宮島では島内のあちこちでシソによく似た植物が見られます。
野生化した「シソ」、「トラノオシソ」「レモンエゴマ」が混在するようです。
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どれもよく似ているので、正確な分類は良く分かりません。
とりあえず葉をチギッてレモンの様な香りがするものを「レモンエゴマ」かな?と考えています。
葉の香りは、個体によってかなり異なっていて、爽やかなレモンの香りのものもあれば、薬品のような不快な香りのものもあり、様々です。
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島内のいたる所に、これらのシソの仲間が生えています。
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原生林の中にはあまり生えておらず、路傍や公園の縁、空き地などに多く生えています。
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町中の土産物店が立ち並ぶ地域でも、空き地や駐車場に生えています。
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厳島神社の境内にもわずかですが生えています。
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レモンエゴマなどがたくさん生えているところには、シカもたくさんいます。
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群れのボスの雄鹿に近寄ると「コノヤロー、来るんじゃねェ!!」とすごい顔でガンつけられます。
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シカ達はのんびり草を食べていますが、その周りにもレモンエゴマなどが生えています。
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芝生はシカが食べるので葉を小さくして低く地面に張り付いています。

レモンエゴマなどのシソの仲間は、エゴマケトンと言う物質を持っていて強い臭気を発します。
シカなどの反芻動物にとってはエゴマケトンなどは毒性があるので、シカは食べるのを避けます。

芝は食われにくいように、低く地べたに張り付いて生育します。
レモンエゴマなどは食べられないので、伸び伸びと葉を茂らしています。
他の草や伸びた芝を食べながらシカはポロポロと糞をするので、芝やレモンエゴマには十分な肥料が与えられます。
こうして食べられても矮小化して生き延びれる「芝」と、食べられないので競争相手がいなくなった「レモンエゴマ」などが環境を優占してしまいます。

シカを人間に、レモンエゴマを作物に、芝を雑草に置き換えると、そのまま畑での自然農法と同じです。
宮島では、「自然」が「自然」によって「自然」に「自然農法」を行っているようです。

自然農法の畑では、栽培者はシカが草を食べるように、伸びすぎた草を刈り込みます。
刈った草はその場に散らしておくので、物理的に次の草が生えるのを防ぐ効果もあります。
シカなら食べた草を消化して糞を落とすのですが、養分を絞り取った後の糞より、刈ったままの青草の方が養分は多いでしょう。
雑草は刈り込まれて矮小化し、作物は競争相手が痛めつけられるので優位に立ちます。

勿論、宮島のように市街地に過密にシカが生存しているのは、所謂「自然」な状態ではありません。
やや特殊な環境ですが、単純化されたモデルとして分り易くて良いと思います。

このように自然の流れの中で、作物の生育に有利な要素を増やしてやると、自然の働きを作物栽培の側に集める事ができます。

実際の圃場では、これに加えて、昆虫や土壌生物や微生物、風や水の動きなどさまざまな要素が絡んできます。

無農薬、無肥料、不耕起、無除草の四原則は踏まえつつ、いくらかは鷹揚に構えて、つまりあまり細かい事は気にせずに、それよりも自然の動き、流れに着目して、上手いタイミングで押したり引いたりして、自然の力を作物にプラスに働かせて行くと、比較的容易に「自然農法」が実現しそうです。