実は10月に、SFCレビュー攻勢をかけるべくゼルダや
ヘラクレスの栄光Ⅲなどを毎日少しずつ進めていたのですが
途中Wiiが真っ白になってしまいまして
途方に暮れてしまった10月でした。
いやあ、世の中何が起きるか分からないですね。
ということで久々のレビュー再開はファイアーエムブレムにしました。
普段からリセットまみれの作品なのでデータが飛んでも
そこまで堪えなかったのですよ(笑)
ではでは行ってみよう。
ファイアーエムブレムを語るにはまずファミコン版から始めましょう。
1990年にファミコンで「ファイアーエムブレム暗黒竜と光の剣」が登場。
記念すべきファイアーエムブレム第1作です。
基本的なゲーム性は映画「フルメタルジャケット」のパロディCMが印象深い
シミュレーションゲーム・ファミコンウォーズを基にしています。
ファミコンウォーズ自体が当時敷居が高かったウォーシミュレーションを
ボードをマス目上にし、ユニットの相性をシンプルに分かりやすく構成した
傑作シミュレーションだったのですが、今度はそれをさらに掘り下げて
ユニットそのものに個性を持たせRPGのような成長の要素も加えて
登場したのがファイアーエムブレムです。
当時シミュレーションのユニットといえばいくらでも生産できる消耗品だったのですが
本作では個性、すなわちキャラクターとして存在することによって
激戦を共に戦い抜くかけがえのない仲間となりました。
そしてその大切な戦友は撃破されると二度と蘇る事はありません。
いや、厳密に言うと蘇らせる事も可能っちゃ可能なんですが
方法が限られていて非常に困難を極めます。
普通のRPGにあるような地獄の沙汰も金次第なシステムではなかったのです。
そういえばたしか発売当初任天堂はロールプレイングシミュレーション、
といってなかったけなあ。
今ではシミュレーションRPGという非常に人気のあるジャンルの
ひとつとして確固たる地位を気付いていますが
この頃はそんなジャンルは存在せず、
シミュレーションのユニット成長と言えば熟練度アップの要素が
強かったと思うのでRPGのようにユニットが成長し物語を楽しめる
シミュレーションですよという意味でそう呼んだのかも知れませんね。
戦闘システムはシミュレーションゲームと同様に手駒を動かし
相手と対峙するのですが
武器は剣・斧・槍で三すくみの関係があり単純ながら奥深いシステム。
弓や魔道書による魔法は間接攻撃可能で上手に使えば強力ですが
近接攻撃にはめっぽう弱かったりしますので進軍するのに頭を使います。
武器・魔道書には使用回数が決められていてその数字を越えると壊れてしまいます。
2回攻撃が可能なユニットなどは武器の使用回数も常にチェックしておく
必要がありますね。
またユニットの職業によっても相性がありましてうっかり飛行系のユニットで
弓系のユニットに突っ込もうなら討ち死にしにいくようなもんなので
それらを頭に入れつつこちらの移動範囲、相手の移動範囲を確認しながら
一手一手慎重に進めてくことになります。
判断を間違えると先ほど述べたように仲間は
別れの言葉を残して戦死してしまいますのでそれに耐えられない
多くのプレイヤーはリセットボタンに手を伸ばすことになります。
慣れてくるとこのくらいと甘い戦略立ててしまいがちですが
些細な事で必殺の一撃くらってリセット、な場面も少なくないので
出来うる限り情報は整理して戦うのがベターです。
それでもリセットの回数は増えるばかりなんですけどね(笑)
戦死者を出したくないが故にリセットしてるようですが
実はこれ以外にリセットしたくなる大きな要因が二つあります。
まずはレベルアップシステム。
戦いを重ね経験値が100を越えるとレベルが一つ上がるのですが
ファイアーエムブレムのキャラはここが非常に曲者でして
レベルアップに伴うポイントアップ量は1と決まっており
またどのパラメータが上がるかどうかはユニットの職業によって伸びやすい
部分はありますがほとんど運任せ。
同じレベル2になるにしても力・技・すばやさ・運・HPと5つ上がることもあれば
すばやさしか上がらないことも。
普通のRPGのようにすくすくは育ってくれないのです。
本作では綿密な計算式により戦闘時の数値がはじき出されるので
このレベルアップ時の1ポイントが死活問題。
またレベルにも上限があるので運に任せたままレベルアップを続けると
レベルは最大なのにあんまり育ってないという悲惨な情況も出てきます。
ゆえに最強を目指す一部プレイヤーは不本意なレベルアップ時にはリセット。
というリセット地獄に陥ることになります。
もう一つは闘技場。
ファイアーエムブレムは装備品が消耗品ですから非常にお金がかかります。
にもかかわらずお金を手にする機会があまりありません。
そんな中唯一お金を増やせる場所というのが闘技場。
勝てばお金も経験値も手に入れる事ができるのですが
負けると待っているのは闘技場で戦った仲間の死、です。
嗚呼恐ろしやファイアーエムブレム。
こうしてリセットの無限ループに陥るのでした。
こう書くとなんだか非常にクソゲーな雰囲気ですね。
現にファミコン版登場時にはゲーム画面が一切出ないCMだったせいもありますが
数量限定ワゴンセールの常連でちょうどゲーム屋さんでバイトしていた僕の店にも
子供達がワゴンと買取価格のギャップを利用して小銭稼ぎに来てました(笑)
ワゴン対策に買取価格下げる時もありましたなあ。
僕がバイトしてたのは今はもう潰れちゃった小さな中古のみのお店だったので
基本美味しい仕入先だったようですよ、フフフ。
ちょっと話が逸れましたがそんな感じで一般的にはクソゲー評価だったように
思われるファイアーエムブレムですが、いざ遊んでみると上に挙げた
システムの数々が中世の戦闘を上手に表現していて
シミュレーションでもRPGでも味わえない、
戦死者を出した時の悲しさや勝った時のうれしさが
すべてプレイヤーの行動次第で決まる素晴らしいゲームではなかろうか。
そんな認識に変わり気がつくとリセットを繰り返しつつもやめられない
麻薬ゲームになってしまいました。
死んでしまうとは情けない、とか言われるRPGの主人公達よりも
ユニットに愛着が湧くのです。
また、これはシミュレーションRPGの特徴の一つでもあるのですが
弱いと言われるペガサス部隊で攻略する、とか
鉄壁のアーマーナイトを作る、とか
避けまくり&必殺出しまくりの剣士を目指す、とか
主人公を育てて正攻法で挑む以外に
プレイヤーによって多種多様は攻略法を試すところが出来る、
というのも非常に新鮮で魅力的でしたね。
オグマ隊長派かナバール派か、カイン派かアベル派かとかで
ほんとにプレイヤーの趣味嗜好が思いっきりプレイに反映される作品でした。
みんな主人公そっちのけで周りのキャラ育ててたよなあ。
これもシミュレーションRPGの特徴のひとつかもしれませんね(笑)
ただファミコン版に限って言えば主人公ちゃんと育てとかないと
最後の最後で泣くことに、というかオイオイ泣きました(笑)
だって光の剣マルス専用でドーガやオズマ隊長どんだけ育てても
暗黒竜に歯が立たなかったんだもの。
そんなこんなで任天堂ソフトとしては珍しく一般人を突き放した高難度で
これまた任天堂ブランドらしからぬ熱狂的ファンを獲得した
ファイアーエムブレムシリーズは以降Wiiまで数多くの作品を生み出したのでした。
そういえば64で1本も出てないのは勢いがなかったのか、
それともティアリングサーガ裁判の影響か。
また横道にそれそうになったので話を戻して戻して。
ファミコン版を長々語ってしまいましたがそれもそのはず、
このSFC版紋章の謎はファミコン版暗黒竜と光の剣をリメイクした
第一部・暗黒戦争編とその後を描いた第二部・英雄戦争編からなる
二部構成の作品なのでした。
英雄の血を引くマルス王子が辺境から進軍し宿敵を倒す
中世英雄叙事詩の王道をいくストーリーで
ファミコン版の世界をもとに以降最新のWii版まで続く
大河ドラマのようなシリーズに育ちました。
最初の作品で遊んでおくと細かいキャラの細かい因果関係などが
分かってより楽しいですよ。
1部はファミコン版と比べると5ステージ少なく、また一部キャラクターも
カットされてますがその分部隊がすっきりしてますし、
なにより迫力の増したグラフィックとファミコン版では超ドM仕様だったシスターや
(敵からのダメージ時のみ経験値獲得)
煩雑で使い勝手の悪かったアイテムの受け渡し等システムとバランスを
再調整して遊びやすく、かつやり応えのあるボリュームになっておりまして
ファミコン版よりも数段いい出来であります。
ゲームが進化して分岐を始める瞬間の作品ですんで是非是非。
タクティクスオウガもロボット大戦もここが源流ですよ。
と書きましたが初心者に勧めるにはちょっと悩むなあ。
遊び方がストイックなだけに人を選んでしまう難しいジャンルであります。
こういうのが一番悩ましいです。
ほんとは未体験のひとにこそ体験してもらいたい世界なんですけどね。
僕なんか遊んでる量だけで言うとかなりの経験値があるので
どんなゲームが来てもある程度対応出来ますが
これくらいは基本でしょう、と思ってる部分でも
初めての人にはどうしていいか分からない所だらけってよくありますから。
こういう場合、熟練者はそんなことも分からんのかと怒らずに
根気よく伝えていくしかないんだよなあ。
うーん、オススメ度は1200%付けたい所だけどそうもいかんか。
人にモノを薦めるって難しいなあ。
仲間の戦死だけはリセット推奨ですが(笑)
それ以外の部分は最初からあまりストイックにならずに
物語を楽しんでプレイされるのがいいんじゃないかと思います。
難しそう、を一度置いといてファイアーエムブレムの世界に
触れてもらえるとうれしいなあ。
ファイアーエムブレム紋章の謎(SFC・任天堂)
2006年12月26日配信開始・DLに必要なWiiポイント:900
僕のオススメ度 90%
(最低は0、最高は一応100)