ち、長い雄しべがたくさん出て目立たない雌しべを取り囲んでいます。
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この「ウワミズザクラ」は、新潟方面では食用にされているそうです。
「杏仁香(アンニンゴ)」と呼ばれ、蕾や若実を塩漬けにするようです。
青い若実はこんなかんじです。
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一粒一粒はヤマザクラなどの若実と同じ形をしていますが、米粒より小さいくらいです。


試しにナマの青い実を齧ってみると、苦さと渋さが混ざった漢方薬か何かのような味がした後、ほのかな甘さが漂います。
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苦さ渋さもそんなに強烈ではなく、塩漬けする事によって薄まれば、逆に旨味になりそうな感じもします。
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情報不足で蕾を漬けるのと、若実を漬けるのと、味などがどう違うのか良く分かりません。


蕾はこんなかんじです。
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蕾のことか若実のことか分かりませんが、塩漬けはほろ苦くビールのおつまみに良いそうです。

実は熟すと赤くなるようです。
熟した実を果実酒にすると香りの良いお酒ができるそうです。


北日本と西日本では食文化がずいぶん異なっていますね。
トトキ(ツルニンジンの新芽)は北日本では代表的な山菜ですが、西日本ではツルニンジンはたくさん生えていますが全く食べないようです。
木の芽と言えば山椒の芽ですが、越後湯沢ではアケビの新芽だそうです。
アケビはこちらでも至る所に生えていますが、新芽を摘む人は居ません。

これらは気候や植物の系統のせいで、西日本では美味しくないのかもしれません。
「アンニンゴ」もこちらのものは美味しくないかもしれませんが、塩漬けは簡単にできそうなので、試してみたいと思います。
蕾は今年は無理でしたが、若実はちょうど今なっていますので、摘んできて少し漬けてみましょう。
後日、味についてもレポートします。お楽しみに!!