ピンボールで遊んでみた(レビュー46) | バーチャルコンソールクエスト

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バーチャルコンソールレビュー46回目の今回は
ファミコンのピンボールをお送りします。
それでは。


ピンボールは任天堂が1984年に発売したアクションゲームです。
アクショゲームっつうか文字通りピンボールゲームです。
ビデオゲームピンボールと呼ぶと通らしいですよw


ピンボール、今ではほとんど見かけなくなったゲーム機ですが
ビデオゲーム登場以前はメダルゲーム、プライズゲームと並んでゲーセンの顔でした。
そういう意味ではビデオゲームにその座を追われてしまった
悲しきゲームだったりしますなあ。
リアルに金属球を弾き返す快感は今でも健在だと思うんですけど
ゲーセンそのものの存亡が危ぶまれる中ピンボールの復活なんて
望める訳もありませんなあ。


ピンボールの歴史はめちゃくちゃ古く、
フリッパータイプが登場したのが1947年といいますから
半世紀以上、ビデオゲームの約2倍の歴史であります。
娯楽としては大先輩でありますのでビデオゲーム黎明期から
ピンボールをゲーム化しようって動きがあるのは当然ですね。
僕は海外のゲームには疎いので残念ながら詳しいこと分かりませんが
70年代後半にはゲーム化したピンボール登場してたようです。
日本だと78年に登場したナムコ初のビデオゲーム作品・ジービーは
ピンボールの要素を盛り込んだブロック崩しでありましたな。
ブロック崩しのボールをロストしないようにパドルで返し続けるゲーム性は
ピンボールの面白さから発想を得たシステムかも知れませんね。


さあ前振りはこの位にして(いつも長くてすんません)
ファミコンのピンボールの話に。


まずピンボールの基礎の基礎。
ボールを下に落とさないようにフリッパーで弾き返し続けてスコアを競う。
これがピンボール唯一のルールであります。

ファミコンのピンボールでも
十字キーで左フリッパー、ボタンで右フリッパーを動かし
ボールを落さないように弾き続けてハイスコアを競います。


この基本を踏まえ、リアル台・ビデオゲーム問わず各社が競ってきたのが
ハイスコアを競う為のギミックの部分。
特定のターゲットにボールを当てたり、ランプレーンを通過したり
上記のギミックを決まった順番でクリアすることで
ボーナススコアがゲット出来るようになってまして
ものによってはこの条件をクリアする事で基本スコアの倍率がアップ、
通常100点程度のポイントがガンガンインフレしていきます。
このインフレ感、そしてスコアが千万単位や億単位になるのも
ピンボールの楽しさだったりしますね。

ファミコンのピンボールにも素晴らしいギミックが数多く用意されています。

まず台構成、ゲーム機なので画面構成ですね。
ファミコンのピンボールは2画面構成であります。
リアルピンボールでも上部にフリッパーのあるものがありますが
ファミコン版はピンボール台を2台繋げたような作りで
下画面のフリッパーで受け損なってロストするとミスとなります。

上画面ではキノコバンパー、ランプレーンに画面左に配置されているターゲットと
ピンボールの基本要素は押さえつつ、右のレーンを通過すると
画面中央のスロットが回転そのすぐ上を通過するターゲットに当てることで
スロットが停止し、3つ同じ絵柄を揃えるとボーナスという
スロットマシンの要素が盛り込んであります。
下画面でも3つのキノコバンパー上部に5つのカードターゲットを用意、
すべてのターゲットを獲得するとロイヤルストレートフラッシュ成立でボーナス
というポーカーの要素が盛り込んであります。
左側の7つのターゲットをクリアすると右のエスケープゾーンが解放、
ここを通過できれば再スタートです。
また、下画面にはフリッパーではどうする事も出来ないロストレーンがあるのですが
画面下部に設置してあるタマゴスポットで、見事ひよこ3匹揃えると
ロストを防ぐ為のキッカーが出現して一回ロストを防ぐ事が出来ます。

そしてそして下画面右上に設置されたホール。
通常ピンボールに置けるホールはボーナスターゲットの最終地点として
設置されていることが多いのですけどファミコンのピンボールは
ビデオゲームであることを最大限に生かしたギミックとして設置してあります。
そのギミックというのがこれ。

ホールに入れるとボーナスステージにワープするのです!!

ボーナスステージはピンボールをリアルにシミュレートした画面から一変
ブロック崩しのようなステージへ。
マリオが持つパドルを左右に操作して球を落さないように弾き返します。
画面上部にレディが閉じ込められてまして右往左往しております。
画面中央に3×4のビンゴランプが用意されてまして
同じ数字を同色に揃えると上の足場が減っていき、
3回揃える事で消滅、するとそこからレディが落下。
これをパドルで受け止めて左右の安全地帯へ送り届けるとボーナスゲット。
ボーナスステージではロストしてもミスにはならず
上画面のホールから通常ステージ復帰となります。
ただ、レディを落下させてしまうとミスになりますのでご注意を。

そうそう、スロットとポーカーのギミックを完成させると
ボーナスとともにフリッパーの間にアップポストが出現して
プレイヤーにかなり有利な状況になります。


えー、以上がファミコン版ピンボールのギミックであります。
2画面+ボーナスステージという構成。
これがのちの作品にどれだけの影響を与えたか。
その作品群をみればよくわかると思います。
ファミコン版ピンボールはビデオゲームピンボールの源流に当る
と言っても過言ではないでしょう。

実は最初、46本目のレビューは20年ぶりの新作発売記念にエイリアンクラッシュで、
と思いダウンロードして遊んでたんですけど遊べば遊ぶほど
ファミコン版ピンボールにリスペクトの思いが強くなってしまいました。
そうそう、この作品は現任天堂社長の岩田聡氏がHAL研時代に手がけたものです。
任天堂の屋台骨を影で支えてきた人物が社長とは。
時代は流れますなあ。
任天堂のピンボールタイトルの多くはHAL研ピンボールなので
ファミコンピンボールの流れを汲むのは当然ですが
エイリアンクラッシュやソニックスピンボールなど
他社の作品にまでその影響が見られるということは
それだけファミコンのピンボールの完成度が高かったということでしょうね。


ただ、さすがに初期の作品だけあって死にラインに乗った時
リアル台であれば台揺らしというテクニックで回避する方法があるのですが
本作にはそれがないのでただただ落ちていくボールを眺めるのみとなっています。
ここがちょっぴり痛い点ではありますね。

それでも、ゲームとしては淡白すぎて時代を知る為の資料的価値か
コレクターズアイテムとしての価値しか無くなってしまっているものが多い
初期のファミコン作品の中にあって、現在でも楽しく遊べる数少ない作品として
未だ輝きを放っております。
スコアを重ねるとフリッパーが消えるブラインドプレイのアイデアも面白いし
スコアのインフレは起こしませんがボーナスを重ねてカンスト狙うのも
これまた楽しいですね。

やっぱり名作には少なからず見所がありますね。
僕は長年見てきたので新作にもいろいろな面影を見てしまうのですが
まあそういうことは抜きにしても、ファミコンのピンボールは
シンプルイズベスト、とでもいいましょうか。
気軽に楽しめる楽しさがぎゅっと詰まってますので
若い人にも機会があれば一度遊んでもらえるとうれしいです。
ランプレーンを消した時のオットセイとか。
ビンゴランプを巡る攻防の熱さとか。

そして上画面に描かれるNintendoのロゴを
未だに変らずゲーム屋さんで目にすることができるうれしさ。
これはおっさんゲーマーにしか分かりませんかねw


ピンボール(任天堂)
ファミコンソフト・2006年12月2日配信開始
DLに必要なWiiポイント:500


僕のオススメ度  77.7%