以前「サパァジィド南瓜」の野良生えの記事(こちら)でも書きましたが「自然農法は自然状態から始めた方が簡単!!」の実例です。

よく自然農法を始めようとして、慣行栽培を行っていた畑や田んぼでいきなり農薬や化学肥料の使用を中断して、無理やり自然を復活させようと頑張って、数年かかってやっと無農薬無肥料栽培に成功しました!!と言う、苦労話なのか自慢話なのかよく分からないお話を耳にします。
力づくで「自然」を我が手のひらに載せようとしている事自体、スタート地点から「自然農法」の考え方と大きく隔たっているように思えます。
私はこんな無理矢理な自然農法を「箱庭農法」と呼んでいます。


農薬や化学肥料、有機肥料などを用いていた畑には「自然」がないのではなく、そのような環境に応じた「自然」が構成されているのだと思います。
それはそれで一つの生態系を成していますから、それを我々が勝手に思い描く「美しい自然」へと変貌させようとするのは、長い時間と大きな労力を必要としますし、その結果が本当の「自然」の姿に到達する保証はありません。
既に一つの生態系が構成されている場合は、それなりに、それを活かして、徐々に本来の自然を取り戻す方法を取るのが賢明です。

「自然農法」は常にそこにある「自然」の在り方を尊重する事を基本とします。

いきなり「無農薬」などとすると、サダム・フセインがやっつけられて却って混乱が増長されたイラクの様に、農薬が抑え込んでいた生物たちが突然無秩序に開放されるので、パンドラの箱の蓋を叩き割ったみたいに有象無象が現れ出て、余計に混乱が強まってしまう場合もあります。

「箱庭農法」が悪い、とまでは言えません。
しかし、ご苦労が多い上に、本当の自然農法がいつまで経っても理解できず、頭の中に勝手に描いた「自然」の方が目前の本物の自然より何十倍も大きくなってしまって、色眼鏡を重ねがけしてコテコテになって自然を見ているので自由が効かず、自然から当たり前に伝わってくるメッセージが、先入観に邪魔されて全く聞こえなくなってしまっている様な方をしばしば見かけます。

「人工環境」→「自然環境」と言う逆コースを辿らず、元々自然である中に、作物が「自由」に作物自身の生育力で生えて来るようにきっかけ作りをして行くと、比較的容易に「自然農法」が実現できます。
私が時々「野良生え農法」と呼ぶのも、「自然状態」からスタートした方が、流れを遡って逆行する無駄な労力がかからないと言う事を分かり易くお伝えしたいためなのです。

勝手にこぼれたタネが、知らない間に根をおろして、気付いたら立派な実を付けていた、と言うような状態が一番「自然」なワケです。

竹藪です。
数十年前までは、水田だったようです。

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一部の竹を切り開いて、日当たりの良い場所を作りました。

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竹の根が縦横に張り巡らされているので、耕す事は出来ませんが、元々不耕起栽培なので平気です。
夏から秋にかけて竹を切り、切った直後は雑草が生えにくいし冬場は竹は生えないので、小麦を一作しました。
同時に秋に韓国ズッキーニの「エホバ」を採種した時に出た果肉やワタなどの採種クズを小麦の条間にバラ撒いておきます。
その中には、選別から漏れたタネも含まれています。

春から夏にかけて徐々に草が生えてきます。
草と一緒に「エホバ」も生えてきます。

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竹は切り払っても、地中にはたくさんの地下茎や根がありますし、土は自然のままです。

夏雑草が茂ってきたらザッと刈り込みます。細い竹も伸びてきますが一夏に2回も刈れば十分です。

竹藪や草むらを刈り払った場所は、地表や地中に落ち葉や枯れ草や根などの大量の未分解の有機物が含まれています。
夏にかけてそれらが急激に分解され始めます。
分解する時には微生物が増えますが、微生物の体(細胞)を作るのには窒素分が必要なので、暫くの間は土壌中の窒素が微生物に取られて、作物の方に回りません。これを窒素飢餓と言います。

無肥料栽培にこだわる場合は、しばらく不作を覚悟しなければなりません。
有機物の分解が落ち着いてくると、微生物に蓄積された菌体窒素は土壌(腐植質)に保持されます。これがいわゆる「地力」です。
「地力」はじわじわと効いてくるので、次第によく出来るようになります。

土壌が安定状態に入るまで、鶏糞などの有機質肥料を少量用いるのも良い方法です。
これなら最初から作物もソコソコできますし、土もより肥えて圃場らしくなります。


数株のエホバが生えてきました。
畑で作るより少しおとなしいツルの伸びです。

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しかし、バカ伸びせずに、雌花が良く咲きました。


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このくらいが美味しい時期です。
こんな環境で育つと甘みが乗ってとても美味しいです。


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採種用の実は目一杯大きくします。
9月20日の画像です。よく充実した実が少しずつ色づき始めました。


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10月11日です。完熟し黄金色に色付いています。
南瓜類は表皮が厚く硬いので、急いで収穫しなくても大丈夫です。

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「エホバ」は韓国のズッキーニです。正しい発音では「エホバッ」か「エホバプ」みたいな感じです。
若穫りカボチャと言うような意味です。
丈夫で育て易く、とても美味しいし、和食、中華、イタリアンと様々な料理に使えます。
是非、一度お試しください。
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