かなめもが終わって | バーチャルコンソールクエスト

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ゆるゆるゲームブログ

かなめものラスト2話がほんとに素晴らしかった。
始まった当初は女の子だらけの新聞専売所で巻き起こる出来事の数々に唖然としたというか
終始百合百合モード全開ユメとユーキに
7歳から15歳の少女限定という完全に犯罪レベルのロリコン思考を
隠すどころか全面に押し出して暴れまくったはるかさんなど
いろいろ色眼鏡で見られるであろう百合要素を
咲のように続きは二次創作で、と含みを持たせてやるわけでもなくw
青い花のように百合に対する世間の対応を踏まえつつ真正面から誠実に向き合う訳でもなく
色眼鏡上等!!!とばかりに完全にネタとしてやり倒すその姿勢に面食らった訳ですが
回が進むにつれ、オタ受け満載な要素の裏に見え隠れする影の部分が気になるようになりまして。
主人公・仲町かなが抱える孤独と不安の部分。
これが恐ろしく深い。
これはちょっと百合とかロリとかオタとかで誤魔化しているが
そこに目を奪われすぎると完全に足元すくわれるぞ。
こころして観なければ。
と思いつつ観て迎えたラスト2話。
それまで散々やってたネタ要素がうそのように落ち着き
しっかりと、仲町かなを見据えて描ききりやがった!!!!
久々に最終回で震えました。


さあ、この感動をどう伝えようか。
と火曜の朝からいろいろ考えてましたら…


『けいおん!』は“仲間”を描き、『かなめも』は“孤独”を描いた
(やまなしなひび-Diary SIDE-)

うちからもブックマークしてるやまなしレイさんが見事に書ききってしまわれたorz
いやいやいや、素晴らしい感想でした。
なにより驚いたのはけいおん!と比較しつつ
僕がどうしてもけいおん!が好きになれなかった理由までもが書いてあった事。
いやあまりのシンクロ率の高さに驚いた。
そして表面的でない、かなめもの本質をちゃんと見てる人が他にもいたんだと
大変うれしくなりました。
やまなしさん、よかったですよ、泣けました。


あんまし他人のふんどしで相撲とってばかりもあれなんで
ぼくなりのまとめもしとくか。

かなめもの主人公・仲町かなは
自分の唯一の肉親であるおばあちゃんの死によって天涯孤独のみとなり
しかたなく風新新聞の専売所で働きながら学校に通う事になります。
まあ、この設定自体は、ね。
普通中学生だったら親戚とか、施設とか、他にいろいろ手段があるだろうと
つっこみどころ満載なんですが、描きたいのはそう言う所ではないからね。
ここはご都合主義でw
かなちゃんが孤独を抱くきっかけは、おばあちゃんの死により天涯孤独の身になること。
という極端なものであります。
が、10代に言いようの無い不安と孤独を抱く事はけっこう身近にあると思います。
例えばそう、青春を謳歌してる友人達とか。
彼らは眩しい。
が、自分はどうだろう?
そう思うと言いようのない不安と孤独に苛まれるんじゃないでしょうか。
実際僕はそうでした。
特に中学時代は酷かったなあ。
おかげで不眠症だったしね。
でもおかげでエンドレスゲームモードでゲーム経験値は相当上がりましたがwww
あの当時ネトゲがあったら廃人コースまっしぐらだったろうなあ。
なくてよかったw

ここにけいおん!が好きになれない理由があったりするんですけどね。
けいおん!だけじゃないな。
ROOKIESだとか、とらドラ!だとか。
上記3作品どれも大好きな作品なんですが
でもどうしても好きだと言い切れない自分がいます。
昔を思い出し、自分を重ね泣ける人も多いかと思いますが
ぼくはその真逆で、物語には大いに感情移入して涙するも
自分が過ごした時間とのギャップの大きさ
そしてこの作品達に心底感動出来る人たちがいるという事実に
絶望してしまう自分がいるのです。
もう戻らない時間に対して、言いようのない後悔と孤独が伴うのです。
いやもうとらドラ!の後半の熱さと切なさとか素晴らしすぎて最悪です!!!
また観たいけど観ると世を儚んで死にたくなるからもう二度と観ないわwww


ところがかなめもは、その孤独は一生拭えないんだから
それはそれとして一生つき合っていくしかないんじゃない。
と物語を締めくくったのであります。

特に、12話Bパートでのマリモ姉さんとかなのやりとり、
マリモ姉さんが歌った島崎藤村作詞・大中虎二作曲の『椰子の実』に対する二人の解釈の違い
捉え方次第で影の部分もどうにかやり過ごすことができるということを
さらっとやっちゃったとことか心底痺れた。

重ねて言っちゃおう。
かなめもは言い切りました。
エヴァのようにありがとう、おめでとうと肯定したところで影は消えませんよ。
(えーっと、エヴァTV版エンドに関しては肯定派なんですがここはあえて浅く解釈)
ならば一度抱いてしまった心の孤独と不安は
それはそれとして一生抱えて生きてくしかない、と。
恐ろしいよかなめも!でもその通りだよかなめも!

僕も形は違いますが、なんともいえない不安と孤独を抱えて生きております。
こんなこというと相方や子供に怒られそうですが
結婚すれば、子供が生まれればその孤独が埋まるのではと思っていましたが
そんなことはない。
一度抱いてしまった孤独はどうやら一生埋まらないもののようです。
そんな感情と無縁のひともいるでしょうけど
そんな気持ちと戦い続ける人もいる。
世の中の多くは、かならず希望に満ちた世界はあるというメッセージを
送ってるような気がしますがそんなことはない。
世の中にはどうしても埋まらないものがあります。
それでも時間は過ぎていきます。
ならばそこにこだわって不安に震えたり無理して肯定するでもなく
そこを抱えて、自分に折り合いつけて生きるしかないんじゃないでしょうか。


かなはそれでもいいといってるようであります。
おばあちゃんがいなくなった日の、白紙の日記を眺めながら。
だいじょうブイと指でなぞりながら。

そう、だいじょうブイであります。
孤独は埋まりません。
が、違う喜びがあるかもしれない。
だから、時には激しく落ち込んだりもするけど
それでも前を見ていこうと。


下手に、青春を謳歌せよ!!!
がんばればきっと未来は開ける。
と言われるより、僕にははるかに現実味があって共感出来た。
泣けた。
不安に苛まれる事無く素直に泣けました。
そだな、不安や孤独は永遠に付きまとうけど
希望溢れる子供達を見てると
それはそれとしてまずは日々頑張っていこうと思えます。


ここまでマイナス思考を冷静に肯定してくれた作品もないんじゃないかなあ。
いやほんとかなめもよかったです。
原作がどんなものか知らないけれど、アニメ版かなめもはここで完結でいいです。
2期とかなしの方向で。
最高にいい締めくくりだったんだから。
引き合いに出す作品のチョイスがおかしいですが
せっかくうまくしまった作品が続編で辱められた
ガンスリンガーガールのようになる恐れもあるんでここで終わりでいいんじゃないでしょうか。
終わりでお願いします。


それにしてもシリーズ構成、そして本作の核心となった12&13話のシナリオを担当した
中瀬理香さんの仕事は素晴らしかったです。
銀魂に戦場のヴァルキュリアといろんなところで大活躍中の
横手美智子さんもかなめものシナリオに参加してたけど
出来が全然違いましたなw
つーか横手美智子さん担当の5話は地上波では問題あったようでていろいろカットされちゃったし。
あれ、銀魂だったらオッケーでしたでしょうかwwwww
ラスト2話も良かったけど最初に度肝を抜かれた、そして一番のお気に入りは
4話の新聞拡張ミュージカルですw
このシーンでかなめもは侮れんと思ったマダオであった。
つーか4話のエンディングでシナリオと絵コンテメモして速攻ググったよwww


以上、かなめも絶賛記事でした。
多分、深読みしすぎですwwwww
もちょっとゆるく楽しむ事もできるんで、機会があればお気楽に是非。