この歌詞がすごい! 「雪の華」
<radiko newsより>
人気の”雪ソング”の歌詞を読み解く
雪の華/中島美嘉(2003年)
10代男子の恋愛観を的確に描く
作詞はSatomiさん、作曲は松本良喜さん。このコンビのヒット曲には、ほかに柴咲コウさんの「月のしずく」もあります。実は私、歌詞カードを見るまで、作詞は男の人だと思い込んでいました。それくらい10代男子の恋愛観を、泣きたくなるくらい的確に描いているからです。
その解説の前に、もう一つ、歌詞カードを読む大切さを、この歌から教えられました。それは冒頭の、この歌詞です。
伸びたかげを舗道にならべ 夕闇のなかを君と歩いてる
私はこの「ほどう」は、歩く方の「歩道」だと思っていたんですが、歌詞を読むと、舗装道路のほうの「舗道」なんですね。たった一文字ですが、この違いで風景が変わります。歩く方の歩道だと、当然ながら道の端を歩いています。横を車が通り過ぎているかもしれません。でも、ペーブメントの舗道だと、真ん中を歩いているイメージです。そもそも「夕闇」なのに、なぜ影が伸びるかも不思議でしたが、夕闇のペーブメントなら、二人を照らすのは街路灯。ほかに誰もいない道を、街路灯に照らされて、手をつないで歩いている――映画のワンシーンのような風景が浮かび上がります。ね、言葉って大事でしょう?
さて、じゃあ、この歌のどこが10代男子の思いなのか。例えば、
手をつないで いつまでもずっと
そばにいれたなら 泣けちゃうくらい
って、齢とっても思いますが、初恋の人と初めて手をつないだ時のトキメキって、そりゃあ「泣けちゃうくらい」ですよ。ほかにも
今年 最初の雪の華を ふたり寄り添って
眺めているこのときに 幸せがあふれだす
君がいるとどんなことでも 乗りきれるような気持になってる
誰かのために何かをしたいと思えるのが 愛ということを知った
この歌、タイムマシンですよ。10代のころ、好きな人と冬の街を歩いて、しかも今、その人がもうどこにいるのかも知らない人には、胸がキュッと締め付けられるような歌詞の連続で、これは男女問わず、永遠のメモリアルソングだと思います。歌詞にある通り、
風が冷たくなって 冬の匂い
がすると、聞きたくなる。あの頃がよみがえる歌として。そうして思うんです。春夏秋冬、四季のある国に生まれて良かったなあ、って。俳句に季語があるように、思いに季節を重ねることで、歌はより深く、人の心に届きます。そんな歌を、これからも紹介していきますね。
舗道を手をつないでふたりで歩く・・・
キュンキュンな歌です














