ブギーポップは笑わない | 鉢野在流はライトノベルがお好き!?

鉢野在流はライトノベルがお好き!?

ライトノベルを中心に創作、批評、文章研究などを書いていこうと思ってます。物書きからの目線で物事を見定めるようシンプルに分析できれば、と。

ブギーポップは笑わない (電撃文庫 (0231))/上遠野 浩平
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 ――"世界の敵"と戦うために一人の少女の中から浮かび上がってくる、ブギーポップと名乗る人格と、様々な夢や、希望や、あきらめや、悩みや、いろいろな思い を持っている少年少女達の物語。「ブギーポップ(不気味な泡)」とは、周囲に異変を察知した時に自動的に人格が浮かび上がってくることを由来とする、同名 のキャラクターの自称を指す。

 この作品の見所は、オリジナリティ。いわゆるセカイ系の元祖とも言える作品であり、ラノベを読んでる方でこれを読んだことがない方は、この作品が様々な有名ラノベ、果ては某新伝奇エロゲーのパクリではないかと疑うかもしれません。いえいえ、実はこれが源流なのです。

 お気に入りのシーンは、明雄が直子を『見つける』シーンですね。あらゆる有名シーンが多い中、私はこのシーンが一番印象に残り、悲しかった。作者の文章力が無機質で透明だからこそ、見つけた時の哀愁っていうのかな、ただ、悲しいと思いました。

 学べたことは、構成でしょうね。時系列をバラバラにしてるんですが、整合性がとれている。よっぽど綿密に作り込んだからこそ、成功できたのでしょう。時系列をバラして作品を構築するとどうしても分かりづらさが出てくるのですが、この作品は時系列をバラしたことにより、物語に深みが出た希代の名作と呼べますね。

 ラノベ革命度 ☆☆☆☆☆ その人が一番美しい時に、それ以上醜くなる前に殺す