文部科学省が5月6日に「地表汚染マップ」を発表しました。
4月6日~29日に、60キロ圏内を米エネルギー省の飛行機とヘリの2機で、60~80キロ圏内を文科省が民間ヘリ1機で観測調査したそうです。
搭載した放射線計測器で約150~700メートルの上空から、半減期が約30年のセシウム137や、約2年のセシウム134の蓄積量を調べたそうです。

http://www.asahi.com/national/update/0506/TKY201105060286.html

原発から北西方向に300万~1470万ベクレル/㎡の汚染地域が帯状に広がっており、深刻な状況です。

それで上記「地表汚染マップ」の数値を見ると郡山市など半径60~80kmの範囲でも30万Bqを超える所がありました。
1㎡当たりです。1平方センチ当たりにすると30Bqです。
ホウレン草なら一株を真上から見て15×15cmくらいはあるでしょうから225平方センチとして、一株300g程度ですから、1kgの面積は750平方センチくらいで、これに30かけるとキロ当たり22500Bqとなり、暫定基準値の45倍です。

3/19日に日立市で出荷停止になったほうれん草は14500Bqでした。

3月24日にツィッターへ「可能な限り遠くへ避難を!!」と書き込んで、郡山市の農家の方から「そういう言葉が風評被害にも繋がると思ってます。きちんと状況を把握してから書いて欲しいです。」と言うお叱りを受けましたが、この時点で既に茨城県日立市や高萩市でこのくらいの値が出ていたので、郡山市辺りは明らかに基準値を超えていたと思います。
しかし5月6日まで「地表汚染マップ」のような実測値が発表されていなかったのですから、郡山市の農家の方は放射線や原発事故に対する認識が低かった事は間違いないとしても、悪意はなかったのかもしれません。
何しろテレビニュースなどでは「安全です」を連呼していたわけですから、本当に「風評被害」と思っておられる方も少なくなかったでしょう。

5月12日には、 神奈川県南足柄市の茶葉から暫定規制値(500Bq/kg)を超える570Bqの放射性セシウムが検出され驚きました。
どうして350km以上も離れている場所で突然出たのだろうと不思議に思いました。
計測ミスを疑いましたが、念のために資料を探すと・・・・

この画像はSPEEDIのデータから作られたものです。
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/05/10/1305799_0325.pdf#search='ヨウ素131 表面沈着量'
イメージ 1

実測値ではなくシステムの予測値だそうです。データは原子力安全委員会が3月23日に公表したもののようです。
分かりやすいように画像の配色に手を加えました。
複製禁止と書いてなかったので拝借しました。(上記の「地表汚染マップ」の方は「無断転載・複製を禁じます」と書いてありました。本当に国民の安全ために情報公開する気はないのかもしれません)
計算値ではあるとしてもかなり実測値に近いものと思われます。必ずしも原発に近いところが数値が高いわけではないことが分かりますし、こうして見るともし風向きが逆だったら首都圏を直撃していた事も分かります。
黄色い部分でさえ10万~100万Bq/cm2ですから、上記のほうれん草と同じ計算をすればやはりはるかに暫定基準値を超える事が考えられます。

これらのデータはより分かりやすい形でテレビなどの一般的なメディアで発生直後に公表されなければならなかったのではないかと思います。

但し実際の個々の野菜については栽培条件や出荷前の洗浄などにより値は異なるでしょうから、食べれる食べれないは実測値を確かめなければ分かりません。
ここで言いたいのは、どこの野菜が危ないとか危なくないとかいう話ではありません。
危ないか危なくないかはあくまでも信頼の置ける検査が行われているかどうかと言う問題です。(当然のことながら未検査のものは問題外です)

それ以前に原子力の持つ「隠蔽性」について考えたいと思うのです。

と言うのは東京電力が5月12日に福島第一原発1号機でメルトダウンが起こっていた事を認めたわけですが、私が非常に驚いたのはその事自体ではないからなのです。

私が驚いたのは、5月11日に天皇皇后両陛下が福島県へ行幸啓あそばされた、と言う事です。

このような事を引き合いに出させていただいては大変に恐れ多いことではありますが、メルトダウンという深刻な事態が発覚する前日に原発から半径45キロ以内にお入りになるなどということが有り得るでしょうか?

どう理解すればよいのでしょう?
政府も宮内庁も本当に安全だと思っていたと言う事でしょうか?
それとも、メルトダウンははるか前に起こり、それは分かっていたが公表されておらず、既に深刻な状況を脱していた、と言うことでしょうか?
それとも、政府は全く分かっておらず、東電が隠していたのでしょうか?

いずれにしてもひとたび原発で事故が起こったら正確な情報など得られない、と言う事ではないでしょうか?

以下の理由で核施設は余りにも情報公開されにくい性格を持ち過ぎていると考えられるのではないでしょうか。


1.軍事機密である。

原発事故との直接の関連は不明ですが、オバマ大統領は大慌てでビンラディンを殺害しました。
今回の福島第一原発の事故は、どこにどのようなテロ攻撃を加えれば大きなダメージを蒙るかを実例で示したようなものです。
「テレビタックル」で原口元総務大臣ははっきりと「軍事機密」だから迅速に手を打てない、と言う意味の発言をなさっていました。


2.反対者が多い

広島、長崎の原爆被害、チェルノブイリの事故、全ての実態が明らかにはされていないと思いますが、危険を正確に伝えれば、とても原発など建設できないでしょう。
地元にはいい話ばかりが伝えられていたようですし、「絶対安全」といって作った原発ですから、非常時に備えて避難訓練をしましょう、とは言えないでしょう。
つまり、もともと「心配はありません」としか言いようのないものなのだと思えます。

3.容易に検証できない

他の毒物や化学物質のように一般の研究施設などで容易に研究できません。
安全であると言う学説を検証できるのは限られた研究施設だけです。
検証できない以上反論する事もできません。
限られた施設からの研究発表だけでその学説を信用してよいのなら、中国へ行けば癌や難病が治る漢方薬がいくらでもある、ということになります。多くの論文が発表されていますが、どうして日本の病院で漢方薬で治さないのでしょう?
つまり日本の研究者からは、これらの論文は一般性がないと考えられているわけで、特定の施設内でしか捉えられない現象には信憑性がない、と言うことでしょう。
国の政策と費用で研究させてもらっていた偉い学者さん達が、事故が起こったからといって今まで安全安全と言って来た自説を変えることは出来ないでしょう。
彼らは初めからテレビなどに出て「安全」以外を言えない様に飼いならされた人たちではないでしょうか。


4.大きな利権が絡んでいる

いまさら言うまでも有りませんね。

やはり原子力は危ないと考えざるを得ません。
放射性物質そのものの危険性は言うまでもないのですが、更にそれを取り巻く環境が危なすぎます。

先般のMDMA事件を思い出します。
不倫がバレるから救急車を呼べない。
有名人だからスキャンダルを表に出せない。
違法薬物乱用だからバレたらヤバイ。
発覚したら大きな不利益があるから隠蔽する。

普通に友人と食事でもしていただけだったら、危険な容態に陥っても救急車を呼ばないと言う事はないでしょう。

人命を最大限に尊重する為には、隠蔽と利権はマイナス要因です。
正直に公開しましょう。などとモラルに訴えるのでは無理な事は明らかですし、法規制してさえ全容が明らかになるかどうかは疑問です。
初めから情報公開が容易な技術を情報公開が容易な環境で開発するべきでしょう。

もともと情報公開が難しい技術を国のエネルギー政策の中心に据える事は大きなそして余り賢くない博打ではないでしょうか?
しかも、既に大金をスッてしまっているのです。
引き続きバクチを打ち続けなければならない理由は???