「皆」と「皆さん」

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 天皇は今年(2018年)の85歳の誕生日にあたり、例年のように「お言葉」を記者会見で述べられた。
 

 自身の天皇の時代である平成を終わりにする生前退位を実現し、象徴としてのつとめを果たせたかを自問し、戦争の時代と平和な時代を対比し、太平洋戦争の世界の犠牲者を悼み、平和を希求し、災害からの国民の復旧を願い、伴侶に感謝する感銘深いものであった。

 

 私が、オヤッと思ったのは、去年までの「お言葉」では、国民への呼びかけは「皆」であったのに対し、今年のそれでは「皆さん」に変わっていたことであった。このかたは、伝統に従い使っていた上から目線の「皆」を捨て、「皆さん」と語りかけて対等の立場に立とうとしているのだと好ましく思われ、生身の人間でありながら天皇という役割を果たし続けて来た最後の最後にたどり着いた心境の凝縮した姿を見た。長命をお祈りしたい。

                                  斎藤浩