不定期でお送りしていますバーチャルコンソールレビュー。
55回目の今回はファミコンのドラゴンバスターをお送りします。
それでは
ドラゴンバスターはナムコが発売したアクションゲームです。
アクションRPGの先駆けといってもいいかな。
最初に登場したのはアーケード版で1985年1月頃稼働開始。
そしてその2年後、1987年にファミコンへ移植されました。
ゲーム内容はドラゴンにさらわれたお姫様を助けるという
ヒロイックファンタジーの典型のような内容。
あくまでも僕の想像ですが
「ちょっとダンジョンズ&ドラゴンズのようなアクションゲーム作ろうぜ」
みたいなノリで作っちゃったゲームではないかとwww
だってほら、山に行くか墓場に行くかといったルート分岐の部分なんか
テーブルトークRPGのリプレイ本のようじゃありませんかw
1985年といえば僕は中三でしたが
ファンタジー小説やテーブルトークRPGが流行り出した頃ですもんね。
タイミング的にもばっちりだったような気がします。
当然ゲーセンでも大人気の作品となりました。
ファミコン版ドラゴンバスターといえばゴールドカートリッジ。
でもただの金メッキだから今は黒くて汚いカートリッジになってるだろうなあwww
いやいやいやいや、そんなことではなくて。
ファミコン版ドラゴンバスターといえば
好移植か劣化移植か友達といろいろ言い合ってた作品であります。
当時の中古屋さんの価格はけっこう低めだったから
(福岡では2000円以下でよく見かけました)
全体的にはイマイチな評価だったのかなあ。
僕なんかゲーセンで育った世代なので
アーケード版ドラバスも知ってて当然なんでありますが
オリジナルなんか知らねえよ、という世代もいらっしゃる事でしょう。
ということで知らない人の為に
アーケードとファミコン版がどれくらい違うか比べてみましょう。
最初は操作系から。
アーケード版は4方向レバーに攻撃と魔法の2ボタン仕様。
4方向レバーってなんね?
な方も少なくないだろうなあ。
4方向レバーっていうのは文字通り4方向にしか反応しないレバーであります。
上下左右のみ。
そんな時代がありました
画面固定シューティングなんて2方向ですよ。
スペースインベーダーのアップライト筐体なんか
レバーですらありませんでしたね、ボタンですよボタン、移動ボタン。
コンパネには3つのボタンが並んでるのみ。
(しかも押しにくいw)
そんな時代を経て現在があるのですwww
アーケード版ドラバスは上方向でジャンプでしたな。
そしてジャンプ中にもう一回上に入れると2段ジャンプ可能。
現在アクションゲームから格闘ゲームまで当たり前のように実装されている
2段ジャンプの祖はドラゴンバスターであります。
そしてドラゴンバスターの操作で特徴的なのは
このジャンプとの組み合わせで変化する攻撃方法。
ジャンプ中に攻撃で兜割り、2段ジャンプ中に攻撃ボタンで垂直斬りという
通常攻撃より強力な攻撃が可能であります。
このコマンド入力方式っぽい技も発明でしたね。
ちょうど、ほんとちょうど同時期、
1985年1月に登場したコナミのイー・アル・カンフーも
方向キー+ボタンのコマンド入力方式を採用していましたね。
どうしてだろうなあ、とちょっと考えてみますと
1984年に4方向スティック×2という特殊コンパネで登場した
データイーストの空手道がやっぱりコマンド入力方式の祖と呼べる作品が登場していて
空手道が蒔いた種が、翌年各社から芽吹いたのかもしれませんね。
また、黎明期から発展期に移行しつつあるゲーム業界でしたから
同じアイデアが同時多発的に出てくる環境があったのかもしれませんね。
ファミコン版は操作系がちょっと変ります。
十字キー+2ボタンは変らないんですが
魔法ボタンが、ジャンプボタンに変更。
これけっこう大っきくてですね。
個人的には難易度がぐっと下がった印象であります。
ゲームがヘタクソだった僕には、4方向レバーは正直しんどかったですw
ボタンになったことで移動しながらの2段ジャンプや
兜割りのタイミングが取りやすくなった印象。
無くなってしまった魔法ボタンは、下+ジャンプボタンで発動するようになりました。
ここはそんなに影響なかったかな。
移動しながらジャンプできる利便性の方が勝ってた印象であります。
操作はこんな感じで変更されてましたが
ゲームの基本システムはわりと忠実な移植。
チェックポイントとなるダンジョンがあり
その中のガードモンスターと闘い
ドラゴンの棲む山まで生き抜いて
ドラゴンと一騎打ち。
この繰り返しであります。
でも内容は若干違いまして
ファミコン版はアイテム数が増えてたり、
セリア姫は全12ステージクリアしないと救出出来なかったりと
じっくり遊んでもらえるような仕様に。
あと登場モンスターも若干違いがありますね。
これは容量のせいだったり、じっくり遊べるプレイヤーを困らせるための変更だったりと
いろいろ理由が考えられそうですが、それぞれ味のあるモンスター達であります。
まあ色々書いてまいりましたが
百聞は一見に如かず
ということで今回は動画は貼りますんで
実際に見比べてみましょう。
アーケード版ドラゴンバスター
NES(海外ファミコン)版ドラゴンバスター
共にナイスプレー動画揃えてみました。
特にNES版の方は超絶過ぎてお口あんぐり。
28分ちょっとの完全試合であります。
これ貼っちゃったらこのあと僕のプレイ感想とか述べる余地がないなあwww
最初に断っておきますが
ドラゴンバスターはこんなに簡単じゃありません!!!
もっと難しいです、多分。
普通はもちょっと、骸骨の剣で踊らされ、
魔術師の剣型ファンネルに踊らされします、多分www
アーケードとファミコン版の違いお分かりいただけたでしょうか。
当然のことながらグラフィックはアーケードが圧倒的であります。
眠ってるドラゴンが起き上がる様とか
イャンガルルガさんばりのサマーソルトとか堪りませんね。
では家庭用が劣ってるかというと決してそんなことはないですね。
今冷静にみると相当がんばって移植してるんじゃないでしょうか。
ステージ数など表面裏面考えるとアーケードよりボリュームがあるといえそうですし
ゲームがもつ雰囲気、面白さはしっかり再現されてると思います。
いつの時代も、アーケードから、または多機種からの移植となると
賛否両論の声が上がってしまうのは仕方のないことですよね。
みんな愛深き故に、ですよねw
ドラゴンバスターについて、まず肯定派としてみてみますと
・ファミコンのスペックを考えるとかなりがんばってるグラフィック
・音もファミコンの音源でよくここまでがんばった
・ダンジョン内の雰囲気やゲームが持つ面白さは十二分に再現されてる
・ボリュームもほぼそのまま
・アイテムが増えていたりしてむしろボリュームアップ
・ジャンプボタンの追加によりより遊びやすくなった
・なにより家庭でいつでも遊べる価値は大きい
こんなところかな。
今度は否定派で考えてみましょうか。
・グラフィックがダメ
・音もダメ
・ドラゴン戦なんかひどすぎる
・敵の攻撃パターンがちょっと違う
・ジャンプがレバーじゃない
・難易度がヌルくなってる
こんな感じでしょうかね。
いやあ、なかなか面白いなあ。
どっちもドラゴンバスターに対する愛情は同等のような気がしますけど
見方が違うだけで立場が180度変わりますなあ。
最近のゲームはどんなゲームにも難易度調整なんてものがついてますが
この頃は残機数変更やコンティニューの有無等ぐらいで
ベースの難しさはデフォルト一種類でしたよね。
なので移植の際の難易度変更で意見が分かれるなんてこともよくありました。
今でもそうかな、ロートルほどそうかもしれませんw
変な話、ちょっと難しくないとゲームじゃない、なんて見方もありましたからなあwww
否定派の方の多くは下手な移植許すまじ、ドラバスはアーケード版のみである。
だったのかもしれません。
僕もファミコン版ドラバス発売当時は否定派だったんですけど
時間が過ぎ、ファミコン本体の性能等にも思いをめぐらせるようになると
この移植はいい移植じゃないかと見えるようになりました。
せっかくVC化されたことですし、そろそろ落ち着いて
温かい目でファミコン版ドラゴンバスターに触れてみてもいい頃合かもしれませんね。
さてさてさて、今回は対比ばかりしてきましたが
最後は20年ぶりに遊んでみて感じたことなど。
ちょろっと遊んで、昔よりサクサク進んでる自分発見。
なんでだろー、と考えるとシステムを把握する能力がアップしとるわけです。
具体的に言うと、当たり判定の大きさとかを早い段階で
冷静に推し量ってる自分がいるわけです。
下段突き、前方向にかなり広い判定持ってるな、とか。
で、相手の出方もけっこう冷静に見れるわけです。
昔はわーっと突っ込んでいって敵にクルクル踊らされてたわけですが
さすがに30年以上もゲームばかりやってると多少経験値上がってますわなw
なかなか楽しく遊べ、最初の侍女なんかはサクッと救出したりしましたよ。
で、思った。
昔苦労してたことを思った。
昔の僕は、けっこう見た目どおりで行動してたなあ、と。
例えば下段突きなんかでは、敵は剣の真下にいなきゃ当らんと思い込んでた節がある。
昔チビッコだった人たちもそうだったんじゃないでしょうか。
当たり判定をプレイヤー有利に設定してくれてるのに気付かなかった自分のバカヤロウ!
なんてこと思ったりして。
最近では、例えば出来のいい無双シリーズとかはプレイヤーが気持ちよく
攻撃できるようにやや大きめの当たり判定持ってますし
モンハンなんかも片手剣のように気持ちよさ優先のものもあれば
ランス類は敢えて狭く、テクニカルに楽しむように調整されてたりしますよね。
ドラゴンバスターも意外とその辺よく考えてるっぽい。
いや、ただ大雑把なだけかもしれないかwww
とにかく極端にプレイヤーに不利になるようには作られてません。
敵のアルゴリズムは意地悪なような気がしますが。
なんか矛盾しとるなwww
やっぱり楽しんでもらうことが大事であります。
なんですが、僕のようにまだまだゲームに対する理解度が低かったへたれゲーマーは
剣の見た目の軌道通りに当てようとしてやられちゃってたんだな。
先ほど否定派の意見でヌルすぎてだめということ書きましたが
アーケード未プレイ・ファミコン版のみの評価で
難しすぎてクソゲー認定という方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。
難しいからダメ、という図式もゲームである以上永遠に付きまとうものですが
当時そんな評価だった方も是非、システムを理解したうえで再チャレンジして
ドラゴンバスターの魅力に触れて欲しいところ。
そして本作を全く知らない世代にも是非とも遊んでもらいたいですね。
ドラゴンクエスト以前にドラゴンにさらわれた姫を救うべく
剣を手にした青年がいたことを知ってほしいw
ドラゴンバスターは、残念ながらプレイヤーの腕が一流でないと姫は救えませんでしたが
そこを地道な努力で誰でも大団円迎えられるようにしたのがドラクエである。
と言えなくもありません。
そしてモンハンなんかはドラゴンバスター完全版だといえるかもしれません。
姫は助けないけど、巨大なドラゴンと対峙し挑んでいく興奮は
ドラゴンバスターが目指してた世界そのものではないかと思います。
正直ファミコン版はそこまで思い入れのある作品じゃなかったんだけど
改めて遊んでみるとやっぱりいろいろ見るべきところがありますなあ。
今回は、出来ることならナムコミュージアム版でもいいので
オリジナルと合わせて楽しんでもらえればと思います。
システム・世界観共にのちのゲームに多大なる影響を与えたゲーム。
知っておいて損はありませんよ。
ドラゴンバスター(バンダイナムコゲームス)
ファミコンソフト:2008年11月18日配信開始
DLに必要なニンテンドーポイント:500
僕のおすすめ度 76.510%