スカイキッドで遊んでみた(VCレビュー33) | バーチャルコンソールクエスト

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VCレビュー33回目の今回はファミコンのスカイキッドです。
これは昔遊びに遊びました。
ということで思い入れいっぱいでお送りします。
それでは

スカイキッドはナムコが1985年にアーケードで発売した横スクロールシューティングで
その移植作であるファミコン版は翌年1986年に発売されました。


まず特徴的なのがそのスクロール方向。
通常横シューと言えば自機が右を向いていて背景が右から左へとスクロールするんですが
スカイキッドはなんと真逆!
自機が左を向いていて背景が左から右へとスクロールしていきます。
これはほんとに珍しい!!
というか全編右方向へスクロールするシューティングって
これぐらいしか思い浮かばないんだけど他にもあるのかなあ。

もうひとつ本作には特徴的な部分があります。
それは二人同時プレイが可能な事。
実はナムコ初の二人同時プレイ対応タイトルだったりするんですよね。
縦シューはツインビーやエグゼドエグゼスがすでに稼働してたと思いますが
横シューで二人同時ってことでも初じゃないかなあ…
シューティングは二人同時プレイよりも
一人黙々とパターン作っていく楽しみの方が大きいよなあ、
と僕は思うのですがスカイキッドだけは友人と遊びまくった記憶があります。


操作は十字キーで移動、2ボタンがショット。
1ボタンは宙返りでこれがスカイキッドの要。
というのもスカイキッドは自機のスピードが極めて遅く、
ショットの射程も画面半分程度と短いので
普通のシューティングのノリでやってるとすぐやられてしまいます。
そこで活躍するのが宙返りボタン。
宙返り中は無敵状態なので敵の攻撃を緊急回避するのに使えますし
方向キーを同時に入力する事で宙返り後の復帰位置を任意で変える事が出来まして
敵の特攻を上下左右にかわす事が出来ます。

本作では被弾=ミス、ではありません。
ミスになる条件は地面or障害物に激突となっており
被弾するとミスにならず真下に墜落していくのですが
この間にボタン連打で復活する事が可能なのです。
ということで当時はジョイカードmk.Ⅱ装備でガンガン復帰しておりました。
後に裏技(※1)の存在を知るのですが数えるのが面倒だったので
もっぱら連射パッド頼りでしたね。

さてさて最後はスカイキッド一番の見せ場、攻撃目標の爆撃について。
スカイキッドは1ステージ中何カ所か攻撃目標が設定されていて
この目標には通常攻撃が全く効かず、ここを落すには
目標到達前に設けられた爆弾配置ゾーンで爆弾を回収し(触れるだけでOK)
その爆弾を目標の中心に投下するしかありません。
爆弾投下は1ボタン。
当然の事ながら爆弾所持中は宙返りは使用不可で
爆弾所持中に攻撃を喰らうと爆弾は落下というけっこう厳しいシステムです。
ゆえに爆弾回収後は敵の攻撃を凌ぐ事に徹するゲーム性に変りますね。

攻撃目標撃破には爆弾以外にもうひとつ方法があるにはあるんですが
それはなにかというと自機による特攻で
当然の事ながらミスとなり残機を1機減らすことになるので普通はやりませんわな。
ただ、二人同時プレイではどちらかが生還すればクリアになりまして
スカイキッドはステージクリア後にリザルト画面があり
空中の敵・地上の敵・攻撃目標別で撃墜数に応じて勲章ボーナスが与えられまして
攻撃目標は中でも高いボーナスを貰えますので残機に余裕があれば
勲章目当てで敢えて特攻という手もアリです。
でもまあ基本はなしですね。


スカイキッドはグラディウス等人気のあるシューティングと比べると
自機の移動も遅いですしショットの射程も短く、その上爆弾回収後は
宙返りさえも制限されてしまいますし、敵の対空砲火は激しく
敵機は特攻までしかけてきますので爽快感が薄く難易度の高いクソゲーと
認識されてる人も少なくないと思うのですが
僕はこの不親切さこそがスカイキッド最大の魅力だと思っています。
スカイキッドの主人公バロン(1P)とマックス(2P)は
第一次世界大戦時に活躍したドイツのエースパイロット
マンフレート・フォン・リヒトホーフェンとマックス・インメルマンを
モデルにしたのだろうと考えられてます。
お二方はレッドバロンとブルーマックスという愛称で呼ばれてますので。
そうそう、リヒトホーフェンのレッドバロンという愛称は
愛機を赤にカラーリングしていたところから付いたとされてるのですが、
そう、勘のいい方ならもうお気付きですよね。
あのシャア・アズナブルの3倍速い赤い機体、
そして赤い彗星という愛称の元ネタになった方でもあります。

ちょっと横道に逸れちゃいました。
主人公の名前から推測するに、スカイキッドは第一次世界大戦の
ドッグファイトを再現すべく作られたゲームではないかと考えられます。
そうか、そういうことか。
スカイキッドの、シューティング史上でも極めて珍しい左向きの自機は
第一次世界大戦時の敵国との位置関係を考えると腑に落ちますね。
ゲーム中の設定ではバードランド対メカズキン軍団となっておりますが
主人公のモデルがドイツ兵ということは敵国はフランス・イギリス。
どちらもドイツの西側に位置します。
ゲーム中の方角は左が西ですから左へ向かうようデザインされたのは
シューティングのセオリーからは外れますけれども
ごく自然な流れだったんじゃないでしょうか。

そして操作性の不親切さですね。
これも自機が第一次大戦中に活躍したフォッカー戦闘機での戦いを
再現する為にデザインされたのだと考えると納得。
未来の戦闘機ビッグバイパーのような機動性と攻撃力じゃ
逆に違和感ありありなんじゃないかと思いますよ、僕は。

ステージ序盤での撃墜数を競うべく繰り広げられる縦横無尽なドッグファイト。
中盤以降の敵の熾烈な攻撃に耐え忍んで目標に迫る緊張感。
そして目標を見事破壊した時の達成感に無事基地に生還した時の安堵感。
第一次大戦を戦い抜く飛行機乗りの勇姿を2Dの横スクロールシューティングに
見事なまでに落し込んだ素晴らしいゲームデザインではないかと思います。

そして二人同時プレイがこの戦場での熱き戦いを再現するのに一役買ってますね。
スカイキッドはお互いの攻撃にも当たり判定があり
攻撃を喰らうとしばしフリーズ状態になるのですが
これを利用して邪魔し合いながらのエース争奪戦はほんとうに熱かった。
また、ステージ後半は敵の攻撃も熾烈を極めて来るのですが
そうなった時の共同戦線もまた熱かった。

攻撃目標が要塞だけじゃなく戦艦や巨大飛行船なども登場して
バラエティ豊かですし、特定の背景の上で宙返りすることで
変化するギミックもユニークで楽しかった。
あそこが怪しいのではと宙返しては撃墜されてましたなあw


シューティング自体がけっこう人を選ぶジャンルではありますが
その中でも更に人を選びそうなスカイキッド。
しかしながら僕の中では超がつく傑作として再認識されました。
今遊んでも十二分に面白い。
グラフィックではアーケード版より遥かに劣るのファミコン版ですが
ゲーム性は何一つ損なわれる事無く再現されているので問題無しです。
制作者の方、世紀を越えても楽しめる素晴らしい作品をありがとう。
そして出来る事ならば昔共に戦った友人とまた遊びたいなあと思いました。
お邪魔プレイもたくさんしましたが良きライバルであり戦友でした。
今も元気にしてるかなあ。
今どこで何をしているかさっぱり分かりませんが
Wiiのバーチャルコンソール版で遊んだりしてると愉快ですな。
どうか元気に暮らしてますように…

以上、スカイキッドで遊んでみたでした。
次は何で遊ぼうかな。
ではでは(・ω・)/

※1・墜落状態からの回復コマンド
十字キー上を押しながら被弾した回数の2倍+1回ボタン入力
例えば一回目の被弾なら(1×2)+1ということで
上を押しながら3回ボタンを押すと復活、以降5回・7回・9回…と入力すればOK。
被弾数はステージクリアごとにリセットされますんで
ステージ中にやられた回数をカウントすればOK。
ただ状況によっては連続被弾する場合もあるのでこうなると復帰はなかなか難しいです。
この場合は連射パッドがあるとかなり楽ですね。



スカイキッド(バンダイナムコゲームス)
ファミコンソフト・2008年4月1日配信開始
DLに必要なWiiポイント:500

僕のオススメ度  76.5%