ずっと書こうと思っていて、なかなか書けずにいたこと。
ようやく今日、綴ってみる気持ちになりました。
タイトルは——
「ありがとう練習帳」
母と私、ふたりの新しい試みです。
***
母は80代後半。
長い人生を、家族のために尽くしてきた人です。
自分のことを後まわしにして、
「誰かのために」が生きがいだった世代の女性。
そんな母が、ある朝、深いため息をつきました。
「ため息はやめた方がいいかもよ」と、私はつい言ってしまったのだけれど、
返ってきたのはこんな言葉でした。
「そう?でも、ため息つくとホッとしない?」
その瞬間、私の中にふと浮かんだのです。
**「母にも、感謝ノートをやってもらうのはどうだろう?」**と。
***
私は毎日、10個の感謝を書いています。
けれど母には、それはちょっと多すぎるかもしれない。
母はアルツハイマー型認知症を患っていて、最近は「頭がフラフラする」と言ってほとんど家の中にいます。
だからまずは、3つだけ。
ゆるやかに、優しく始めることにしました。
ノートは、最初は100均でいいかな……と思ったけれど、
ふと、思い直しました。
「どうせなら、“持つたびにウキウキできるノート”がいい」
そうして、まだ使っていなかったロルバーンを2冊出して、母に選んでもらうことに。
「どれも素敵だわぁ」と目を輝かせて、
バンドを外してみたり、何度も眺めて、うれしそう。
そして、こう言いました。
「こんな良いノートを持つの、初めてよ」
そのとき、私は心の中でそっとガッツポーズ。
ロルバーンにして、本当によかった。
きっと母は、またすぐにこのことを忘れてしまうでしょう。
そして、何度も同じように「わぁ、素敵」と言ってくれるはず。
でも、それでいいのだと思うのです。
そのたびに、**“素敵なノートを持っている自分”**に出会えるのだから。
その瞬間ごとに、乙女のようなときめきがよみがえるのなら——それだけで、十分。
***
ノートを手渡しながら、
母に説明する私自身も、きっとまた学び直していくのでしょう。
一緒に言葉を探しながら。
一緒に感謝を見つけながら。
たとえ、ガミガミ言ってしまう日があったとしても。
それも全部ひっくるめて、
これは**「母と私のありがとう練習帳」**です。