スターフォースで遊んでみた(レビュー63) | バーチャルコンソールクエスト

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不定期でお送りしていますバーチャルコンソールレビュー。
63回目の今回はバーチャルコンソールアーケードのスターフォースをお送りします。
それでは


スターフォースはテーカンが1984年に発売したシューティングゲームです。

テーカンってのはテクモの前の会社名で85年まではテーカン。
元ゲーセン野郎共には周知の事実かと思いますがじゃあどの辺からテクモ?
と聞かれると以外によく分からなかったりしますよね。
ということでテーカンとテクモの境はというと
トラックボール操作でCKからのバナナシュートやオーバーヘッド等
キャプテン翼のようなスーパープレイが出来るとあって大人気となり
コンパネとトラックボールの間に手のひらを挟み込む人続出だった
テーカンワールドカップがテーカン最後にしてテクモ最初のゲームですね。
えー、どういうことかというと、作品自体は85年に完成してた模様で
作品自体はテーカンワールドカップとなってるのですが
86年1月にテクモと変更してから発売されたのでテクモ初ということになります。

会社名にまつわる小ネタはこれぐらいにして。

スターフォースは縦スクロールのシューティングゲームです。
世間的にはテーカンのスターフォースよりも
ファミコンで登場し、高橋名人の16連射と共に大ブレイクしたハドソン移植の
スターフォースが有名だろうなあ。
しかし元祖はこちらです。

ファミコン版はかなり忠実な移植なんですが
ゲーセンの縦スクロールシューティングというのはディスプレイ縦画面が基本で
テレビとは縦横比が違うためどうしても細かいプレイ感覚が違っちゃうんですよね。
最近のものはサイドパネルつけてオリジナルの比率を再現してますが
昔は無理矢理テレビサイズにしてましたなあw
でもあれはあれで慣れるとちゃんと遊べるので面白かったよ。

最近のテレビは16:9と更に横長になってしまいましたので
VC版なんかサイドパネル、さらにもう一枚、みたいなことになっちゃいますがw
それでも縦長の画面で遊べるのはうれしいですね。


スターフォースは8方向レバーにショットボタンのみという
シューティングとしては非常にシンプルな作りであります。
空の敵も地上の敵もショットひとつでバリバリ撃破していく爽快さが売りであります。

ステージは長い長いマップがあって最後までいくとループだったかな。
本作にもボスがいまして、通常縦シューのボスというのは
エリアの節目節目の、決まったタイミングで登場するもんなんですが
スターフォースはちょっと変ってて
敵を一定数撃破すると登場する仕組みになっています。
それにボスっつっても今時の奴のように芸術的弾幕の雨あられのような
ヘタレシューターには太刀打ち出来ないものではなく
むしろ雑魚より弱いですし
ボス破壊後は、それまでに倒したボーナスターゲット数に応じて
ボーナスが追加されますのでボーナスステージ的なボスだったりしますね。
とにかく沢山倒せば倒すほどボスもどんどん登場してスコアもガンガン稼げるので
撃って撃って撃ちまくれ、これぞシューティングゲームであります。


さてさて、スターフォースといえば、数々の隠しターゲット、隠しボーナス。
ステージの至る所に隠されたボーナスターゲットに
中ボスを合体前に撃破すると得られるシークレットボーナス等は
のちのシューティングに多大なる影響を与えてます。
そしてステージ後半の象形文字の謎を解明し見つけ出した隠しターゲット。
こいつを破壊すると100万点という謎に見合うだけの太っ腹っぷりでしたね。
とこんな感じで、シューティングの発展に数々の功績を残した偉大なる作品。
ではあるんですが、実はこの隠し要素の数々は
ある作品からヒントを得て盛り込まれたんじゃないかと僕は推測します。
そのある作品というのは82年に登場し
シューティングゲームに革命を起こしたといっても過言ではない
ナムコの名作・ゼビウスであります。
ゼビウスは隠しターゲットのソルにスペシャルフラッグと
シューティングにおける隠しキャラ・隠しボーナスの元祖と言ってもいい存在で
以降80年代のシューティングの多くはこいつの影響下にあるといってもいい状況でしたが
スターフォースにはその影を色濃く見る事が出来ます。
それは隠しターゲットのみならず、ゼビウスにまつわる都市伝説の数々。
有名どころではゼビウスに登場する破壊不能な板状の空中物・バキュラに
256発ショットを当てると壊せて何万点も貰えるという噂。
もちろん実際に壊せる事はないんですがバキュラを壊せるという噂は
全国的に広まってますよね。
他にもナスカの地上絵には秘密があるとか地上物を一定パターンで壊すとボーナスとか
ありもしない噂・都市伝説を数多く生んだゼビウス。
たしかに映像自体が当時の技術レベルを考えると別次元の出来でしたし
謎を生むような世界観でしたのであれなんですが
それにしてもいろいろ言われてたよなあ。
ちょうど80年代前半というのはUFOとかUMAとか超常現象なんかを扱った
書籍が大流行りだった時代だったのでその辺の影響もあるんだろうなあ。
まあとにかく、いろいろありもしない伝説を生み出したゼビウスなんですが
その都市伝説を、実際にゲームに盛り込んだのがスターフォースではなかろうかと思うのです。
バキュラ伝説をヒントに中ボスのシークレットボーナス。
ナスカの地上絵に謎あり伝説をヒントに100万点ボーナス、みたいな。
他隠しターゲットやこだわりにこだわった雑魚の編隊飛行など
もうリスペクトゼビウスすぎるにもほどがあるよwwwww
と20数年ぶりにオリジナルで遊んでみて僕は思いました。
当時はさほど気にしてなかったけど
これ間違いなくゼビウスLOVE、もしくは打倒ゼビウスだよねwww


他にもハドソン移植のファミコン版がスペックで劣ってるにも拘らず
いかに忠実な移植だったかとか
今の雑魚と違って特攻上等で自ら自機に突っ込んでくる敵編隊に恐れおののいたりしつつ
昔は敵機も打ち返し弾の一部みたいなもんだったよなあとか
いろいろ忘れていたものを思い出しました。
いやあ、遊び直してみるもんだ。
ただただ名作だと思っていた作品ですが
シューティング史でみるとけっこういろいろ発見があっておもしろいですなあ。
こうやっていろんなゲームで遊んでみると
今のゲーム事情はどうやって生み出されたか、なんてところまで見えてくるかもしれませんね。
そういった楽しみ方も面白い。
一本一本が刺激し合う関係。
アーケード黎明期の作品はそれぞれが発明品のようでありますが
意外な所でお互いを意識して生まれて来た作品であるということもよく分かります。
ちょっと意地悪な言い方をすると
パクリパクられの世界でありますが
それがあったからゲームは急速に進化したんだろうなあ。
そんなことも思ったりしました。

昔懐かしのゲーム、ただただスコアを競うだけのゲームですが
そこには先人達の知恵がぎゅっと詰め込まれていています。
そしてその知恵がどのあたりから来たのか推測して楽しむ。
いやいや、ほんと面白いなあ。
長くゲームやって来てほんとによかったと思える瞬間でした。


スターフォース
アーケードタイトル:テクモ:2009年3月26日配信開始
DLに必要なニンテンドーポイント:800


僕のおすすめ度  90%