ジョイメカファイトで遊んでみた(VCレビュー27) | バーチャルコンソールクエスト

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レビュー27回目の今回は配信されたばかりのジョイメカファイト。
アーバンチャンピオン、イー・アル・カンフーと取り上げましたので
これも紹介しないわけにはと思ったもので。
それでは


ジョイメカファイトは1993年5月にファミコンで登場した
2D対戦格闘ゲームです!!


93年と言えばストⅡから始まった2D対戦格闘ブームの真っ只中ですね。
ここでちょっと90年代前半の格闘ゲームの歴史を簡単に振り返ってみましょう。


91年3月 カプコンのストリートファイターⅡアーケードで稼動開始!
91年11月 SNK ネオジオの餓狼伝説アーケードで稼動開始
92年6月 ストⅡスーファミに移植、累計販売本数約288万本!!
92年11月 餓狼伝説もスーファミに移植、移植度の低さにがっかり(iДi)
       SNK ネオジオ100メガショック第1弾として龍虎の拳投入
93年3月 バンダイ スーファミでドラゴンボールZ超武闘伝発売

93年5月 任天堂 ジョイメカファイト発売
93年7月 ストⅡターボスーファミに移植
93年12月 世界初の3D対戦格闘ゲーム・セガのバーチャファイター登場!!



とまあこんな感じです。
その他93年はアーケードではスーパーストⅡや餓狼スペシャルが大人気。
サムライスピリッツも登場してバラエティに富んできた時期ですね。
一方家庭用はというと、スーファミ版ストⅡや
バンダイのドラゴンボールZはかなり健闘してましたが
スーファミのスペックでも色々制約が多く、
アクションが得意だと言われていたメガドラでも
キャラがカットされたりとスペックダウンしてました。
16bit機でさえ各社苦労して開発していたのに
8bit機のファミコンで対戦格闘なんてありえませんよね、普通。
でも任天堂は出してきたのです。
敢えてファミコンで出してきたのです。

ファミコンということでボタンは少ないですが操作は普通の格ゲーとそう変りません。
十字キーの左右で移動、上方向でジャンプ。
敵が近くにいる時に相手と逆方向に入れるとガードします。
ボタンは1がキック、2がパンチ。

これはどのキャラでもほぼ共通ですね。
このほか各キャラクターはコマンド入力で使用できる必殺技が4種類あります。
必殺技は押すボタンによって軌道を変えられたり
飛び道具だと同時に十字キー入力することで飛ぶ速度を調節できたり、
そして隠し必殺技があったりと十字キーと2つのボタンで
けっこう技を繰り出すことが出来ます。


ということで操作は格ゲーっぽいんですが動きはどうなの?
ファミコンでちゃんと動くの??
という疑問が当然の如く湧き上がります。
そこで任天堂が出した答えはキャラの関節を無くすこと!!
頭・胴体・手・足という最低限のパーツが宙に浮いているなんとも
不思議なキャラクターを用意したのです。
その姿はかなり異様、そして滑稽。
動かない写真だけの情報ではとてもとても遊ぼうと思える代物ではありませんでした。
任天堂血迷ったか。
僕は当時そう思いました。
大体ファミコンで、大きなキャラクターを縦横無尽に動かそうと言うこと自体無理。
誰もがそう思ったに違いありません。
がしかし。
これが動かしてみるとびっくり。
独特のモーションでうにょーんと伸びる手足。
関節などなくてもしっかり攻撃がヒットしたという手応えが残ります。
それからパーツしかないという特徴を最大限に活かしたユニークな技の数々。
火の玉と化して体当たりをしかけたり
昇龍拳どころか実際に昇り龍となり相手を落したり。
ファミコンでこんなに生き生きとキャラクターが動くなんて!!
ファミコンでは不可能と思われた巨大なキャラクターがしっかり動いており
しかもちゃんと対戦格闘ゲームとして面白い。
目からうろことはまさにこのことでしょう。

格ゲーといえば対戦がメインで一人モードはおまけみたいなもんですが
本作では一人でも楽しめるよう味付けされた、
ユーモア溢れるクエストモードとなってまして
このモードのハードをクリアするとロックが解除されて
登場した敵キャラが他のモードで使用出来るようになってます。

最終的に使用出来るキャラクターの数はなんと36体!!
関節のない、肉体という制約の無いロボットたちだからこそ実現した
バリエーションの数々です。

ジョイメカファイトの素晴らしい点としてもうひとつ挙げたいのが
キャラクター選択時に使用できるマニュアルモード。

練習用のチュートリアルモードのことです。
このモードで実際にキャラを操作しながらの性能を理解することができるという
今では当たり前なんですが当時としては画期的なシステム。
というか当時こんな親切なモード無かったですよね。
昔練習する時は一人で二人対戦モード選んで練習してたよなあ。
これも目からうろこでした。
そうそうもうひとつ目からうろこなのがコンフィグモードで
サウンドテストが装備されていたことですね。
とことんユーザー目線のすごいやつだったんだなあと改めて感心。


格ゲーが一部の選ばれた人たちにのみ楽しめるよう進化してしまった現在、
連続技も無く、間合いと必殺技のみで駆け引きを楽しむこのシンプルさは
現役格闘ゲーマーの方々には少々物足りないかもしれませんが
僕のようなへたれゲーマーにはこのくらいが丁度いいです。
使うボタンも少なく非常にシンプルな分、
手軽に色んなキャラクターを動かす楽しさを味わえます。

1993年。
スターフォックス・トルネコの大冒険不思議のダンジョン
聖剣伝説2・第3次スーパーロボット大戦・伝説のオウガバトル等
現在でも人気の高い傑作が生まれている他
スーパーマリオコレクションやドラクエⅠ・Ⅱ等
ファミコンのリメイク作品も登場し始めた
スーファミがトップスピードに乗ろうとしている最も勢いのある時期に
ファミコンでこのような意欲作を発売した任天堂の姿勢には
頭が下がるばかりです。
64、GCの苦しい時代を乗り越えられたのも
任天堂のこのような姿勢があったからかもしれませんね。

まあとにかく久々のジョイメカファイト。
相変わらずの面白さに感動しつつ色んな事を思い出したました。
そうそう、これ格闘ゲームだからと試してみるか、と
ファイティングスティックWiiでも遊んでみました(笑)
シューティングだとコンパネ仕様の方が臨場感が出ますし連射機能もあるので
快適で非常に楽しいんですがジョイメカファイトに限って言えば
パッドの方が楽しいです。
というかコンパネであの無関節キャラ動かすのはかなり違和感が(笑)
Wiiリモコン横持ちはちょっと微妙なので僕のおすすめはクラコンかな。
ボタン同時押し技だけはファイティングスティックの方がらくちんでした。


どんな制約があろうともアイデア一つとそれを突き詰める情熱があれば
面白いものはできるということを証明してくれている作品であります。
ビデオゲームの本質がここにはあります。
当時パッケージ見ただけでバカにしてプレイしなかった人たち。
こんな面白いゲーム見た目でスルーなんてかなり損してますよ。
ここで出会わなければいつ出会う。
そしてバーチャルコンソール配信をきっかけに
ファミコンを知らない世代にも遊んでもらえますように。
今時のチビッコよ、スカポン踊りは小島よしおよりすごいぞ!!

ジョイメカファイト(任天堂)
ファミコンソフト・2008年3月11日配信開始
DLに必要なWiiポイント:500


僕のおすすめ度  95%
(最低は0、最高は一応100)