ベトナム来てから今日まで、一番世話になったHiepが9月で退職することになった



思い起こせばHiepは、俺がベトナムに来てから直ぐ自分が面接して採用したスタッフで

彼は優秀とは言えないレベルだったが何か相性が合うのではと思い入社してもらった


そして俺らは非常に近い人間性だというのが仕事をしているうちに分かってきて親近感を覚えた


①面倒な仕事はやりたがらない

②プライベートを最優先して早く帰宅したがる

③営業や交渉事には一日の長がある


こっち来てから俺はそれなりの責任を背負う立場となり①は俺の中では克服されつつあり

俺の中では面倒な仕事をやりたがらないは過去の弱点となったが

Hiepの仕事ぶりは周りのスタッフからも「???」と思われる事が多く

俺に対しても彼へのクレームは少なくなかった



なぜ俺が周りから信頼が低いHiepをずっと俺が一番近い距離で仕事してもらったのかは

俺も得意とする営業力が他のスタッフとは比べ物にならないからだ


営業先や業者に連れて行くと、突如彼のやる気スイッチが「プチ」っと

ONとなる



以前港調査に行った際、

港って国の管轄で更には外国扱いだから事前のお伺いを立てない限り入ることは不可能である。

(お伺いを立てることすら難しい場所でもある)


日本からの出張者を連れて港近くに行った時、

「港の中はさすがに見れないよね~!?」と質問され

俺は「それはさすがにベトナムでも日本同様無理っすね~」と答えたがその直後

Hiepがドライバーになにやら話しかけそして車は港のゲート付近まで行った


俺は彼が何をやろうとしてるのか分からなかったが

突如車を降りて港の係員の建物に向かったことで意味が分かった


勝手にそそくさと建物に入り込むしばらくしても戻ってこない


何をしてるかのぞきに行ってみると中で係員となにやら交渉している


そしてHiepが係員の肩に手をかけ親しげに話をしているではないか


しばらくするとHiepが外に出て港の中へ導いている


OKだったらしい・・・


OKする係員も係員だが通常パスポートが必要とされ、

更には事前に様々な申請書類を提出しなければ入れない港の中への訪問を

彼は数分の交渉で成立させた


ちなみに俺が今楽しく参加してるフットサルチーム、

以前Hiepと2人でフットサルコートに行き、行く当ても無くウロウロしていると

今のチームメートたちがフットサルしている最中にHiepがリーダー格の人に近づき、

彼得意の接近戦で交渉スタート、

そして交渉の末、こうして毎週今のチームメート達と彼らのチーム会社負担で

俺らは無償で遊ばせてもらっている


土曜日のサッカーチームも元はといえばきっかけはHiepだ

このレベルがあっさり出来るくらいだから顧客との値段交渉なんかは

他のスタッフに比べると別格の違いを見せる


他のスタッフであれば膨大な根拠となる資料と見栄えの良い資料を作る為に数日費やし

準備後初めて顧客交渉、苦労に苦労を重ね顧客を説得する

まあ当たり前の作業だ


だがHiepの場合、彼はそんな面倒なことに時間を使うはずがない


資料は勿論バックすら持たず客先へ出向き

やたらと客に近い距離で座り交渉を開始する


そして10分も経たないうちに客と談笑し交渉を成立させている



もちろん交渉不調に終わるときもあるが他のスタッフに比べると勝率は群を抜いている


俺の場合、自分では交渉事は得意だという自信があるが

彼と比べて俺の場合は勝率は低い


というのも俺の場合は数打ちゃ当たると思って数多くの顧客を訪ねてるから

その時間と労力を考えるとHiepのが優れていると認めざるを得ない


そんな中Hiepに変化が起きたのは8月頃、

俺は10月に日本に戻る為に7月いっぱいで事務所のリーダーの立場から退き

営業については後任は日本に研修に2年間行っていたベトナム人スタッフが

マネージャーとして引き継いだ。


日本で完成された研修を受けてきた新しいマネージャーからみると

Hiepのやり方がどうも気に食わなかったらしい

彼を営業に行かせる機会を無くしてしまった


Hiepの良さが消されただけでなく、かといって短所を伸ばす訳でもなく

そうなるとHiepの悪い部分だけが出てきてしまう


仕事に怠けて日々の些細な業務はやらず徐々に休みがちになった


そして9月の始め頃、俺のところに来て「仕事が楽しくないから辞めたい」と言ってきた


俺は彼の管理者でなくなった時、ある程度予想はしていた事態だったが

彼の良さを出せる人は彼のキャラクターを認めてる人であって

普通に仕事させたらお世辞にもできる人じゃないから…


日本で2年研修してきた新しいマネージャーからすれば

「なんでこんな人採用したの?」とすら思ってるんだろう


そして新しいマネージャーは有給で休んでもいいけどあと1日は会社に来るようにと伝えると

Hiepは「福田さんの送別会にしか行かない」と


俺がこの会社に来てから誇だったのは

俺が来て以降、自分のスタッフや面接して採用したスタッフは誰も辞めてないということ


東南アジアでは転職は日常茶飯事でありながら

俺のスタッフというか俺は彼らをチームメートと思っているので

チームメートといわせて頂こう


チームメートはここベトナムでは珍しい抜群の定着率を誇った環境であった


だがその中でも仕事では誰よりも面倒を見てプライベートでは一番面倒を見てくれたHiepの退職

自分がリーダーで無くなった途端の出来事でショックだった



ただ、Hiepが「退職したい」と言ってきた時俺は彼を止める気は起きなかった

彼が独立して会社を興したいと言ってたのもあるが奴は俺の友達だからな



彼に俺は次のアドバイスをした


「人生は1回だ、やりたくない事に時間を注ぐのはお前らしくない

その決断、尊敬するぞ」


そして

「誰よりも応援してるぞ」と



そんなHiepから明日ホームパーティーに招待してもらっている


明日は飲みまくろう!!