ゴーストトリックで遊んでみた | バーチャルコンソールクエスト

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ゆるゆるゲームブログ

珍しくクリア後の感想文ですよw
それでは


ゴーストトリックというのは…
どんなゲーム?
ちょっと説明書見てくる。

ふむふむ、なるほど…


ゴーストトリックについて最初に言える事。


説明書読まなくてもクリアできたよw


本作はタッチペンオンリーでもボタンオンリーでも遊べます。
もちろん併用も。
僕は最初タッチペンのみでやってて
ボタン操作が出来るって後から知ったんですけどねw
とにかく操作は説明書入らず。
ゲーム進めて行く過程できちんと覚えられます。
これ意外に重要。
最近はルールの複雑さ、インターフェイスの複雑さを、
丁寧なチュートリアルでフォローしようという良心的な作品も増えましたが
チュートリアルが丁寧すぎて大ボリューム、
チュートリアルが終わる前にうんざりで積んでしまう。
なことも少なくなく…
やっぱゲームはチュートリアルは極力少なめで
(理想を言えばチュートリアルなんかなくても)
直感で遊びこなせるように配慮すべきだよな。
と常々思っているので
巧みなテキストで簡潔に遊び方を指南してくれた
ゴーストトリックはなかなかよく出来てるんじゃないかと思います。


さてさて、説明書なしでもすんなり遊べちゃうよw
な話はこの位にして、ゴーストトリックとはなんぞや?行きましょう。


パッケージのジャンルはミステリーと書いてあり、
パケ裏の説明も

失われた生命(イノチ)と記憶(キオク)をめぐる一夜の物語
この世に存在しない“タマシイ"が自らの謎を追う新感覚ミステリー!

とあるのでジャンルはミステリーのようですwww
どんなゲームでもそうですが
パケ裏のジャンル説明はあくまでも目安なんでね。
どんなものかは遊んでたしかめるとしよう。


ゲームの冒頭で、主人公は死んでいます。
死者として、魂のみの存在となった主人公。
死んでしまったショックからでしょうか、彼には記憶がありません。
彼は何者で、何故死んでしまったのか。
説明にある通り、失われた命と記憶をたどる物語であります。
プレイヤーはこの物語を読み進めていくわけですが
そこはそれ、小説でも漫画でも映画やアニメでもなく本作はゲームであります。
他の娯楽になくてゲームにあるものといったらフラグ立てでしょうwww
ゴーストトリックはそこがちょっとユニークです。
物語を進める上で、主人公は多くの死の場面に出くわすことになります。
そして、自分が何者かを突き止めるためには、その死を回避する必要がある。
ここで活きてくるのが、主人公が死んでしまった魂の存在であるということ。
魂の存在である主人公には二つの能力がありまして、
ひとつはものにとりつくことができる能力。
とりついたものによっては動かすこともできます。
そしてもう一つの能力は、死んでいる生き物にとりついた場合に発揮されます。
死んで時間が経ってないものにトリツクと、
そのものの死の直後から4分前に戻ることが出来るのです。
ということでこの能力を使い、死を回避すべく奮闘するのが
この作品の、ゲームとしてのキモの部分ですね。
具体的にどんなことをするかというと、死へといざなうピタゴラ装置を
うまく干渉してそうならないように軌道修正するゲームですね。
えー、ビデオゲームでのピタゴラ装置はインクレティブマシーンと呼ばれてますが
舞台を整えるのが目的のインクレマシンとは違って
あくまでも動いてる装置を特定のタイミングで干渉して
軌道修正するのが目的なのでインクレマシン風味のアクションパズル。
といった感じです。
そういえばカプコンは昔魔界村のインクレゲー出してたな。
意外にあの経験が活きているのかもしれないw
それでもインクレっぽく仕上がってますので
仕掛けを上手いこと作動させてクリアした時には
あのゲーム特有の、目で楽しむ楽しさと仕掛けを作動させた楽しさが楽しめます。
これはなかなか楽しいね。
ただ、難点もありまして、インクレゲーは基本トライ&エラーで試行錯誤して楽しむゲーム。
ゆえに、けっこう忍耐力が要求されます。
ついでに閃かないと解法が分からないので途方に暮れる恐れもあり
トライ&エラー前提のシステムですがストーリーも同時進行するため
早送りすることもできず、タイミング勝負の仕掛けも多くて結構慌てますね。
あと、序盤から中盤の仕掛けが意外に難しい。
多分、後半はこっちもゲームに慣れてきてコツをつかんでることと
盛り上がってるストーリーの妨げにならないよう仕掛けがコンパクトなせいだろうなあ。
ガチンコなインクレゲーに比べると全然やさしい部類なんですけど
けっこう人を選ぶかもしれません。

こんな感じでゲーム部分は面白くもあるが難ありでありますが
ストーリーの方はというとこれが素晴らしいのひとこと。
序盤でちりばめられた伏線を、一気に、半ば強引に、でもとても気持ちよく
とにかく見事に回収してまとめてくれます。
お話はほんと素晴らしい。
ストーリー中盤から盛り上がって後半に行くあたりでは
「もうゲームはいらんよな。はよストーリー読み進めたいよ」
とさえ思ったwww
とにかく面白かった。

そして、エンディング。
こころがほっこり暖かくなる、なんとも素敵なエンディング。
そして思った。
この面白さは、やっぱりゲームならではだ、と。
終わってみると、トリツクゲームはよく考えられたシステムでした。
ゲームそのものはもちょっと遊びやすく調整できたのではとも思いましたが
ストーリーを支えるという意味においては良く出来てると思った。
インクレゲームの多くの目的は、死を回避すること。
4分前の時間に戻って、過去を改変する事。
この4分間は、何度でもやり直すことが出来る…
答えが見つからなければ、またやり直せる。
そしてこの世界では、きちんと過去は書きかえられる。

オカリン、この世界はタイムリープでも過去改変できるみたいだよーw
(まゆしぃ風)

と、ちょっとシュタインズゲートなネタ混ぜてみましたが
ゴーストトリックの主人公の能力は、まぎれもなくタイムリープ。
オカルトな主人公のミステリーだと思ってたら
なんとまあオカルトでSFなミステリーでしたよwww
マダオのストライクゾーン直撃過ぎwwwww

さらに、核となるゲームをトライ&エラー必須なインクレ風味に仕上げてるところに感心。
そうだな、単純にリセットしてやり直し、ではない。
4分前に戻って過去をやり直してる。
過去を変えようと奮闘している。
と考えると、シュタインズゲートの岡部倫太郎の姿が頭をよぎりまして
彼と同じことを、僕は今この手でやってきたのかもしれんなあ。
と、ちょっと感慨深げにタッチペンを眺めたりしました。
ゲームって面白いなあ。


とまあ、終わってみれば大満足。
現在2回目のプレイを楽しんでおります。
2回目もめちゃくちゃ楽しいですよ。
結末を知ってるからこそ見えてくる部分がいろいろありますしね。
ゲームの部分もあれこれ悩まずに出来るんで、純粋に物語を楽しめてます。
そしてそして、あの素晴らしいグラフィックと音楽も楽しんでおります。
本作はフラットなドット絵による凝りに凝ったアニメーションが楽しめるんですが
これがもうほんとに、凝りに凝ってて凄い。
カバネラ警部の動きなんかは分かりやすい方ですが
その他の些細な小道具の動きとってもこだわりっぷりが凄まじい。
絵と、その動きと、BGMと、効果音が
ここしかない!
というタイミングでピシャリハマってて凄い。
またテキストの巧みさは二回目でも唸る。
ゲーム部分のささやかなヒントや、手詰まりを感じさせる一言もいい。
一本道なんで一回終わったらそれっきり。
と思った若者もいるであろうがフフフ。
まだまだ青いな。
こういうゲームこそ一生ものの作品ですよ。
大人になれば分かる、ひとつのゲームに何百時間も費やせる時間はそう何度もないことを。
マルチエンディングの周回プレイが単なる時間稼ぎ、
もしくは萌えグッズを沢山売るための仕掛けでしかないことを。
(そうではない名作も当然あるけどねw)
ゴーストトリックは、ひとつの完成された映画のようです。
いや、演出方法なんかから観ると演劇のようだと言った方がいいかな。
こういう作品は、マンガや小説を何度も読み直すように
好きな映画を何度も観直すように、何度も遊びなおすことができる。
何度見ても面白いし、観る側の気分で思わぬ発見があることも少なくない。
要はこちら次第で、いかようにも楽しめる。
時間的なボリュームなんていい。
心に残る、たしかな面白さがあればそれで十分。
これはほんとに、少なくとも僕にとっては一生ものの作品になると思います。
出会えてホントに良かったなw
今年遊んだ中では間違いなく一番の面白さ。
今年の後半戦はこれを超える作品が現れるかどうかが勝負だな。


以上、ゴーストトリックで遊んでみたでした。
2008年のカセキホリダーといい、2009年のシュタゲといい
タイムトラベルものはアタリ引く確率高いなあ。
そういえば、ゴーストトリックのクリア後の余韻は
ハインラインが時間をテーマに書いた傑作・夏への扉の読後感にも似ていたなw
とにかく素晴らしい作品でした。
ゲームも嗜好品ゆえ、合わない人も間違いなくいるとは思いますけど
僕としてはこういう出会いはそうないので
出来れば多くの人に遊んでもらいたいなと思います。
まだ遊んでない方は是非是非。