塾業界は万年人手不足です。評判のよい講師や実績を出せる講師は簡単に塾を変わります。変わった先でも基本的には自分のスキルを転用するだけなので会社を変わることにさほどストレスを感じません。
中堅規模の塾の方が給料は多いです。大手では本部機構が代行してくれていた初雑用も全部自分たちでやらなければならないので嫌がる人はいますが、基本はウデさえあればどこの塾でもそれなりにやっていけるのが塾講師です。
美容師と似ているかなと思います。
手に職がある会社員と考えて貰えればいいかなと。
ウデのある方(校舎のアンケートなどで1位取れる程度)なら、一つの塾に我慢して居続ける必要はない業界です。
これを保護者ご自身の会社員生活と同様に考えて、こっちは客なんだからと上司のように指図する方、学校の先生に文句を言うノリであれこれと電話をする方がいます。こんな保護者に対してはいつも思うのですが「子供がかわいそうだな」の一言につきます。
ほとんどの塾講師はいわゆる「うざい」親の子供には距離を取ります。明確にいじめるとかはしませんが、例えば宿題をやってこなくとも厳しく注意はしません。「ダメじゃないか約束を守らなきゃ。」ぐらいのことも言うでしょうが、それ以上は踏み込みません。
保護者にも報告はしません。関わりたくないわけですから。下手に電話して、「宿題すらまともにやらせられないのか、上司に報告するぞ」といったクレームや説教を受けたくないですよね。時間取られますし。
また、学校の先生と間違えてるのでは?という「じゃあ、先生の方で面倒見てやらせてください」といった過剰な要求をしてくる方もいます。だから面倒な親の子供は放って置くんです。
結果、本人は宿題をしなくなります。それでもなにも言いません。保護者の方から電話があると「しばらく様子を見ていたんです」と言えばいいだけの話です。
授業中もその子の定着は気にしなくなります。クラスが変わるかやめるかすればその保護者と関わらなくてすむので気にかけなくなります。それで、何か大事になる(ほとんどはならない)ならやめてしまおうという動きを取ります。「宿題は家でやるから宿という字を使っているわけです。家にいる間の監督責任は親です。」極論すると塾講師に宿題をやらせる義務はありません。宿題をやらそうとしている先生は親切で家庭に協力をしているだけです。
そうです。
保護者と講師の関係性がうまくいっていない生徒はだいたいの場合成績が下がり続けます。でクラス変更のタイミングでクラスダウンになるかこんな成績ならやめた方がいいという数字をとってやめていくかです。
塾講師の大半が版で押したように同じような行動を取ります。希に熱血タイプの先生がいて保護者の方と激しい意見交換などをしようとする場合がありますが、これは責任者が止めて、前述のような動きを促します。
責任者としては保護者と部下がトラブルを起こしたということの方が責任問題になるので、放置してくれる方が助かるというわけです。
料金を支払う人とサービスを受ける人が異なるビジネスである塾業界ならではのことかなと思っています。学校の先生ではないので関わりたくない生徒や保護者とは距離をとるのは仕方がないのかもしれません。
私も若い頃に上司から「あそこの親はまともじゃないんだからまともに相手にするな。子供を視界に入れなければそのうち辞める。」と言われたことがあります。
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